満月が照らし
そよぐ風を受け
待っている
一瞬 強い風がふくと
姫鬼が 目の前に立っていた
赤い髪をして 橙色の瞳
相変わらず 愛らしい…
そう呟くと 東の鬼は微笑んだ
その微笑みに応えるように 姫鬼は微笑み返す
ふわりと躯を浮かせ 東の鬼の背後に回る
また 逢いましょうぞ
耳元で囁くように 伝えた
東の鬼の瞳から 赤い泪が零れ落ちた
振り返ると 姫鬼の姿はなく
己の肩に 桜の花弁が1つ 乗っていた
花弁を握りしめ 奈魏 と叫んだ
時代は 全ての源が繁栄を増し
人々は野心に呑み込まれ
百鬼夜行が ざわざわと行列を進めてゆくのであった