──その日の放課後



〜2組〜



─理佐side─


昨日と同じように皆が帰ってねると二人きりの放課後



理『ねる、ありがとう』

ね「いいよいいよ」


その返答から、ねるは私がやめると皆に伝えるきっかけを作るために敢えて今朝の行動をとったのだとわかった。



梨加の言う通りだった...




お互い口を開くこともなく、私は夕日が差し込む窓の前に座るねるのオレンジ色に染まる横顔をただじっと見つめていた。
その時、急にねるが口を開いた。



ね「あ、志田さんだよ!」
 


そう言って教室の後ろ側の扉の方を指さす。



理『え?』



突然登場した愛佳の名前に胸がドキリと音を立てる。
ねるが指差した方に振り向くけど、扉には誰もいない。




理『え、いな........え、ねる?』

 


そう言いながら体をねるの方に戻すとねるのいた所にねるの姿はなかった。



え、どういうこと...?
 

志田さんがいると言って消えたねる。
この状況を理解しようと必死に頭を回転させるが全く理解できない。
そんな時、トントンと肩を2回目叩かれた。



理『ちょっと、ねる.......え』



当然ねるが叩いたものだと思って、後ろを向くとそこにいたのは愛佳。



理『愛.....なんで...』




  



─志田side─




理『愛.....なんで...』
 

そう言って椅子から立ち上がり、教室から出て行こうとする理佐を呼び止める。


志『待って、理佐...話がある』

理『何...』

志『理佐、なんで入学式の時私にはじめましてって言ったの?...理佐、私気づいてるよ。理佐が幼馴染でバレーがとっても強い理佐だってことぐらい』


“バレー”


私の口から発せられた、その言葉に過剰に反応してしまう理佐。


敢えて言ったんだ...


理『やだ、やめて、やめてよ.....っ』


怯えきった仔犬のような理佐をそっと抱きしめると理佐の身体は驚きからかビクッと跳ねる。
しばらくしてだんだん落ち着きを取り戻した理佐はゆっくりと話し始めてくれた。

 

理『...親から言われたの、高校からまた愛佳ちゃんと一緒になれるところにしたからって.....っ私は昔の自分が嫌いだった.....愛佳には昔の自分を忘れてもらって、一からまた会いたかった...だから、髪型も変えて、少しでも愛佳に近づこうとした...』



そう言う理佐の声は震えていた。
 


志『今の自分は好き?』



私がそう問いかけると、何かの糸がプツンと切れたように、溜まっていたものが溢れ出したかのように理佐は泣き出した。

 

理『っ嫌だ...今の自分もっ、、どうしたらいいの?...もうっ、わかんない...』

志『ありのままの、理佐はそのままの理佐でいいの』

理『でも...』

志『私が理佐を守る。必ず。何があっても理佐を守るから。だから安心して...』


そう言う私の理佐を抱きしめる力は自然と強くなると理佐も弱々しく抱き返してくれた。


理『ありがっ...とう』


蚊の鳴くような声ではあったが、その言葉は私の耳にしっかりと届き、染み込んでいった。
 

何があっても逃げない


今度こそ、絶対に、私が理佐を守る



そう自分の中で決意を固めた。






しばらくすると私の腕の中から抜けた理佐はふらふらと窓の前へと移動し、私に背を向けたまま口を開いた。
 


理『あのさ、愛佳』

志『うん』

理『この間、スポーツ大会の時ね、愛佳の言葉思い出したの...もし理佐が負けたらって...だから負けたの...』

志『え?』

理『なんつってな。嘘、やっぱり現役には負ける。バドミントンしてるとはいえだいぶ鈍ってたし』

志『そうじゃなくて、それ覚えてたの?』


 

私が中学の時、1度も勝つことのなかった相手。
それが理佐だった。

また理佐に負けた日、私は本気だったけど、冗談ぽく理佐にこう言った

「もし私が理佐にバレーで勝てたら...私と付き合って?」

私がそう言うと理佐は

「勝てるかな〜ぁ、でもいいよ、楽しみだな〜」

と、私のことを少々馬鹿にしながらもそう言ってくれた。

でも、結局その日は来ないまま理佐は転校していった。

そんなことを覚えててくれたなんて...


