最近ピアノの先生にピアノを教えるレッスンがどんどん増えており、オンラインも含めて門下が10人を超えました。びっくりです。



 

私自身は大人向けコンクールで入賞はいくつかありますが、ピアニストではない。

以前は、指導者レッスンはお断りしていて、「こういう著名な先生のところに行ってみたらどうですか」というお話にとどめていました。

 

ところが、それでうまくいった場合もあったのですが、最近は、「私じゃないとダメな場合もあるのかもしれない」と思うことが増え、指導者の方にも教えることにしました。


まず、モチベーションに課題がある場合、練習したり人前で弾きたい意欲がなく、ピアノが楽しくない。

 

ピアノが好きだったはずなのに、なぜかモチベ―ションがあがらなくて楽しくなくて、弾く気が起こらない。どうしてこんなことに?

 

確かに、構造的にそういうふうにはなりやすい社会だとは感じています。私自身そういうモチベーションの低下を体験し、それを経てモチベーションを取り戻した経緯があり、モチベーションを阻害しているものは何か、研究を重ねて現在に至っている部分はあります。

 

「美芽先生のところに来ると、やる気が出てすごく楽しくなるんです」

 

と、レッスンに来てくださる先生方はみなさん言ってくださいます。弾きたい曲を探して、ステージに挑戦するのが楽しい、その段階まで一緒にお付き合いします。ペアレッスンやホールレッスン、ひきあい会など門下生どうしの交流も設定し、仲間どうし励ましあう機会を作っています。


そしてモチベーションを立て直すと、基礎をやり直す気力が湧いてくるのですね。

 


もうひとつ、技術的なバージョンアップをする機会がなかった場合の基礎のやり直しをお手伝いしています。


スケールを弾く際に指の上げ下ろしを1本ずつどうすべきかなんて、昔は習ってない、という話は珍しくないもので、有名音大を卒業した方でもかなりたくさんいます。いま、著名な先生に習っているけど、スケールについては弾き方を習っていないという話も非常に多いです。スケールについては根津栄子先生に弟子入りして教わったやり方をお教えしています。


指の1本1本の上げ下ろしの角度やスピード、打鍵と離鍵のスピードや方向、腕の使い方、手のひらの筋肉の使い方などについて細かく見るのが割と好きなのですが、特にスケールやアルペジオでそのあたりも細かくフィードバックすると、先生方はどんどん変わって、ご自分でも楽しんでいらっしゃいます。


脱力については、スケールやチェルニーのほかに、斎藤守也さんのエチュードも併用します。


音楽的な部分は、私はプロのピアニストではないので、お手本で弾ける演奏も限りがありますが、音楽ライターとして長年研鑽を積んできた部分も含め、方向性の修正をお手伝いしています。さまざまなピアニストのCDを聴いて、それを自分の演奏にどのように活かすのかも具体的にお伝えしています。

 

基礎基本と、モチベーション、音楽的な部分をもう一度立て直して、ステージで弾くのが楽しい、というサイクルをつくるまで、たぶん数年はかかりますが、そこから自由に好きな方向に巣立っていってくだされば・・・と思っています。


先生のモチベーションが上がると、何歳になっても好きな曲を譜読みして、ステージで輝く姿を生徒に見せられる。


先生が、毎日スケールアルペジオを練習して指がしっかり動き、難しい曲もノーミスで弾けると、生徒が「すごい」と目を丸くして、「スケール頑張ろうね」という言葉に説得力が出る。


口だけの指導が悪いとは思いませんが、

指が故障していなくて、弾けるならば、幸運なんです。

弾かずに教えるなんてもったいない。


今年は門下生がベーテン音楽コンクール全国3位をいただきました。コンクールに出ていない門下生たちも、それぞれに目覚ましい成長を見せていて、頼もしい限り。

 

指導者レッスンは、対面とオンラインの両方で行っています。詳細はこちらをご覧ください。

 

レッスンでよく使っている楽譜をご紹介します