DOCUMENTARY SERIES
THIRD PERIOD – 14
北朝鮮は、なぜミサイルを撃つのか
― 2026年8月20日、平壌の夜から見える「もう一つの北朝鮮」 ―
第三期-13では――
なぜ国家が、
核兵器を必要だと考えるようになったのかを見てきた。
分断。
朝鮮戦争。
巨大な軍事力。
大国間競争。
休戦。
同盟。
そして――
「もし、もう一度攻撃されたら、
どうやって生き残るのか」
という問い。
その答えとして――
核兵器は、
「最後の保証」になった。
なぜ国家が、
核兵器を必要だと考えるようになったのかを見てきた。
分断。
朝鮮戦争。
巨大な軍事力。
大国間競争。
休戦。
同盟。
そして――
「もし、もう一度攻撃されたら、
どうやって生き残るのか」
という問い。
その答えとして――
核兵器は、
「最後の保証」になった。
PYONGYANG|CITY|2026
2026年8月20日。
夜の平壌には――
高層住宅。
道路。
照明。
商業施設。
都市の光が、
静かに広がっていた。
高層住宅。
道路。
照明。
商業施設。
都市の光が、
静かに広がっていた。
KOREAN PENINSULA|MISSILE LAUNCH|2026
しかし――同じ夜。
都市の明かりの向こうで――
弾道ミサイルが、
日本海へ向かった。
弾道ミサイルが、
日本海へ向かった。
約10発。
約300キロ級。
日本側の発表によれば――
約320キロを飛翔し、
日本のEEZ外に落下したとみられている。
約300キロ級。
日本側の発表によれば――
約320キロを飛翔し、
日本のEEZ外に落下したとみられている。
ここで――
第三期-13で見た問いが、
もう一度、現在へ戻ってくる。
第三期-13で見た問いが、
もう一度、現在へ戻ってくる。
THE QUESTION RETURNS
国家は――
自分を守るために、
「最後の保証」を求めた。
核兵器。
ミサイル。
同盟。
軍事力。
しかし――
その「保証」は、
世界を本当に平和にしたのだろうか。
自分を守るために、
「最後の保証」を求めた。
核兵器。
ミサイル。
同盟。
軍事力。
しかし――
その「保証」は、
世界を本当に平和にしたのだろうか。
それとも――
一つの国が安全になるための力が、
別の国には脅威として見え、
その脅威に対抗するために、
さらに大きな力が必要になる――
「恐怖で守られる世界」
を作っただけなのだろうか。
一つの国が安全になるための力が、
別の国には脅威として見え、
その脅威に対抗するために、
さらに大きな力が必要になる――
「恐怖で守られる世界」
を作っただけなのだろうか。
第三期-14は――
この問いを、
1953年から2026年までの
朝鮮半島を通して見ていく。
この問いを、
1953年から2026年までの
朝鮮半島を通して見ていく。
第1章|2026年8月20日、またミサイルが飛んだ
― 平壌の夜景と、海へ向かうミサイル ―
2026年8月20日。
夜の平壌には――
高層住宅街の明かりが灯っていた。
夜の平壌には――
高層住宅街の明かりが灯っていた。

画面に映るのは――
ミサイルでもない。
戦車でもない。
軍事パレードでもない。
一つの都市だった。
ミサイルでもない。
戦車でもない。
軍事パレードでもない。
一つの都市だった。

道路。
建物。
照明。
商業施設。
人々の生活。
そこだけを見れば――
世界のどこにでもある、
夜の都市に見える。
建物。
照明。
商業施設。
人々の生活。
そこだけを見れば――
世界のどこにでもある、
夜の都市に見える。
■ しかし――その日の夕方
午後5時ごろ。
北朝鮮の平壌一帯から――
日本海へ向けて、
複数の短距離弾道ミサイルが発射された。
北朝鮮の平壌一帯から――
日本海へ向けて、
複数の短距離弾道ミサイルが発射された。
約10発。
約300キロ級。
日本側の推定では――
最高高度約90キロ。
約320キロを飛翔。
落下地点は――
日本のEEZ外と推定された。
約300キロ級。
日本側の推定では――
最高高度約90キロ。
約320キロを飛翔。
落下地点は――
日本のEEZ外と推定された。
そして――
韓米の情報当局は、
発射の動向を追跡した。
日本とも――
弾道ミサイルに関する情報が共有された。
韓米の情報当局は、
発射の動向を追跡した。
日本とも――
弾道ミサイルに関する情報が共有された。
■ 「また北朝鮮がミサイルを撃った」
日本でニュースを見ると――
多くの場合、
ここで話は終わる。
多くの場合、
ここで話は終わる。
北朝鮮。
↓
ミサイル。
↓
日本海。
↓
警戒。
↓
政府発表。
↓
ミサイル。
↓
日本海。
↓
警戒。
↓
政府発表。
しかし――
第三期-13を見た後では、
このニュースは少し違って見える。
