あいかわらず、手当たり次第に電話をかけてモノを売り込もうとする、いわゆるセールスコールというのが、やかましい。職場の電話にも、家の電話にも、最近では携帯にもかかってくるようになった。
あるウエブサイトに自分の電話番号を登録して、この手の電話がかかってないようにできる機能があるくらい、みなから忌み嫌われているセールスコール。
彼らの目的は電話のつながった人に話しを聞いてもらって、モノを買ってもらうことなのだと想像するが、このやり方でモノは売れるのか?
時間とお金の無駄なんじゃないか? この商売、いらないだろ、多分。( ̄^ ̄)
職場にかかってくるこの手の電話は、彼らの求める人々、オーナーやマネージャー達には絶対つながないし、たとえ狙われた本人が運良く出たとしても、
今、不在です。
とウソつかれておしまい。
家の電話はずっと留守電状態にして、鳴ってもとらない。帰宅して、残されたメッセージを聞くと、やたらと一人でしゃべりまくるたぐいのセールスコールが山のように録音されていて、ムカつく。
特に、生身の人間じゃなく、あらかじめ録音されたセールストークをメモリいっぱいに残されたりすると、かなり脱力する。だいたい、留守電のメッセージを聞く、というのは、帰宅して最初の作業なのに、疲れて帰ってきた人間に、これを聞かせるのは、心象を悪くする以外、なんの効果もないような気がするが。
が、最近、コイツらに翻弄されるだけじゃつまらん、と、家にいるとき退屈しのぎに電話に出ることにしている。
受話器を取るやいなや、
ハーイ! 私、ちょっとは空気読めよカンパニーの稲村ジェーンです。本日は…。(^∇^)
と、ハイテンションでしゃべりまくるお姉ちゃん。ぜったいアメリカ人ではなさそうな訛りでジェーンと名乗る。
いったい一気にどれだけしゃべるのか、ただ黙って聞いていた。ずーっと黙って聞いていた。
そして、言いたいことを言い終えて気が済んだのか、私に質問なぞしてくる。
ハロー? そこにいますか? 聞こえてますか?
ジェーンは、何も答えない私に不安をおぼえたのか、いらだったのか、必死によびかける。
そこで、私は一言も発しないまま、電話を切った。
逆無言電話。(`∀´)
そんなことを繰り返しているうちに、ある事に気づいた。
録音タイプのセールスコールには、受話器をとった瞬間に話しはじめるものと、こちらが何か言葉を発したのに反応して録音再生がスタートするものがある。
また、この言葉に反応するタイプには、ハローという言葉に反応するというハイレベルなものもあるらしい。
例えば、日本語で、
もしもーし!
とやり続けていれば、録音セールストークは始まらないって寸法だ。
今日も懲りずに電話が鳴った。
受話器を取って、ただ黙って相手の様子をうかがった。相手も無言。声に反応するタイプの録音セールスコールらしい。数秒そのまま放置し、そして、そっと、
鼻息をかけてみた。
すると、ハーイ!ボクの名前はデイビッド! と話し始めた。
デイビッドはとても明るい声で、私の鼻息に語っている。( ̄ー ̄;
おもしろい。
それで、ふと思いついたのだが、留守電のメッセージ。電話を買ったときについてる出来合いのじゃなく、自分で録音してみたらどうだろう。
最初にハローと言わないように。
もしくは
全くの無言状態、鼻息も録音されないよう注意を払って。
そうすれば、録音セールスコールにメッセージを置き逃げされる可能性が低くなるかもしれない。
と、ちょっとおバカなことを考えてみた。