それは数日前、自宅近くのある100均での事・・・
その100均はとある建物の2階にあり、わりと広く品ぞろえもいいのでゆっくりと買い物が出来る為、私のお気に入りの買い物スポットの一つなのですが・・・
その日、お店に入るなり 「ここでいつも買ってるんだよ」 という大きな声が聞こえて来ました。
「んなにごと」 と思いながら入って行くと「ないんだよ」 「いつもあるんだよ」 と歩きながら店員さんに迫っている60代くらいの男性が・・・
女性の店員さんが 「あ、欠品ですね。ここになければ在庫としてはないです」 と返事。
しかし、このオヤジ 「ここでいつも買ってるんだから」 と大きな声で店員さんに迫ります。
私は 「ん会話がかみ合ってないぞ」 と思いながら観察。
仕事柄、その人の会話から色々な事を分析するのでついついアンテナが反応してしまいます
と、別の店員さんが加わり 「では、入って来るかどうか調べてみますので・・・」 と助け船。
バックヤードに入って数分するとその店員さんが戻って来ました。
「すいません。その商品は『入荷未定』になっているので、入って来るのか製造中止なのかは分からないんですすいません」 と返事をすると 「さっきは欠品だって言ったじゃないか」 と激高・・・
「えぇ・・・それは棚になかったのでそう答えたんです今、調べたら『入荷未定』になってたので今お伝えした通りなんです」 と店員さんは答えますが、このオヤジ止まりません。
「俺はねいつもここで買ってるんだよいつもはあるのんだよどうなってんの」 と店内に響く声で店員さんに圧をかけます
どうなるもこうなるも、現状は品物は無いという事。
そしてその品物は今後入って来るのか製造中止なのかもここでは分からないという事がハッキリしているのです。
いつもここで買ってるという事と品物が無い事は関係ありません。
「いつも買っている」 をいう事でお得意様の特別扱いを望んでいるのでしょうが、たかだか数百円では例え毎日来ても無理な話し
また、いつも買っているからと言っていつもあるわけではありません。
この店舗は駅にも近く駐輪場もあり薬局とスーパーが隣接している為、大変立地条件がいいのです。
そうなれば利用する人が多いのは当たり前で人が多く利用する店舗なら品物は直ぐに売れます。
お店に置かれている品物はその人の為だけに用意されているわけではありませんから諸々考えれば 「買えない」 という事態に遭遇しても仕方のない事のはずなんですけどね・・・
つまり、冷静に考えればこのお店で 「打つ手はない」 という事が分かります。
どうしても欲しければ他の店舗を回るなり、Amazonや楽天で探すなりすればいいのです。
しかし、そこに意識がスッと行かない所をみると多分ネットが苦手なのでしょう。
スマホは持っていたとしてもそこから検索した事も無ければ、アプリで買い物が出来るなんて知らない可能性は大・・・
この人のように些細な事で、大きな声で威圧したり恫喝したりする人というのは口と肛門が直結している単細胞生物と同じで思慮深く考える事が出来ないので会話が成り立たない事が頻繁に起こります。
会話が成り立たないのでイライラする
大きな声で脅す
相手がビビる
要求が通る
そもそも単細胞で思慮深く考えて振り返りや反省ををしないので論理が崩壊した会話はそのままに、怒鳴って脅したら要求が通ったという成功体験だけが残る為、会話が成り立たない事がその後も頻繁に起こる
会話が成り立たない事がまた起こるのでイライラする
大きな声で脅す・・・
という動物的な成功体験スパイラルが出来、こういうオヤジが出来上がると言う訳です
しかし、単細胞生物に近い思考だとしてもプライドは人並みに・・・いや、人並み以上にあるのです
だから 「年上だから気を使われて当たり前」 「お客様なんだから傅かれて当然」 はては 「○○会社に勤務してたんだから」 「役職は○○だった」 などその人の中だけで価値があるもので戦いを挑んで周りから返り討ちにあい大いに笑われ、白い目で見られ恥ずかしくなって無駄に高いプライドが傷つくという流れ・・・