第三期-13を見た後では、
このニュースは少し違って見える。
LOOK AGAIN
なぜ――
国家は、
ミサイルを必要とするのか。
なぜ――
相手は、
それを脅威として見るのか。
そして――
なぜ、その両方が
「自分を守るためだ」と考えているのか。
国家は、
ミサイルを必要とするのか。
なぜ――
相手は、
それを脅威として見るのか。
そして――
なぜ、その両方が
「自分を守るためだ」と考えているのか。
ここに――
核抑止の難しさがある。
核抑止の難しさがある。
■ その直前には、「軍事演習」があった
2026年8月。
韓国とアメリカは――
Ulchi Freedom Shield。
UFSと呼ばれる合同軍事演習を行っていた。
韓国とアメリカは――
Ulchi Freedom Shield。
UFSと呼ばれる合同軍事演習を行っていた。

当初は11日間の予定だった。
しかし――
期間は5日間へ短縮され、
一部の野外機動訓練も削減された。
しかし――
期間は5日間へ短縮され、
一部の野外機動訓練も削減された。
北朝鮮側は――
規模が縮小された後も、
米韓合同演習そのものを
安全保障上の脅威として批判した。
規模が縮小された後も、
米韓合同演習そのものを
安全保障上の脅威として批判した。
そして――
その直後に、
ミサイルが発射された。
その直後に、
ミサイルが発射された。
THE SECURITY CYCLE — 2026
米韓が軍事演習を行う
↓
北朝鮮がそれを軍事的脅威として批判する
↓
北朝鮮がミサイルを発射する
↓
韓国・日本・アメリカが警戒を強化する
↓
さらに軍事的な備えを強化する
↓
北朝鮮側から見ると、さらに脅威に見える
ただし――
ここで、
一つの因果関係に固定してはいけない。
ここで、
一つの因果関係に固定してはいけない。
今回の発射には――
米韓演習への反発。
兵器システムの試験。
軍事的な示威。
交渉上のメッセージ。
など――
複数の目的が重なっている可能性がある。
米韓演習への反発。
兵器システムの試験。
軍事的な示威。
交渉上のメッセージ。
など――
複数の目的が重なっている可能性がある。
つまり――
「演習をしたから、ミサイルを撃った」 と単純化するのではなく――
一つの行動が、
相手にどう見えるのか。
そこまで見る必要がある。
「演習をしたから、ミサイルを撃った」 と単純化するのではなく――
一つの行動が、
相手にどう見えるのか。
そこまで見る必要がある。
■ そして――ニュースの向こう側を見る
北朝鮮には――
核・ミサイル開発という、
現実の軍事的脅威が存在する。
核・ミサイル開発という、
現実の軍事的脅威が存在する。
韓国とアメリカには――
自国と同盟国を守るための、
軍事的な備えが必要になる。
自国と同盟国を守るための、
軍事的な備えが必要になる。
日本にも――
自国の領域と国民を守る責任がある。
自国の領域と国民を守る責任がある。
だからこそ――
それぞれが、
「自分を守るため」に行動する。
それぞれが、
「自分を守るため」に行動する。
しかし――
その行動が、
相手から見ると「脅威」になる。
その行動が、
相手から見ると「脅威」になる。
THE FIRST DISCOVERY
2026年8月20日のミサイル発射は――
70年以上前に始まった
「安全保障の問い」が、
まだ現在に続いていることを示している。
70年以上前に始まった
「安全保障の問い」が、
まだ現在に続いていることを示している。
そして――
この出来事を理解するには、
ミサイルだけを見るのでは足りない。
その背景にある――
1953年の「休戦」まで、
時計を戻す必要がある。
この出来事を理解するには、
ミサイルだけを見るのでは足りない。
その背景にある――
1953年の「休戦」まで、
時計を戻す必要がある。
1953年。
朝鮮戦争は――
「戦闘を止める」ことには成功した。
しかし――
平和条約によって、
戦争を正式に清算したわけではなかった。
戦争を正式に清算したわけではなかった。
では――
なぜ朝鮮半島では、
70年以上たった今も、
軍事的対峙が続いているのか。
70年以上たった今も、
軍事的対峙が続いているのか。
第2章|1953年に終わらなかった戦争
― 「休戦」の裏側で、朝鮮半島に残ったもの ―
1950年。
朝鮮半島で戦争が始まった。
朝鮮半島で戦争が始まった。
北朝鮮。
韓国。
そして――
そこには、
アメリカ、中国、ソ連、
国連軍などが関わっていた。
韓国。
そして――
そこには、
アメリカ、中国、ソ連、
国連軍などが関わっていた。
朝鮮半島は――
冷戦が実際の戦争として爆発した場所になった。
冷戦が実際の戦争として爆発した場所になった。
■ 三年間で、朝鮮半島は戦場になった
THE KOREAN WAR
