高嶺の花
我が家の庭では最も
ビッグサイズだったのが
前にもお伝えした
アマリリス
それも漸く終焉を迎え
カラーも終わり
何とか咲いているのはゼフィランサス
アマリリスは大きな花
大輪の花と言うべきだろうか
大輪の花で思い出すのが
私が未だ40代だった頃の話
その頃の私は
周りに年上の友人が多いせいか
良く色々な方のご縁のお世話を
頼まれた
「あなたお顔が広そうだから、、」
「ご主人の後輩に素敵な方
居ないかしら?」
何故か頼まれるのは女性ばかり
ある時知り合いの
宝塚歌劇出身のTさんから
誰か私に、、と直接頼まれた
男役だった方で
私より10歳くらい年上
50代 初婚
スラリとしたプロポーション
立ち姿も歩く姿もピシッと美しく
テキパキした感じの方
どなたか良い殿方は居ないかと
友人たちに紹介したら
「あなた(私のこと)と彼女
どちらが宝塚か分からない(苦笑)」
この頃良く言われた(-。-;
そして漸く同級生のご主人が
バツイチだが京大出の良い奴が居る!と
ご夫婦でその彼とTさんを
引き合わせてくれることに
中々良い感じだったそう
その後2人はデートを重ねていた
しかしある時彼から友人夫婦に
お断りのお返事が
その理由が
「僕には高嶺の花
大輪の花過ぎる」
宝塚出だからと言って
退団して20年も経てば
一般人とさほど変わりは無い
ブランド好きでも無く
プライド高い鼻持ちならない
タイプでも無く
ごく普通の大人の女性
家事もきちんとこなすし
昔から宝塚出のお嬢さんは
良いお嫁さんになると言う
ジンクスがあるほどだ
話は逸れるが
宝塚の現役男性役の方を
西宮北口や梅田辺りでたまに見かけるが
明らかにザ・宝塚!と分かる
髪の毛はショートの金髪
綺麗な整った小顔でスリム
パンツ姿も様になっている
背も170cmはゆうにある
歩き方も颯爽としていて
そこらへんの若者とは
明らかにオーラが違う
醸し出す雰囲気が違う
恐らく宝塚出と言う先入観が
彼にはあるに違い無い
彼女も良い方だと喜んでいたのに
それだけに皆残念で仕方が無かった
ところが話がそれで終われば良いものの
その後 彼は断っておきながら
彼女に薔薇の花束を贈ったり
何か思わせぶりな手紙を送ったり
段々彼女の中で不信感が芽生え
煮え切らない彼の態度が
疎ましくなって来た
それを聞いていた私は
彼の本意が良く分からない
どう言うつもりなのだろう?と
紹介してくれた友人に伝えた
彼女はまさかそんな事に
なっているとはと
慌ててご主人に報告
結局のところ彼に
あやふやな態度は
Tさんにも失礼だし良く無いと
諭したのだと思う
そして終わった
結局その後 彼は
別の女性と結婚したそう
そして彼女は今も独身
久しくお逢いしていないが
恐らく70代半ばでも
きっと凛と姿勢良く
ご自身の特技を生かしながら
元気に暮らしておられると思う
ー自分には大輪過ぎる
ー彼女は高嶺の花
だけれど未練もある
優柔不断な男性だと当時は思ったが
離婚経験のある彼は
とても心が揺れたのだと思う
もう2度と失敗はしたく無い
そんな思いもあって
大輪の花に思えた彼女に
惹かれつつ
心の何処かに不安を覚えたのだろう
人生とは ままならぬもの