こういう人達は考える事が苦手なので論理的な会話に持ち込まれる事を嫌います。
論理的な会話に持ち込まれると理解できなくなり恥ずかしくなってしまい、それに周りが気づくとプライドが傷つくので 「その前に恥をかく前に皆が気づく前に大声で騒いで恫喝して怖がらせれば思うように事は運ぶし自分も傷つかずにすむ・・・よし、これだ」 ってな事になるわけです
さてさて、このオヤジあっちこっちウロウロしてたのに今は文具コーナーでしゃがんで品物を見ている私の後ろ1mのところで店員さんに同じ事をまだ言っています
オヤジ 「いつも買ってるんだよ」
店員さん 「あ・・・なので・・・」
と店員さんが話始めると 「さっきは欠品だって言ったじゃないか」 と店員さんの声に被せるように威嚇します。
店員さんは言葉を遮られ大声で被せて来られたことで委縮しちゃったようです
オヤジは店員さんが委縮したとみて 「どーなってんだよさっきと違うじゃないか」 とさらに追い込みます。
で、私は 「いやいやさっきちゃんと説明されたじゃん」 と心で突っ込みを入れながら、そろそろこの店員さんを助けてあげないとどうやら他の店員さんもビビッて来ないようなので・・・
なにより静かに楽しく買い物したいのに後ろ1mの後頭部、しかも私はしゃがんでいるので上からギャンギャンうるさいのです
で、立ち上がりながらくるっと振り向き先ずはオヤジの顔からつま先までをゆっくりと 「じぃーーーっくり見てますよ~」 のオーラを出しながらみて、今度はつま先から顔までを同じように見ます。
そして顔まで目線が戻って来てオヤジと目があった時に 「にっ」 っと笑います。
勿論、マスクをしているので口元は見えませんが日本人は目で会話が出来ると言われるほど目のニュアンスを読み取る民族なのでこの 「にっ」 をどう受け止めるか・・・
これで相手が反応する行動は二つ。
一つは、ターゲットを私に変えて凄んでくるか悪くすれば手が出るか・・・ま、手が出た時点で警察案件だなと思ってましたし、先ほどからの店員さんの説明を基に論理的な説明に持ち込めば問題なく解決するでしょう。
もう一つは 「もういい」 といって相手がこの場を去る事。
これは私に舐めるように見られたことで周りもそう見ていると感じて 「恥ずかしさ」 が倍増したため一刻も早くこの場を去りたいと思うから。
さて、このオヤジは・・・
私が 「にっ」 と笑ったとたん上半身が少しのけぞったので 「あぁーこりゃ早々に帰るぞ」 と思ったら案の定 「もういい」 といって帰って行きました。
「あーやれやれ、やっとこれで静かに買い物できるわ~」 と思いながら足元の真新しいハーフスニーカーを見て 「あっ・・・」 っと気が付きました。
この日の私の装いは、ドムドムの立体の布製黒マスクに黒の襟付きチュニック、黒のワイドパンツに黒のハーフスニーカーで上から下まで見事に黒
ただし、ハーフスニーカーの片方だけにロゴ入りの白いテープが斜めに張ってある、かなりモード感のある装いだった事に今更ながら気が付きました
そりゃね 「さぁ今から店員さんを吊るし上げていたぶって周りに、店に、見せつけてやるぞ」 と鼻息荒くしていたところに、黒くうずくまっていたのがムクムク起き上がって来て、くるっと振り向いたら全てが黒で統一されてて、そんなのが自分を上から下、下から上へと舐めるように見て最後に「にっ」 って笑ったら 「やべっ自分よりヤベー奴がいた」 と思うよね・・・
ま、とりあえずは静かな買い物時間が戻って来て何よりでした
あのオヤジは結局あのまま帰ってしまったので、またいつかどこかで同じような事をする可能性はありますが、今回の事で 「最後の最後でもどんでん返しは来るものだ」 と、学習してくれていれば幸いだなと思ったコロナ禍の5月の出来事でした
このお話が誰かの心のヒントになれば幸いです