愛美にああ言われてなんも言えなくなってた響葉
「あははっ、黙り込んでどうしたの?もしかして後悔してる…とか?ははっ、それ今更じゃね?」
そう言った後、愛美は瑠依の中から抜いてベッドに座る
「んうぁ…。ちょ…なんの…、話して…」
「……。」
響葉はまだ黙ったままで何も言わない
「黙んなよ、燐道。瑠依の事どうでもいいんでしょ?大切ならあんな事しないでしょ?どうなんだよ、燐道」
愛美はそう言いながら髪の毛を掻きあげた
「それは…瑠依は…俺の…俺の大切なkっ…」
響葉はそう言いかけたが愛美が話を遮った
「玩具って?マジでクズなやつだね…あんたって」
「ちゃう…瑠依は玩具なんか…」
「じゃあ、なんでこいつがいんのに…バカなことしてんの?」
そう言いながらため息をついて着替えた
「……。」
響葉はまただんまりになってた
「…はぁ、もういいわ…。俺が戻るまでここから出てけよ?いいな?燐道」
愛美は着替えてからこの場から出ていく
「………ごめん」
言いながら目隠しを取って響葉は瑠依を抱きつく
「………。」
抱きつかれて瑠依は黙ってしまった
「…ごめん…。瑠依」
響葉は謝りながら強く抱きしめる
「離して…?響葉」
そう言って瑠依は響葉を引き離して睨む
「…ごめん、瑠依」
響葉は心苦しみながら瑠依を見つめた
「もう別れよ…響葉…」
瑠依は震える声で響葉に別れを切り出した
「…そんな…俺はまだお前のこと…」
響葉はそう言いながら瑠依の肩を掴んだ
「聞きたくない!もう信じられないんだよ…いつもいつも」
瑠依はそう言いながら響葉の手を叩いて着替える
「ちょっと…瑠依…っ!」
「…俺の荷物は…少ないから捨ててもいい」
そう言って瑠依も出て行った
「…るい!」
1人に残された響葉はなんも出来ず立ち尽くす
「……ホントなにしてんのやろ…俺。」
ーーー数分後ーーー
ドアを開けて愛美が戻ってきた
「…まだ居んのかよ…燐道」
中に入ってきた愛美は髪の毛を掻きあげた
「……ごめん、出てくよ」
そう言われて響葉は言って出ようとする
「ちょっと待ちぃや…燐道」
愛美は響葉の手を掴んだ
「……なんやねん。」
「は?なんやねんじゃねぇだろ?なんで他のメンバーを襲ってた?」
愛美は響葉にいつものより低音でそう言う
「……それは…言えん」
そう言いながら響葉は目を逸らした
「…は?お前…死にたい?」
そう言って愛美は響葉を壁まで追い込む
「……っ、死にたくは…ない…けど、アイツに口止めされてんのや…っ!」
壁まで追い込まれた響葉は逃げられなくなった
「へぇ…それはつもり?今ここで死にたいってこと?燐道くん?」
愛美はそう言ってニコッと笑った
「そう言うてへん…でも…」
響葉は言葉がのどに詰まらせて上手く言えなかった
「誰にやれって言われたか今ここで言ってみろ!言わないなら…」
なかなか言わない響葉に対してイラッとしてそう言いながら愛美は響葉の首に手を当てる
「ちょちょ…あいみん、やめてや」
愛美に首に手を掛けられた響葉はそう言いながら愛美の手を離そうとした
「言わねぇだろ?」
そう言いながら愛美は徐々に手の力が入る
「……っ、ちょ…わ、わかった、から…っ」
響葉は苦しみながら辞めさせる
「なら…言ってみろ」
愛美は首絞めをやめて睨みつける
「…っはぁ…柚雪や…あいつに言われたんや…」
響葉はそう言いながら自分の首をさする
「……」
愛美は響葉の言ったこと信じずに黙って見つめる
「ほ、ホンマや!ヤれだけ言われただけや」
「はぁ…さっさと出てけ。あ、ひとつ…またバカな事してたら…言わなくてわかるよな?」
「……」
黙ったまま響葉は愛美の家から出ていく
ーーー公園にてーーー
side瑠依
「はぁ…。響葉がバカなことしてるのは知ってた…けど、いつかやめてくれるって信じてたのに…。響葉のバカ…」
瑠依は公園のベンチに座って静かに泣いてた
(もう別れよって言っちゃった…俺…、まだ…好きなのに)
「…もう苦しんで過ごす事も無くなる…。これで…いい」
と悲しそうな表情で言いながら夜空に見上げた瑠依