1950年6月
北朝鮮軍が南へ進撃
↓
北朝鮮軍が南へ進撃
釜山周辺へ追い込まれる
↓
仁川上陸作戦
↓
国連軍が北上
↓
中国人民志願軍が参戦
↓
再び南へ
↓
38度線付近で膠着
↓
1953年7月27日
休戦
休戦
戦線が動くたびに――
都市が破壊された。
鉄道が破壊された。
橋が破壊された。
工場が破壊された。
そして――
人々が故郷を失った。
都市が破壊された。
鉄道が破壊された。
橋が破壊された。
工場が破壊された。
そして――
人々が故郷を失った。

■ 北朝鮮に残った、巨大な破壊の記憶
朝鮮戦争では――
北朝鮮の都市や産業基盤に対して、
大規模な航空攻撃が行われた。
北朝鮮の都市や産業基盤に対して、
大規模な航空攻撃が行われた。

都市。
工場。
発電施設。
交通網。
住宅。
社会を支えるインフラそのものが、
大きな被害を受けた。
工場。
発電施設。
交通網。
住宅。
社会を支えるインフラそのものが、
大きな被害を受けた。
ここで――
この歴史を、
北朝鮮の軍事政策を正当化するために使う必要はない。
この歴史を、
北朝鮮の軍事政策を正当化するために使う必要はない。
ただ――
後の北朝鮮の安全保障認識を考えるなら、
この経験を無視することもできない。
後の北朝鮮の安全保障認識を考えるなら、
この経験を無視することもできない。
「巨大な軍事力を持つ相手と、
もう一度戦争になったら――
自国は、
どこまで破壊されるのか。」
もう一度戦争になったら――
自国は、
どこまで破壊されるのか。」
この記憶は――
北朝鮮が、
「再び攻撃されないための能力」を
重視する背景の一つになった。
北朝鮮が、
「再び攻撃されないための能力」を
重視する背景の一つになった。
■ 1953年7月27日――「終戦」ではなかった
1953年7月27日。
朝鮮戦争は――
休戦協定によって、
大規模な戦闘を停止した。
休戦協定によって、
大規模な戦闘を停止した。
しかし――
平和条約によって、
戦争状態を正式に清算したわけではない。
平和条約によって、
戦争状態を正式に清算したわけではない。
1953 — ARMISTICE
戦争
↓
休戦
↓
分断の固定化
↓
軍事的対峙
↓
韓国とアメリカの同盟
↓
在韓米軍
↓
北朝鮮側から見た軍事的脅威
↓
休戦
↓
分断の固定化
↓
軍事的対峙
↓
韓国とアメリカの同盟
↓
在韓米軍
↓
北朝鮮側から見た軍事的脅威
つまり――
「戦闘を止めること」と、
「相互の安全保障上の不安を消すこと」は、
同じではなかった。
「戦闘を止めること」と、
「相互の安全保障上の不安を消すこと」は、
同じではなかった。
韓国から見れば――
北朝鮮の軍事力が脅威だった。
北朝鮮の軍事力が脅威だった。
北朝鮮から見れば――
韓国とアメリカの軍事力が脅威になった。
韓国とアメリカの軍事力が脅威になった。
ここから――
双方が「自分を守るため」に、
軍事力を必要とする長い循環が始まる。
双方が「自分を守るため」に、
軍事力を必要とする長い循環が始まる。
■ 1958年――核兵器が朝鮮半島に入った
そして――
朝鮮半島の安全保障に、
さらに大きな変化が起きる。
朝鮮半島の安全保障に、
さらに大きな変化が起きる。
1958年。
アメリカは、
韓国に核兵器を配備した。
アメリカは、
韓国に核兵器を配備した。
その後――
朝鮮半島では、
通常戦力だけではなく、
核抑止も安全保障の一部になっていく。
朝鮮半島では、
通常戦力だけではなく、
核抑止も安全保障の一部になっていく。
FROM ARMISTICE TO NUCLEAR DETERRENCE
1953
休戦
↓
休戦
米韓同盟
↓
在韓米軍
↓
1958
米国の核兵器が韓国に配備
↓
米国の核兵器が韓国に配備
朝鮮半島の安全保障に
核抑止が組み込まれる
↓
核抑止が組み込まれる
1991
米国が韓国から核兵器を撤去
↓
米国が韓国から核兵器を撤去
しかし――
↓
「核抑止」という考え方そのものは残った
ここは――
北朝鮮の核開発だけを見ると、
見えにくくなる歴史である。
北朝鮮の核開発だけを見ると、
見えにくくなる歴史である。
北朝鮮が核を持つようになる以前から――
朝鮮半島には、
「核によって相手の攻撃を思いとどまらせる」
という安全保障の論理が存在していた。
朝鮮半島には、
「核によって相手の攻撃を思いとどまらせる」
という安全保障の論理が存在していた。
THE SECOND DISCOVERY
1953年に残ったのは――
「完全な平和」ではなく、
再び戦争にならないように、
互いが軍事力を持ち続ける構造だった。
「完全な平和」ではなく、
再び戦争にならないように、
互いが軍事力を持ち続ける構造だった。
そして――
その構造の中へ、
核兵器が入っていった。
