『ウエイトスミス版』R愚者
届きそうで届かない。
手が触れそうになった瞬間、それはさらさらと崩れゆき跡形もなく消え去った。それは幻だった……。
届かないわたしの思い、実らないわたしの努力。
遠くに輝く星、それがわたしの目指す場所。
そのことを忘れ、目の前にぶら下げられたにんじんに惑わされてしまっていたのかもしれない。
夢は潰えたのではなく、わたしが幻を追いかけてしまっていただけ。夢は変わらずにそこにあり、わたしの到着を待っている。
誘惑に負けず、そこだけを目指せば、まだ可能性は残されている。もう少し続けてみてもよいのかもしれない。
本来の目的地だけを目指し、今ここから始めてみよう。