愛「...15...16...17!最高記録〜!」
帰り道、私の隣を歩く愛佳はたくさんの可愛らしい封筒を手に何やらその数を数えているよう。
女子校だからかバレー部エースの愛佳は異様にモテる。
愛「ねぇ、これ見て、これ理佐のクラスの子じゃん」
そう言いながらたくさんある中から1つ、ピンク色の花柄の封筒を私に渡す。
裏返してみると丁寧な字で“米谷奈々未”そうあった。
あの米谷さんが...意外だ...
教室でもずっと本を読んでいるような真面目な人だったから驚いた。
愛佳ってこんな人からも好かれてるんだ...
理『へ〜、ホントだ』
愛「読む?」
理『いや、ダメでしょ』
愛「そう〜?じゃあ家帰ってからにしよ〜」
ちゃんと読んでるんだ...
そっか、貰ったものだし読むのが当然だよね
それなのに少しモヤモヤする自分がいる。
愛佳は嬉しそうに優しい表情で封筒を1つ1つじっくりと眺めている。
何で私の隣でそんなことするの...もう、辛いよ...
愛「理佐はさ、好きな人いないの?」
理『へ?』
急にそんな質問をしてきて、驚きのあまり間抜けな声を出してしまう。
愛「お!その反応はいるな?」
理『いません〜』
愛『絶対いるでしょ』
理『何言ってんのいるわけ』
愛「私はいるよ?」
理『え?』
それまでふざけた口調だった愛佳が急に真剣な声色になって言う。
これだけ長い間一緒にいれば嫌でもわかる。
その言葉が冗談じゃないってことぐらい。
理『その子達可哀想〜愛佳のどこがいいんだろうね〜』
私は悔しくて、精一杯の皮肉を込めて愛佳の手にあるラブレターを指差す。
愛「それを言ったら理佐もじゃん」
理『え、何で?』
愛「だって私の好きな人って理佐だもん」
理『は?』
愛佳が私のこと...好き...?
一瞬時間が止まったように感じた。
愛「嘘〜冗談〜ひっかかった〜」
理『ずるい...』
愛「え?」
理『...このバカ、期待すんじゃん...』
愛「期待してくれたの?」
理『愛佳なんか知らない...!もうっ...バカバカバカバカ...』
ホントにずるい。
なんで冗談でそういうこと言えるわけ。
どんだけ私の気持ちを掻き回したら気がすむの
私は愛佳の言葉を無視して走り出す。
けど...
さすがバレー部。
そんな私の抵抗はあっけなく、すぐに追いつかれて気づけば後ろから抱きしめられていた。
愛「好き...」
理『...嘘なんでしょ...』
愛「違う、私は理佐が好き」
理『もう愛佳のこと信じられな...んっ』
私が言い終わるのを待たずして私の口は愛佳によって塞がれた。
唇に熱を感じ、そのまま全身が熱を帯びていく。
キス...された...?
愛「これで信じてくれる?」
理『...』
一気にたくさんのことが起こったからか、まだ頭がボーッとする。
考える能力なんてもう残ってない。
愛「理佐...好きです!付き合ってください!」
理『お願いします』
自然とその言葉が口から出た。
人気者のアナタだけど、
私のこと、
これからもずっとずっと大切にしてね?
─END─