やがて北朝鮮自身も――
「最後の保証」を求めるようになる。
その構造の中へ、
核兵器が入っていった。
やがて北朝鮮自身も――
「最後の保証」を求めるようになる。
しかし――
ここで北朝鮮を、
「ミサイルを撃つ国」という一枚のイメージだけで見ると、
もう一つの変化を見落とす。
「ミサイルを撃つ国」という一枚のイメージだけで見ると、
もう一つの変化を見落とす。
2026年の北朝鮮には――
核・ミサイル能力を追求する国家であると同時に、
都市をつくり、経済を動かし、
国家を維持しようとする姿もある。
都市をつくり、経済を動かし、
国家を維持しようとする姿もある。
その変化は――
平壌の街に現れていた。
第3章|北朝鮮は「ミサイル国家」になったのか
― 核を追求する国家と、都市をつくる国家 ―
北朝鮮を語るとき――
私たちは、
まずミサイルを思い浮かべる。
私たちは、
まずミサイルを思い浮かべる。
発射台。
ロケット。
軍服。
核実験。
軍事パレード。
ロケット。
軍服。
核実験。
軍事パレード。

ニュースの中に現れる北朝鮮は――
ほとんどいつも、
「軍事」の姿をしている。
しかし――
2026年の北朝鮮を理解するには、
それだけでは足りない。
ほとんどいつも、
「軍事」の姿をしている。
しかし――
2026年の北朝鮮を理解するには、
それだけでは足りない。
■ 「核とミサイルの国家」になるまで
北朝鮮の核・ミサイル能力は――
一夜にして生まれたものではない。
1960~70年代から軍事・防衛産業の基盤が整えられ、
その後、弾道ミサイル能力が発展していった。
一夜にして生まれたものではない。
1960~70年代から軍事・防衛産業の基盤が整えられ、
その後、弾道ミサイル能力が発展していった。
そして――
2006年。
北朝鮮は初めて核実験を行った。
2006年。
北朝鮮は初めて核実験を行った。
2016年。
5回目の核実験。
2017年。
ICBM能力が大きく進展し、
同年9月には6回目の核実験が行われた。
5回目の核実験。
2017年。
ICBM能力が大きく進展し、
同年9月には6回目の核実験が行われた。
そして2020年代。
短距離。
中距離。
長距離。
さまざまな弾道ミサイルが、
開発・運用されるようになった。
短距離。
中距離。
長距離。
さまざまな弾道ミサイルが、
開発・運用されるようになった。
つまり――
「ミサイルを持っている国」から、
核とミサイルによって、
自国の安全を確保しようとする国家へ。
「ミサイルを持っている国」から、
核とミサイルによって、
自国の安全を確保しようとする国家へ。
第三期-13で見た――
「最後の保証」
という考え方が、
具体的な兵器体系へ変わっていった。
「最後の保証」
という考え方が、
具体的な兵器体系へ変わっていった。
■ しかし――ここで、画面を変える
では――
もう一度、
2026年の平壌を見てみよう。
もう一度、
2026年の平壌を見てみよう。

高層住宅。
新しい住宅街。
レストラン。
商業施設。
そして――
EV。
スマートフォン。
モバイル決済。
新しい住宅街。
レストラン。
商業施設。
そして――
EV。
スマートフォン。
モバイル決済。

そこにあるのは――
ミサイルではない。
人が暮らす都市だった。
ミサイルではない。
人が暮らす都市だった。
■ ただし――平壌だけを見ても、北朝鮮全体は見えない
平壌で見える変化と――
地方や低所得層の生活は、
同じものではない。
地方や低所得層の生活は、
同じものではない。
国家による統制や、
人々の自由をめぐる問題も存在する。
だから――
「発展した国」か、
「発展していない国」かという
二択で見る必要もない。
人々の自由をめぐる問題も存在する。
だから――
「発展した国」か、
「発展していない国」かという
二択で見る必要もない。
重要なのは――
何が変わっているのかを、
実際の都市や経済の姿から見ること。
何が変わっているのかを、
実際の都市や経済の姿から見ること。
韓国銀行の推計では――
北朝鮮の実質GDPは、
2025年に前年比3.5%増。
北朝鮮の実質GDPは、
2025年に前年比3.5%増。
2023年 3.1%
↓
2024年 3.7%
↓
2025年 3.5%
↓
2024年 3.7%
↓
2025年 3.5%
推計値ではある。
それでも――
建設。
製造。
サービス。
貿易。
都市開発。
経済は一定の動きを見せている。
それでも――
建設。
製造。
サービス。
貿易。
都市開発。
経済は一定の動きを見せている。
近年は――
中国との経済関係や、
ロシアとの関係も、
北朝鮮経済に影響を与えている。
中国との経済関係や、
ロシアとの関係も、
北朝鮮経済に影響を与えている。
■ 「ミサイルを撃つ国」の向こう側
ここで――
