次の日
「今度クラブ体験で中学生がくるから楽譜コピーしといてね〜」
そう言って先輩から手渡された楽譜。
今日も帰るの遅くなりそう...
今日は職員室前のコピー機は空いていたけど、1人で静かにしたい気分だったから...
そう思いながらコピー室の扉に手をかけた。
ホントは空いてたらこっち使っちゃダメなんだけどね
ガチャ...
理「ゆいちゃんって案外ワルなんだね?笑」
由『っ理佐先輩...?!』
ちゃんと表のプレートは「空き」になってたし...しかも電気もついてないのに...
そう思った時、理佐先輩の言葉の意味がわかった。
理佐先輩もこっそりこっちを使ったということか...
ようやく言葉の意味がわかった私の様子を見てニヤリとした笑みを浮かべる理佐先輩。
由『し...失礼しました!』
そう言ってくるりと体の向きを変えた時、後からこんな声が聞こえてきた。
理「いいよいいよ、2つあるから一緒にできるよね?」
シュシュシュ...ピー...
理「ゆいちゃんもっと真面目な子かと思ってた〜」
由『そんなに真面目じゃないですよ』
2人で並んでコピーをしながら話をする。
理「そうなの?由依ちゃんいつも楽譜棚の片付けしてくれてるから...」
由『...!!』
え!嘘...!理佐先輩は気付いてくれてたんだ...
吹奏楽部の楽譜棚の整理は密かに私がしてること。
誰も私がしてると気付いてないため楽譜棚にお片付けの妖精が住んでるとまで噂されていた。
理『妖精なんているわけないのにね』
由「気付いてたんですか?」
理『あ、でも由依ちゃんだったら妖精であってるね。可愛い妖精さんが定期的に楽譜棚を整理してるって知ったら皆驚くだろうな〜』
由「...っ」
何でそんなことサラッと言えるんですか?
理佐先輩の言葉の一つ一つが私の心をグルグルと掻き回していく。
由『あ、そういえば、ゆいちゃんと遊びに行くんですか?』
この気持ちを悟られたくなくて私は無理矢理話を変えた。
理「ゆいちゃ...?あー!ずみちゃんか!ゆいちゃんずみちゃんと仲良いもんね...ってゆいちゃん知ってたんだ」
由『相談されて...』
理「そうだったの?」
由『はい、パンケーキのお店オススメのとこないかって聞かれて』
理「ふふっ」
私がそう言うとクスクスと笑い出す理佐先輩。
由『...?』
理「そっか、そういうことか」
由『ん?』
理「いやね、ずみちゃんのオススメのお店行きたいって言ったら理佐先輩の行きたいところがいいですってきたの」
そう言いながらポケットから携帯を取り出してゆいちゃんとのトーク画面を私に見せてくれた。
理[もちろん!ずみちゃんのオススメのお店行きたいな〜]
今[そこは理佐先輩の行きたいところがいいです!笑]
理[ええ!いいの?笑]
今[はい!]
理[ならUrth KEYAKIとかどうかな?]
ん?どういうこと...あ!
ゆいちゃんお店わからなかったのかな?
じゃあこれって...
由『言っちゃダメでしたね』
理「あははっいいんじゃない?私も分かってたし...」
理「...ずみちゃん、私がパンケーキ好きって言ってたからパンケーキのお店提案してくれたのかな...」
コピー機に紙をセットしながらそんなことを呟く理佐先輩。
由『そうだと思いますよ』
理「そっか...」
この時私の中で何かモヤモヤとしたものが私の中を満たしていた。
はぁ...何で好きな人と親友の手助けしてるんだろ...
え、
え...
私はやっと気付いた。
ずっと私はに取り巻いていたモヤモヤとしたものの正体に
私、理佐先輩のことが好きなんだ...
─END─