去る者は追え | アメリカでしのぐウエイトレスのブログ

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バカヤロー!って叫びたいときだってあるんです…。

各テーブルで会計を済ます、アメリカでは一般的な、レストランでの支払いシステムって、食事代を支払うかどうかが、ある意味、客の良心にまかされている、という気がする。


大昔、初めてアメリカを旅行したとき、ウエイターが、私がきちんと支払うかどうかを見届けるわけでもなく、勘定書きをポンとテーブルの端に置いて去っていったのを見て、


だいじょぶなのか? これじゃ食い逃げし放題じゃないか(((゜д゜;)))


と、心配になったものだ。



もちろん、まかせてはいけない良心しか持ち合わせていない輩も多く、やはり、長くサーバーを続けていると、一度や二度、食い逃げされるという、不幸な目に遭うことがある。


そういうことがあると、マネージャー連はすぐ、サーバーを叱って、


あなたたちがよく見ていないからよ!ヽ(`Д´)ノ


などと言うものだが、


食い逃げなんてたくらんでいるヤツらは、始終回りに注意を払って、タイミングを見計らっているに違いない。

サーバーだって、自分の客の目の届かないところに行かなければいけない仕事は山のようにあるし、客を、食い逃げするかもしれない、って疑って、金を払って立ち去るまで、張り込みの刑事みたいに、彼らをずっと見張っているわけにはいかないんだよ。

そのぐらい、分かれ。バカ。( ̄^ ̄)





と、心の中で、よく反抗したものだ。orz



前置きが長くなったが、そんなわけで、客が立ち去ったテーブルを片付けに行ってまず最初の仕事は、


テーブルの上の勘定書きをチェックすること、である。



クレジットカードで支払う客が大半で、支払いはキチンと済ませてあるワケなのだが、それでも、チェックは必要だ。



クレジットカードの伝票には、店用の控えと客用控えがあるが、客はときどき、逆の方を持って帰ってしまう。

複写式でない客用の控えには、サインを記入する欄がないものがあり、これが後々トラブルの元になる場合もあるし、私達にとって、一番の問題はチップ。店用控にはキチンとチップ額を記入しても、自分用の控えには何も書かない客が多い。もし、チップ額を記入していない客用控えを置いていかれたら、



私達は、そのテーブルに無料奉仕をしたことになってしまう。


そんなのは許されない。面倒なオーダーも引きつり笑顔で引き受け、酔っ払いの話し相手にもなってやったのに。


とんでもなく忙しいときでない限り、客が去ったテーブルに行き、勘定書きを確かめ、


ヤバイ!(°Д°;≡°Д°;)


と、気づいたとき、たいてい客はまだ、店のすぐ外にいる。

追いかけていって、正しいものと交換してもらう。


それほど、このときのサーバーの動きはすばやいってことだ。

私はこれで、一度、食い逃げ未遂犯に代金を支払わせたことがある。



先日、日本人町の日本食レストランでランチをした。


カードで代金を支払い、クレジットカードのチップ欄には金額を記入せずサインをして、チップは勘定書きの上に現金で置いた。


これ、私のいつもの支払い方法。というか、財布のなかの現金が許すかぎり、この方法で支払う。

私の2つの職場でも、この方法で支払う客は、2、3割程度か。



そのまま店を出て、すぐ前に停めてあった車に乗り込みエンジンをかけ、


さあ、帰るか。(^~^)


と、思った瞬間、



前から、必死の形相で私の車めがけて走ってくる、さっきの店のサーバー。(゜д゜;)



あ、やっちゃったか!?(→o←)ゞ


そのときすぐに、私の頭をよぎったのは、


上に書いた、


クレジットカード伝票の取り違え、だ。



でも、チップは現金で置いたしな???(・_・;)


うるさい店では、サインのないクレジットカード伝票に書かれたチップを払い出してくれないところもあるから、ここもそういうきびしいレストランだったのかも。



私は車の窓を開けながら、反対の手で、財布の中の伝票を取り出した。


窓の外のサーバーは、肩で息をして、そしてオニのような顔で私を見ている。

すでにサーバーの顔じゃない。


そして、手に掴んだ伝票を確かめると、


たしかに客用控えだ。何も間違えていない。



?(・_・;)


ナゼ、このおねいさんは、私のことを必死に追いかけてきて、そして恐ろしい顔で私を見ているのか。


狐につままれたとは、このことだ。というか、オニに睨まれて金縛りにあっている。



あの…、何か?(;^_^A


そう言うと、このおねいさん、オニの首でもとったように、一言。って、オニは私か??





お金がぜんぜん足りません!(`Δ´)



は? あの、私、会計はカードで…。(;^_^A



ほら、って、手に持っている控えをヒラヒラさせて、そして、おねいさんが必死に掴んでいる勘定書きのなかの控えも指差した。っていうか、私のカードにチャージしたのは、このおねいさんだし、店の中にこのおねいさん以外のサーバーはいなかった。



あ。。。。


おねいさんは、すこし正気に戻ったようだ。



じ、じゃあ、このお金は何ですか!?(-""-;)



さもさもキチンとチップも上乗せした金額を勘定書きに置いたフリをして、実はほんのわずかな金額しか置いていかないという、変種の食い逃げ法がある。1ドルまで、日本の100円の単位までが紙幣であるからこそできる技であるかもしれない。



どうやら私、この変種の食い逃げ犯と間違われてしまったらしい。orz

言い訳させてもらうが、支払いはカード、チップは現金という支払い方法、けっして珍しくはない。



あ、あの、、、、チ、、、、ップ   ですが。(;^_^A

(それが、どうかして?)( ̄^ ̄)



おねいさんは、かなり正気に戻ったのか、すごく事務的な口調になった。



では、代金はカードで払って、現金はチップ、ってことですか。(-_-メ



はい。。。。。(;^_^A

(だから、なんなんだよ!)( ̄へ  ̄ 凸



あ、そうですか。そういうことですか。


そういうと、おねいさんはクルッと背中を向けて、店に戻っていった。orz



おーい。それだけか?(ノ゚ο゚)ノ

いらないなら、その現金置いてけ。




このおねいさん、多分、かなりな新人さんなんだろう。でなければ、勘定書きを開けた瞬間に、すべてを理解できたはずだ。

こんな筋金入りの新人さんを、一人きりにさせる店のやり方に、私を疑問を感じた。



が、店のすぐ前に車を停めてあったにも関わらず、立ち去る前に私に追いついた、という点では、このおねいさん、合格だ、と、思った。(;^_^A