最初に見た写真を、
もう一度思い出してみる。
最初に見た写真を、
もう一度思い出してみる。
TWO IMAGES OF NORTH KOREA
IMAGE 1
ミサイル。
核兵器。
軍事施設。
軍事パレード。
↓
IMAGE 2
高層住宅。
新しい街。
レストラン。
EV。
スマートフォン。
都市生活。
ミサイル。
核兵器。
軍事施設。
軍事パレード。
↓
IMAGE 2
高層住宅。
新しい街。
レストラン。
EV。
スマートフォン。
都市生活。
どちらも――
2026年の北朝鮮に存在する光景である。
2026年の北朝鮮に存在する光景である。
つまり――
北朝鮮には、
核・ミサイル能力を追求する国家がある。
同時に――
都市をつくり、
経済を動かし、
人々の日常を維持しようとする国家もある。
北朝鮮には、
核・ミサイル能力を追求する国家がある。
同時に――
都市をつくり、
経済を動かし、
人々の日常を維持しようとする国家もある。
そして――
その国家の中で暮らしているのは、
ミサイルではない。
人間だった。
その国家の中で暮らしているのは、
ミサイルではない。
人間だった。
THE THIRD DISCOVERY
2026年の北朝鮮は――
「ミサイル国家」という一枚のイメージだけでは、
捉えきれない。
「ミサイル国家」という一枚のイメージだけでは、
捉えきれない。
核・ミサイル能力を追求する国家であると同時に――
都市をつくり、
経済を動かし、
人々の日常を維持しようとする国家でもある。
都市をつくり、
経済を動かし、
人々の日常を維持しようとする国家でもある。
そして――
ここで、
2026年8月20日の
ミサイル発射に戻る。
2026年8月20日の
ミサイル発射に戻る。
日本から見れば――
ミサイルは脅威だった。
しかし――
そのミサイルを撃った国にも、
都市があり、
経済があり、
人々の日常がある。
都市があり、
経済があり、
人々の日常がある。
そして――
その国もまた、
自分たちの「安全」を考えている。
自分たちの「安全」を考えている。
では――
その「安全」を守ろうとする力が、
相手にはどう見えるのだろうか。
相手にはどう見えるのだろうか。
第4章|そして、日本も「備える国」になった
― 「守るための力」が、相手にはどう見えるのか ―
北朝鮮から――
ミサイルが飛ぶ。
ミサイルが飛ぶ。
すると――
日本では、
それを探知する。
日本では、
それを探知する。

レーダー。
衛星。
イージス艦。
PAC-3。
航空機。
情報共有。
そして――
日米韓の連携。
衛星。
イージス艦。
PAC-3。
航空機。
情報共有。
そして――
日米韓の連携。

ミサイルが飛ぶたびに――
「どうすれば、
次の攻撃に備えられるのか」 という問いが強くなる。
「どうすれば、
次の攻撃に備えられるのか」 という問いが強くなる。
■ 日本もまた、「抑止」の論理へ入っている
2020年代の日本では――
防衛政策そのものが、
大きく変化している。
防衛政策そのものが、
大きく変化している。
長射程のスタンド・オフ・ミサイル。
統合防空・ミサイル防衛。
無人機。
AI。
宇宙。
サイバー。
防衛生産基盤。
そして――
反撃能力。
統合防空・ミサイル防衛。
無人機。
AI。
宇宙。
サイバー。
防衛生産基盤。
そして――
反撃能力。
ここで重要なのは――
装備品の名前を覚えることではない。
装備品の名前を覚えることではない。
その背後にある――
「どうすれば、相手に攻撃を思いとどまらせられるのか」
という考え方である。
「どうすれば、相手に攻撃を思いとどまらせられるのか」
という考え方である。
THE LOGIC OF DETERRENCE
普通の生活を守る
↓
攻撃されないようにする
↓
防衛力を強化する
↓
攻撃しても成功しないと思わせる
↓
攻撃すれば大きな代償を払うと思わせる
↓
相手に攻撃を思いとどまらせる
↓
抑止
この論理だけを見ると――
非常に合理的に見える。
非常に合理的に見える。
しかし――
相手もまた、
まったく同じことを考えている。
相手もまた、
まったく同じことを考えている。
■ 2027年度、約8.9兆円
日本の防衛力整備計画では――
2023年度から2027年度までの5年間で、
約43兆円規模の防衛力整備が計画されている。
2023年度から2027年度までの5年間で、
約43兆円規模の防衛力整備が計画されている。
そして――
2027年度の防衛予算は、
約8.9兆円規模とされている。
2027年度の防衛予算は、
約8.9兆円規模とされている。
JAPAN — DEFENSE BUILDUP
2023〜2027年度
約43兆円
↓
長射程能力
ミサイル防衛
無人機
AI
宇宙
サイバー
防衛生産基盤
↓