「家探さなきゃ…。はぁ…しんどすぎ…」
立ち上がろうとする瞬間、前に人影が
「……響葉…なんで…いるの…?」
瑠依の前に居たのは響葉だった
「はぁ…はぁ…やっと…やっと見つけた…。なんでって…探しに回ってたんや……お前のこと…。」
響葉は息が切れながらそう言って見つめた
「玩具が居ないと…誰が俺の性欲処理はどうするって?……ほかのメンバーに頼んだら…良いじゃないの…?俺じゃなくても」
悲しそうな顔しながらそう言って瑠依は逃げようとする
「…待って!瑠依」
と言って響葉は瑠依の腕を掴んだ
「離してよ!もう別れよって言ったじゃん!辛くなるのもう嫌なの!俺が…どれだけ…信じてたか…響葉…知らないでしょ…!腕離して…?」
そう言いながら腕を振り払って涙が流す瑠依
「……瑠依」
響葉は涙流してた瑠依を抱きつく
「やだ!離して!大嫌い!」
瑠依は抵抗しながらそう言った
「瑠依…落ち着いて」
「やだって言ってんじゃん!」
と言って響葉を突き飛ばした
「……るい」
突き飛ばされた響葉は悲しそうに見つめた
「うるさい!どれだけ傷ついてるのかわかんない?!」
悲しそうな表情で見つめても瑠依は夜の外と関係なくそう叫んだ
「…なら…殺して?そしたらもう瑠依は自由の身に…」
響葉は瑠依の手を自分の首に当てる
「…なに…してんの…」
響葉の行動に驚いた瑠依は困惑をした
「殺したいくらいに憎いんやろ?」
そう言った響葉はニコッと笑った
「殺したいじゃなくて…別れたいの」
「……。」
響葉はなんも言わないまま瑠依を見つめる
「……分かった。言い残すことは?」
瑠依は震える声でそう言ったがする気はなかった
「…なんも無い。どうぞ?」
そう言われた響葉はそう言いながら目を閉じる
「………。」
瑠依は手の力強くならないまま見つめる
「…瑠依?」
恐る恐る目を開けるとそこには
「……っ」
涙を流した瑠依に響葉は驚いた
「…なんで泣いてんのや…瑠依」
そう言いながら響葉は瑠依が流した涙を指で拭いた
「…俺が…俺が殺れると…思う?」
瑠依はそう言ったあと響葉の胸を叩いて膝から崩れ落ちた
「…え?」
「……っ」
「瑠依……?」
響葉は瑠依の名前を言った瞬間
「こんなん出来ないに…決まってんじゃん…っ」
涙を流しながら見つめる瑠依
「るい……、こんなクズな奴を絶対に好きになったら…あかんよ…分かった?」
響葉は跪いてそう言って瑠依の頭を撫でた
「……もう遅いんだよ…っ!前からあんたが…いくら他の人とヤったとしても…俺は我慢してた!家で寂しく待ってたんだよ。俺は響葉を信じてたんだよ?!わかんない?!」
瑠依は響葉の胸を叩きながら鬱憤を吐いた
「……っ、でも…瑠依……?知ってるやろ…?俺の…最低さを…」
「知ってるよ…そんなの。それでも…好きになったんだから…仕方ないじゃん…」
そう言って瑠依は離れようとするが、響葉がそれを阻止してまた抱きつく
「…瑠依、今まで…ごめん…今更許してとは言わない。でも…瑠依が好きなんや…愛してるんや」
響葉は抱きついてから瑠依の背中をさすりながらそう言った
「……俺は…その言葉…信じない」
「…うん、時間をかけて信用出来るまで…言い続ける。好きやで。瑠依」
「……。」
「…とりあえず…俺らの家に帰ろ?瑠依」
「……うん」
響葉は瑠依の手を繋いで自分らの家に帰った
ーーー家にてーーー
「今日、疲れたやろうから…今日はもう、寝てて?」
そう言いながら響葉は瑠依をベッドに寝かせる
「……響葉は?」
「俺は…お前が眠るまでそばにいるから、安心して?」
瑠依の隣で横になりながら頭を撫でる
「…どこにも行かない?」
瑠依は不安になりながら見つめる
「おん、もうお前のこと悲しませへんから」
「……」
瑠依は黙って響葉のことを抱きしめてしばらくして眠った
「もうつらい思いをさせない…」
そう言いながら響葉も抱きしめ返して眠りにつく
瑠依は…響葉のことをまだ許してくれないのだ…この二人の恋の行方はどうなるやら……(* ´艸`)クスクス