マスターのこと。 | mimico日記

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ミミロータスの日々の日記を綴ります


師匠の死は、あまりにも突然でしばらく私の世界を無気力にさせた。

好きなものには真っ直ぐに。
相手より先に笑いかけろ。
今だけを見て感じて、生きろ。

私は師匠から経営のことはほとんど教えてもらっていない。紅茶を淹れる技術や云々よりも、教えてもらったことは、この3つだったように 今は思う。
まるで歯が浮くような理想論かもしれないけど、師匠はそれを最期まで実践していた。どんなにビジネスライクに動いていても、師匠の姿の根本にはいつも、情感的な部分があった。本当に、そうだった。

店をたたんでネパールに行くことを一番応援し、励ましてくれたのも師匠だった。
自分しか見れない世界を見てきて、そしてそれを自分の感性で伝えていけと言ってくれたのも師匠だった。

『紅茶は人が飲むから紅茶といえる。
人との繋がり、相手を想うこと。』

師匠からの言葉は、今のほうが現実味がある。きっとこれからもより深く近く、それは私に寄り添うはずだ。
不思議なことに 師匠がこの世界から去った後、出逢う人や一緒に時間を過ごす人は、その人の言葉でそれを教えてくれる事が多かった。
出逢いも別れも必然で、そのタイミングも必然だ。
だから私はまただれかにチヤをつくることをしている。

断片的に映るここからの眺めは、今一瞬しかない景色。
3月のネパールはとても穏やかだけど、あまりにも強い色彩で、目が痛くなる。