2027年度 約8.9兆円
約43兆円
↓
長射程能力
ミサイル防衛
無人機
AI
宇宙
サイバー
防衛生産基盤
↓
2027年度 約8.9兆円
しかし――
この数字だけを見て、
日本の防衛政策を評価することもできない。
この数字だけを見て、
日本の防衛政策を評価することもできない。
なぜなら――
日本側には日本側の安全保障上の計算があるからだ。
日本側には日本側の安全保障上の計算があるからだ。
北朝鮮。
中国。
ロシア。
台湾海峡。
東シナ海。
ミサイル技術。
サイバー攻撃。
宇宙領域。
中国。
ロシア。
台湾海峡。
東シナ海。
ミサイル技術。
サイバー攻撃。
宇宙領域。
複数の要素が重なり――
日本は「備える必要がある」と判断する。
日本は「備える必要がある」と判断する。
ここで――
「北朝鮮を利用して防衛費を増やしている」 と一つの説明に固定するのも、
逆に、 「北朝鮮が危険だから防衛費はすべて正当だ」 とするのも――
どちらも構造を単純化しすぎている。
「北朝鮮を利用して防衛費を増やしている」 と一つの説明に固定するのも、
逆に、 「北朝鮮が危険だから防衛費はすべて正当だ」 とするのも――
どちらも構造を単純化しすぎている。
■ ここで、一度「普通の日本」に戻る
防衛費という数字だけを見ると――
8.9兆円。
43兆円。
8.9兆円。
43兆円。
しかし――
その数字の向こう側にあるのは、
一人ひとりの普通の生活だ。
その数字の向こう側にあるのは、
一人ひとりの普通の生活だ。

住宅街。
駅。
電車。
学校。
コンビニ。
道路。
病院。
仕事。
家族。
駅。
電車。
学校。
コンビニ。
道路。
病院。
仕事。
家族。
人々は――
戦争をしているわけではない。
戦争をしているわけではない。
だから国家は――
その生活を守るために、
軍事力を整える。
その生活を守るために、
軍事力を整える。
ここまでは――
理解しやすい。
理解しやすい。
しかし――
その「守るための力」を、
相手はどう見るのだろう。
その「守るための力」を、
相手はどう見るのだろう。
■ 北朝鮮から見れば、日本と韓国の軍事力も「脅威」になる
北朝鮮がミサイルを増やす。
韓国が防衛力を強化する。
アメリカが同盟を維持する。
日本も防衛力を強化する。
すると――
北朝鮮側から見れば――
「自分たちを取り囲む軍事力が、
さらに強くなっている」 と認識する可能性がある。
北朝鮮側から見れば――
「自分たちを取り囲む軍事力が、
さらに強くなっている」 と認識する可能性がある。
その認識が――
さらに核・ミサイル能力を強化する理由の一つになる。
さらに核・ミサイル能力を強化する理由の一つになる。
THE SECURITY DILEMMA
北朝鮮
「自国を守るためにミサイルを強化する」
↓
日本・韓国・アメリカ
「北朝鮮が危険なので防衛力を強化する」
↓
北朝鮮
「周囲の軍事力が強くなった」
↓
さらに軍事力・核抑止を強化する
「自国を守るためにミサイルを強化する」
↓
日本・韓国・アメリカ
「北朝鮮が危険なので防衛力を強化する」
↓
北朝鮮
「周囲の軍事力が強くなった」
↓
さらに軍事力・核抑止を強化する
そして――
この循環の中で、
誰も「自分が攻撃者だ」とは考えていない。
この循環の中で、
誰も「自分が攻撃者だ」とは考えていない。
もちろん――
ここで「双方に同じ責任がある」と
単純に言うこともできない。
ここで「双方に同じ責任がある」と
単純に言うこともできない。
実際にミサイルを発射する行為。
軍事演習を行う行為。
防衛力を整備する行為。
核兵器を保有する行為。
軍事演習を行う行為。
防衛力を整備する行為。
核兵器を保有する行為。
それぞれには――
異なる規模。
異なる目的。
異なる法的・政治的意味がある。
異なる規模。
異なる目的。
異なる法的・政治的意味がある。
だからこそ――
重要なのは「どちらが完全に正しいか」ではなく――
一つの安全保障上の行動が、
相手の次の行動を生み出してしまう構造を見ること。
重要なのは「どちらが完全に正しいか」ではなく――
一つの安全保障上の行動が、
相手の次の行動を生み出してしまう構造を見ること。
■ ここで、北朝鮮を見る目も変わる
北朝鮮には――
核兵器を開発する国家としての姿がある。
核兵器を開発する国家としての姿がある。
しかし同時に――
戦争の記憶を持つ国家。
分断された国家。
経済を維持しようとする国家。
都市をつくろうとする国家。
国際社会との交渉を続ける国家。
戦争の記憶を持つ国家。
分断された国家。
経済を維持しようとする国家。
都市をつくろうとする国家。
国際社会との交渉を続ける国家。
そして――
自国の安全を、
外部からの脅威から守ろうとする国家。
自国の安全を、
外部からの脅威から守ろうとする国家。
