読者の方からご質問を受けました。

高額セミナー、高額コンサルがピアノ教室業界に

多い現状についてどう思いますか?というものです。

 

セミナー講師として全国をまわり業界誌の執筆などに長年関わり、業界のリーダー的な立場にある、、、というか、いろいろ見えてはいる。けれど、力はそんなにない私としては、このような現状について、責任を感じ、申し訳ないと思っています。

 

ピアノ教育の現場は、フリーランスで開業している先生方の孤立という問題を抱えています。悩みが誰にも相談できないので、悩みを検索して出てきたところに気を許して大金を払ってしまうのです。

 

高額を払ってもおつりがくるぐらいうまくいったから良かったという方も中にはいるのかもしれませんが、私には正常な在り方、我が子に自信を持って入ってきなさいと言えるような望ましい業界の在り方とは思えません。

 

高額セミナー、高額コンサルには、たいていは別業界の親コンサルのような人たちがついていて、ピアノの先生たちがこれでなんとかなるかもと望みを託したなけなしの数十万は、コンサルの先生から、親コンサルの先生のところに吸い上げられていきます。

 

ピアノの先生業界っておいしい場所だよねと認識され、他の業界にごっそり持っていかれていると私は感じています。

 

悔しいです。

 

背景には、ピアノの先生たちの孤立。しかも音楽が専門で、社会人としてのビジネス経験やリスク管理に疎い場合がある。プライドが高く人に助けを求めないタイプや、コミュニケーション力に難があるタイプもいる。しかしピアノを習っている家庭はそれなりに経済力がある。だから別業界から、ターゲットにされる。

 

対策としては、まずは孤立を防ぎ、ゆるいコミュニティを広げること。変なプライドは捨て、何歳からでもわからないことは質問し、検索し、とことん学ぶ。コミュニケーション力が足りなければ経験を積む。お金に関して徹底的に学び、安易な出費をしない。文章力をつけて沢山本を読んで学ぶ。たくさん文章を書いて論理的思考力を付ける。お金の計算をきちんとして、小さくても事業として継続できるように、入ってくる金額と出ていく金額をきちんと把握する、それも今だけでなく長期的なスパンで。そのうえで支出する。

 

言葉にすると簡単だけど、実行するのは難しいです。

思考力が弱いと、やはりターゲットになりやすい側面はあるでしょう。一番怖いのは、自分の思考力の弱さを自覚していない場合。思考力が弱くても、自覚できていれば、信頼できる思考力のある人に相談しようと思えます。無知の知ですね。誰かに助けてもらってでもいいから、大事なことは納得いくまで取り組む。

 

私は本を書いたり、SNSで発信したり、ライティング研究会でイベントを行ったり、楽器店セミナーでは孤立していた先生方をコミュニティに結びつけるなど、微力なことしかできていませんが、もう少しなんとかしたいと思っています。


私だけでなく、出版社、楽器店、業界団体、先生方、皆さんで良い形の業界のあり方を目指し、孤立している先生をなくしていければと思っています。