暑い陽射しが注ぐ
私が あの方の婚儀を知ったのは
丁度 こんな暑さだった
あれ程 重ね合い言葉を紡ぎながら
あの方は 私より己の欲を取った
それでも 私はあの方が来る時を願い
待ちわびながら 時を過ごしていた
どれ程の時を眺めていたのだろう
あの方が 私の元に来た
あぁ 芒の姫
すまぬ すまぬ そなたの心を悲しみに突き落としておきながら 会いに来てしまった
あぁ 芒の姫
愛おしい 芒の姫
どうか どうか 私を拒まないでおくれ
あの方が 私に言う言葉を 呑んでしまった
あの方と言葉を紡ぎながら重ね合い時を過ごしてしまった
あの方は 妻の元に帰り
私はまた あの方を想う日々を過ごしていた
何度の逢瀬を重ねたのだろう
何度 心を切り裂いたのだろう
あの方は私を西の国に住まわすと
やがて来なくなり 聞こえてきたのは あの方に壱の皇子が産まれたと
あぁ そうか
あの方は 私をまた利用したのか
憎らしい
男など 信じてはいけない
伏せ潰されて 涙ながれ 紡ぐ言葉は
憎らしい
憎らしい
男など 騙しその身体を喰いつくし骨を重ね屋城につこうてやりたい
幾日が過ぎたのか
私の顔は 口元が頬まで広がり 眼は涙で今にも零れ落ちそうに潤んでいる
あの方の使いがやってきた
私は 男の匂いに食をそそられ 人間の男を喰い気付いた
私は 物の怪になったのだと
男を喰う事で 私は満たされる
生きたまま物の怪になるとは
念の強い女人であったのじゃな
満たされ
骸を握りしめる私を 西の鬼は見ていた
紅い髪を束ね 私を見下ろし 薄ら笑いの西の鬼
私は ただ見上げていた
闇が 世を支配して
物ノ怪が 闊歩する
亡骸は朽ちてゆき
這う虫が 肉を食い
その虫を 餓鬼達が口に放り込む
なんとも浅ましい 喰うても喰うても餓えがおさまらぬ
まるで戦をして人を殺めねば心の餓えが満たされぬ人間の様のように
平な世を望み 泣く人の世にならぬ事を願い
己が 人の命を啜らねばならぬ鬼もいれば
人を愛でながらも 人の命を喰う鬼もいる
理は なんの基にあるのや
神仏を拝む人の世を 悪戯に双六を振り惑わせる
鬼は非情にて 遊びを辞めぬ
その遊びを止めて 輪廻を知りたい
やはり 人にも鬼にもなりきれぬ
山の奥にある湖に浮かぶ屋敷を 月が照らして時は進む
物ノ怪が 闊歩する
亡骸は朽ちてゆき
這う虫が 肉を食い
その虫を 餓鬼達が口に放り込む
なんとも浅ましい 喰うても喰うても餓えがおさまらぬ
まるで戦をして人を殺めねば心の餓えが満たされぬ人間の様のように
平な世を望み 泣く人の世にならぬ事を願い
己が 人の命を啜らねばならぬ鬼もいれば
人を愛でながらも 人の命を喰う鬼もいる
理は なんの基にあるのや
神仏を拝む人の世を 悪戯に双六を振り惑わせる
鬼は非情にて 遊びを辞めぬ
その遊びを止めて 輪廻を知りたい
やはり 人にも鬼にもなりきれぬ
山の奥にある湖に浮かぶ屋敷を 月が照らして時は進む
星が 闇夜に煌めき
月は 冷たい世界に
突き刺す様な光を放つ
酒を飲み干しては
杯に満たす
人は 酒を呑みこの世の不条理に嘆き
人は 酒を呑み己に欲を抱き
人は 酒を呑み人の心を殺め 人を殺め
人は 酒を呑み己を陽気にし
人は 酒を呑み人と和を造る
なんと 楽しいそうな事よ
姫鬼はクスリと笑うと 杯を空ける
母様ー!
童子達が 駆け寄って踊り始めた
なんと 楽しいそうな
微笑んで 見ている
母様 東の鬼が 人を集めて唄ってたの!
見ていて楽しかったから 東の鬼の歌で踊ってたの!
人々に見られないように 姿は見せなかったから大丈夫!
童子達は 並んで踊り 輪になって踊り
ケタケタ笑っては 踊っていた
童子達の笑顔に魅せられて 姫鬼も笑顔になり体を揺らしながら 東の鬼の姿を浮かべていた
月は 冷たい世界に
突き刺す様な光を放つ
酒を飲み干しては
杯に満たす
人は 酒を呑みこの世の不条理に嘆き
人は 酒を呑み己に欲を抱き
人は 酒を呑み人の心を殺め 人を殺め
人は 酒を呑み己を陽気にし
人は 酒を呑み人と和を造る
なんと 楽しいそうな事よ
姫鬼はクスリと笑うと 杯を空ける
母様ー!
童子達が 駆け寄って踊り始めた
なんと 楽しいそうな
微笑んで 見ている
母様 東の鬼が 人を集めて唄ってたの!
見ていて楽しかったから 東の鬼の歌で踊ってたの!
人々に見られないように 姿は見せなかったから大丈夫!
童子達は 並んで踊り 輪になって踊り
ケタケタ笑っては 踊っていた
童子達の笑顔に魅せられて 姫鬼も笑顔になり体を揺らしながら 東の鬼の姿を浮かべていた