そこには――
評価すべき点もあれば、
批判すべき点もある。
評価すべき点もあれば、
批判すべき点もある。
重要なのは――
どちらか一方だけを見ないことだ。
どちらか一方だけを見ないことだ。
LOOK BEYOND THE IMAGE
「危険な北朝鮮」
だけでもなく――
「発展する北朝鮮」
だけでもない。
だけでもなく――
「発展する北朝鮮」
だけでもない。
ミサイルを開発する国家も、
その中で暮らす人々も、
都市をつくる国家も、
すべて同じ現実の中に存在している。
その中で暮らす人々も、
都市をつくる国家も、
すべて同じ現実の中に存在している。
THE FOURTH DISCOVERY
抑止とは――
「自分だけが強くなれば成立する仕組み」ではない。
「自分だけが強くなれば成立する仕組み」ではない。
自分を守るために強くなる。
↓
相手には脅威に見える。
↓
相手も強くなる。
↓
自分もさらに強くなる。
そして――
「平和を守るための軍事力」が、
同時に「次の軍事力」を生み出すことがある。
↓
相手には脅威に見える。
↓
相手も強くなる。
↓
自分もさらに強くなる。
そして――
「平和を守るための軍事力」が、
同時に「次の軍事力」を生み出すことがある。
ここまで来ると――
第三期-13で見た
「最後の保証」という言葉が、
もう一度違って見えてくる。
「最後の保証」という言葉が、
もう一度違って見えてくる。
北朝鮮は――
核とミサイルを、
自国を守るための「最後の保証」と考える。
核とミサイルを、
自国を守るための「最後の保証」と考える。
日本は――
同盟と防衛力を、
自国を守るための「保証」とする。
同盟と防衛力を、
自国を守るための「保証」とする。
韓国とアメリカは――
共同防衛と拡大抑止を強化する。
共同防衛と拡大抑止を強化する。
それぞれの論理には――
それぞれの合理性がある。
それぞれの合理性がある。
しかし――
そのすべてが同時に動いたとき――
一体、
「安全」はどこまで増えているのだろう。
「安全」はどこまで増えているのだろう。
そして――
もし「抑止」が戦争を防ぐための仕組みなら、
なぜその抑止を強化するほど、
相手もまた軍事力を強化していくのだろうか。
なぜその抑止を強化するほど、
相手もまた軍事力を強化していくのだろうか。
第5章|「最後の保証」は、誰にとっての保証なのか
― 恐怖によって維持される平和の正体 ―
1953年。
朝鮮戦争は、
休戦によって大規模な戦闘を止めた。
朝鮮戦争は、
休戦によって大規模な戦闘を止めた。
しかし――
戦争を止めたことと、
平和を完成させたことは、
同じではなかった。
戦争を止めたことと、
平和を完成させたことは、
同じではなかった。
戦争を起こさせないために――
国家は、
「最後の保証」を求める。
国家は、
「最後の保証」を求める。
■ 抑止は、何を成功させたのか
核抑止は――
「戦争をなくす」
仕組みではない。
「戦争をなくす」
仕組みではない。
攻撃すれば、
相手から反撃される。 その反撃によって、
自国も壊滅的な被害を受ける。 だから――
相手から反撃される。 その反撃によって、
自国も壊滅的な被害を受ける。 だから――
THE LOGIC OF DETERRENCE
攻撃する。
↓
反撃される。
↓
自国も破滅する。
↓
だから、攻撃しない。
↓
反撃される。
↓
自国も破滅する。
↓
だから、攻撃しない。
核抑止が目指しているのは――
「戦争をしたくない」と
信じ合うことではない。
「戦争を始めれば、
耐えられない代償を払う」と
相手に理解させることだった。
「戦争をしたくない」と
信じ合うことではない。
「戦争を始めれば、
耐えられない代償を払う」と
相手に理解させることだった。
そして――
核兵器が使用されず、
核保有国同士の全面戦争が避けられてきたことを、
抑止の一つの成功と評価することもできる。
核兵器が使用されず、
核保有国同士の全面戦争が避けられてきたことを、
抑止の一つの成功と評価することもできる。
しかし――
そこには、
もう一つの現実がある。
そこには、
もう一つの現実がある。
■ 平和になったのか。それとも、戦争を避け続けているだけなのか
核兵器が存在しても――
軍事力は消えない。
軍事力は消えない。
核兵器。
ミサイル。
基地。
軍事演習。
防空システム。
情報網。
同盟。
ミサイル。
基地。
軍事演習。
防空システム。
情報網。
同盟。
それらは、
戦争を始めるためだけに存在するのではない。
戦争を始めるためだけに存在するのではない。
むしろ――
「戦争を始めさせないため」
に維持されている。
「戦争を始めさせないため」
に維持されている。
平和を守るために――
戦争に備え続ける。
戦争に備え続ける。
ここに――