 


理『忘れるわけないじゃん。もしかしてまだ有効期限切れてなかっ.....ゃっ』


私は窓際に移動した理佐を後ろから抱きしめた。


志『あ、ごめん、嫌だった...?』

理『.....そう...じゃない...びっくりしただけ...』

志『まだ切れてないよ、理佐次第だけど』

理『.....でも、愛佳の気持ちは変わってないの?』

志『変わってないよ、理佐次第だって言ったじゃん』


私がそう言うと俯いたまま黙り込んでしまう理佐。



今言わないと絶対後悔する...


そう思った私は理佐に自分の気持ちを伝えた。



志『理佐、私と付き合ってくれませんか?』

理『...お願い...します』

志『え、いいの?』


まさかOKしてもらえるなんて思ってもいなかった私は思わずそう口に出してしまう。


理『だって私...中学の時からずっと愛佳が好きだったもん』

志『知らなかった...』

理『ふふふっ、だから愛佳が私に勝てなかったら一生付き合えないのかって思っ』




ガラッ_...



志『え?』

理『今、開いたよね?』

志『うん...』


私たちは音のした教室の前側の扉をじっと眺めていると



ガラガラッ_...



再び扉が開き、私は反射的に理佐を抱いていた手を離した。


そして、入ってきたのは...


長「も〜てちこのバカ〜」

平「ごめん、ねる」

由「バレちゃいましたか〜」

織「いいとこだったのにぃ平手〜〜〜ぇぇ」

梨「んふふふ」


志『え、平手に織田に...』
理『え、ねるに由依...それに梨加まで』



「「「おめでとう〜〜!」」」



突然入ってきた見慣れたメンバーと理佐と仲のいい理佐のクラスメイト達に頭がついていかないまま、私達は平手達に祝福された。


もしかして、一部始終見られてたのか...?



平「ほんと、やっとだよ」

ね「ね〜」

織「いやぁ、いい話だよ....」

平「愛佳かっこよすぎるねぇ、私が理佐を守る。必ず。何があっても理佐を守るからっ」

ね「ねるもてちこに言われたい〜」



今、長濱さん平手のことてちこって...?

しかも... 


もしかして2人.....



ね「あ、、」

織「そういえばさっき平手、長濱さんのことねるって」

平「あ、、」

由「ねるも平手さんのことてちこって...」

長「あ、、」
 


「「もしかして.....」」

 
平「ねる...いい?」

長「う、うん」


平「私たち、付き合ってます」



「「えええぇえー!」」



志『おい平手、いつから...』
理『ねーるー?』


平「え、えっと...」
ね「付き合って6ヶ月経ちます.....」


「「半年も!?!?」」

 

顔を真っ赤に染めて見つめ合う平手と長濱さん。


そんな微笑ましい光景の中、織田がここぞとばかりに口を開く。


織「渡邉さんと愛佳、平手と長濱さん...とこうきたら.....」
 

そう言って織田は小林さんの方を見つめる。
 

由「え、私?」

織「私と...ゆいぽ」

由「絶対嫌」



ドンマイ織田。

って、今、小林さんのことあだ名で呼んだ...?

いつのまにそんな仲になったんだよ



織「ゆいぽ〜〜〜ん!」

由「やだ、来ないで」



こんな短期間であだ名で呼べるようになるとか意外と織田いけるかもよ?



理『ふふふっ』
 


織田が小林さんを追っかけ回す姿を見て微笑む理佐。
  


その姿に私の胸はドキドキと音を立てる。



何があっても絶対に理佐を守る。



その笑顔も。



だから、安心してこれからもずっと私のそばで笑っててね






─END─



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ooshjmayuutoさんからのリクエストでした


リクエストありがとうございました☺️


遅くなってしまった上に思っていたものと違うものになってしまったと思います🙇💦


読み返してみるとこれは2日間の出来事だったという...笑
なんとも非現実的でしたがそれは物語だからということで😅


題名には梨加の理佐への想い、愛佳と理佐のお互いへの想いをかけていましたが、最後はきちんと届けることが出来てよかったです😌


この物語の番外編を明日投稿してこの作品は終わります


長い間お付き合いありがとうございました🙇✨ 



もも🍑