核時代の大きな逆説がある。
核時代の大きな逆説がある。
THE PARADOX OF DETERRENCE
戦争を避ける
↓
軍事力を維持する
↓
相手も軍事力を維持する
↓
軍事的均衡を保つ
↓
戦争を避ける
↓
しかし、恐怖は消えない
つまり――
「戦争が起きていない」ことと、
「恐怖がなくなった」ことは、
同じではない。
「戦争が起きていない」ことと、
「恐怖がなくなった」ことは、
同じではない。
■ それでも、抑止を「失敗」と呼べるのか
ここで――
簡単に、
「核抑止は失敗だった」と
結論づけることもできない。
簡単に、
「核抑止は失敗だった」と
結論づけることもできない。
核抑止によって、
大国同士の全面戦争が抑制された可能性がある。
その一方で――
核兵器と通常戦力の競争は続き、
誤認、事故、危機管理、
偶発的なエスカレーションという
新たなリスクも生まれた。
大国同士の全面戦争が抑制された可能性がある。
その一方で――
核兵器と通常戦力の競争は続き、
誤認、事故、危機管理、
偶発的なエスカレーションという
新たなリスクも生まれた。
つまり――
抑止は、
戦争を完全になくしたわけではない。
抑止は、
戦争を完全になくしたわけではない。
それはむしろ――
「戦争を始めれば、
互いに耐えられない被害を受ける」
という均衡によって、
戦争を避けようとする仕組みだった。
「戦争を始めれば、
互いに耐えられない被害を受ける」
という均衡によって、
戦争を避けようとする仕組みだった。
平和をつくったのか。
それとも――
戦争を避けるための
危険な均衡をつくったのか。
それとも――
戦争を避けるための
危険な均衡をつくったのか。
■ 「最後の保証」は、最後まで必要なのか
国家は、
自分を守らなければならない。
自分を守らなければならない。
だから――
最後の保証を求める。
最後の保証を求める。
THE LAST GUARANTEE
戦争の記憶
↓
相手への恐怖
↓
軍事力
↓
同盟
↓
核抑止
↓
「攻撃されない」という保証
しかし――
その保証を必要としているのは、
自分だけではない。
その保証を必要としているのは、
自分だけではない。
相手もまた――
同じように、
自分を守ろうとしている。
同じように、
自分を守ろうとしている。
THE FIFTH DISCOVERY
核抑止が作ったのは――
「戦争のない世界」ではなかった。
それはむしろ――
「戦争を始めれば破滅する」という恐怖によって、
戦争を避けようとする世界だった。
「戦争のない世界」ではなかった。
それはむしろ――
「戦争を始めれば破滅する」という恐怖によって、
戦争を避けようとする世界だった。
そして――
その恐怖そのものが、
消えたわけではなかった。
その恐怖そのものが、
消えたわけではなかった。
■ そして――2026年8月20日
1953年から――
73年。
73年。
世界は、
いくつもの時代を通り過ぎた。
いくつもの時代を通り過ぎた。
それでも――
2026.08.20
朝鮮半島から、
再びミサイルが飛んだ。
再びミサイルが飛んだ。
約10発のミサイルは
――ただ海へ落ちたのではなかった。
それは――
1953年から続いてきた、
朝鮮半島の安全保障構造の中を飛んでいた。
――ただ海へ落ちたのではなかった。
それは――
1953年から続いてきた、
朝鮮半島の安全保障構造の中を飛んでいた。
その一方で――
平壌の夜には、
高層住宅の明かりが灯っていた。
高層住宅の明かりが灯っていた。

ミサイルが飛ぶ空の下で――
人々は暮らしている。
人々は暮らしている。
都市には明かりがあり、
日常がある。
日常がある。
そして国家は――
その日常を守るために、
軍事力を維持する。
その日常を守るために、
軍事力を維持する。
1953年。
休戦。
分断は残った。
恐怖も残った。
その恐怖から――
核兵器が生まれた。
ミサイルが増えた。
同盟が強化された。
そして――
2026年8月20日。
また、ミサイルが飛んだ。
その夜――
平壌には、
都市の明かりが灯っていた。
都市の明かりが灯っていた。
遠く離れた日本海では、
その軌跡を各国が追っていた。
その軌跡を各国が追っていた。
73年の歴史が――
再び、一つの光景になった。
戦争を起こさないために、
戦争に備える。
戦争に備える。
その力が、
相手には脅威として映る。
相手には脅威として映る。
それでも――
その力によって、
戦争が避けられてきた面もある。
戦争が避けられてきた面もある。
では――
それは、平和なのか。
それとも――
「戦争を始めれば、
互いに滅びる」
互いに滅びる」
という恐怖によって、
人類は戦争を避けているだけなのか。
人類は戦争を避けているだけなのか。
その問いは――
まだ、日本海に残っている。