りくべつ鉄道で気動車の運転体験 | みまさか ゆうかのテシテシ時間☆タイム

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かつて北海道の道東には、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線という国鉄線を転換した北海道唯一の第3セクター鉄道路線がありました。

石北本線の北見と根室本線の池田を南北に結ぶ140キロほどの路線でしたが、北海道という人口密度の低い地域では鉄道としての成立は難しく、100円稼ぐために300円かかるという状況であったため、2006年をもって廃止されました。

その陸別駅と路線の一部が観光鉄道りくべつ鉄道として保存、整備され、実際に用いられていた気動車による乗車体験、運転体験が行われています。

去年の秋ごろ、運転体験をしてみたいと思い立って調べたところ、冬季は行っていないとのこと。

陸別町は「日本一寒い町」をキャッチコピーにしているくらい寒い地なので、冬場はとても行えないのでしょう。

今年の春に今年度の体験日程が発表されるのを待って申し込み、ようやく念願かなって気動車の運転体験に行ってきました。

運転体験は15分程度のSコース、80分程度のLコースと銀河コースがあります。

Sコースは中学生でもできる体験も体験。それではもったいないので、構内を行き来するLコース、1.6キロの本線を走行する銀河コースを申し込みました。

この2コースセットで申し込むと、食事つきの宿がサービスでついてくるのでお得です。

さて、鉄道が廃止されてしまったところですから、どうやって行こうかといろいろ考えましたが、ちょうど数日前から運行を開始する関西空港-女満別空港間の直行便を利用するのが時間的にも費用的にも一番いいだろうと女満別空港に降り立ち、初めて借りるレンタカーで陸別町へ。

飛行機の到着が遅れたのと、レンタカーを1日料金で収めるために借り始める時間を調整していたら、着いたのが結構ぎりぎりだったらしく、窓口へ行くと料金を支払って「すぐに始めます」とほとんど休む間もなく始まりました。

 

運転体験に用いるCR75型気動車。

まずはLコースです。早速乗車し、元運転士さんに指導してもらいながら、電源のスイッチを入れていきました。

 

次に車両から下りて、足回り各部の説明。

燃料の量やエンジンオイルを調べたり、エアタンクの水分を抜いたりしました。

そして、運転台に座り、折り返し操作の説明。

1番、2番とシールを貼ってくれているのでわかりやすいです。



バッテリースイッチを入れてからエンジン始動。

運転台→前、逆転機→前、変速機→変

ブレーキ操作について教えてもらい、これで発車できるかと思ったら、「その前に後ろのなにか・・・」と言われ、あれ?車輪止めでもしてたかな?と思ったら、手ブレーキでした。

回転ハンドル式の手ブレーキを緩めて、いざ発車!

マスコン1ノッチ投入で、クラッチが入ります。エンジン回転は上がらず少し動く程度。

2ノッチに上げるとエンジンが吹け上がり速度が上がっていきます。

構内運転で使用するのは2ノッチまで。速度は15キロ。
 
車でもそうですが、 動かすのは簡単。難しいのはうまく止めること。

 

陸別駅構内には線路を渡る道が3本あり、それぞれの手前で停車します。

運転台の写真右側ブレーキハンドルの下にテープが貼られていますが、青が緩め、黄色が保ち、赤がブレーキ位置。

停車位置が近づくとブレーキハンドルを赤のブレーキ位置に持っていき、2、3秒経ってから黄色の保ち位置に持っていくとブレーキシリンダーに空気が送られブレーキがかかります。

ハンドルをブレーキ位置に置いている時間が長ければ長いほど、込められる空気の量が増えてブレーキが強くなるという仕組み。

ブレーキの強さは時間で調節します。

ブレーキ位置に持っていってから実際にブレーキが作動するまでにはタイムラグがあるので、即座には対応できません。

それを見越しての運転となりますが、初めて操作してみた感想は意外とできるでした。

もっと調節が難しく、なかなか止まらないのかと思っていました。

だいたいは止められることがわかりました。ここからがうまく止めることとの格闘。

ブレーキがゆるく、目標を行き過ぎそうになると、もう一度ハンドルをブレーキ位置に持っていき、追加ブレーキをするのですが、これがなかなか効かない。

車の油圧とは違い、空気は圧縮するのに時間がかかるので、2回目は効きにくいんだそうです。

続いて、運転している様子を見るのが好きで、いつも運転士さんを見ていたので、だいたいの操作はわかっていましたが、それが逆に落とし穴。

ブレーキをかけ始めるのが早く、目標より手前で止まりそうになったら、ハンドルを青い緩め位置に持っていき、ブレーキを弱めて調整するつもりが、あれあれあれ、弱まり過ぎて止まらない。

これは後で教えてもらいましたが、この車両では100kPaや200kPa程度で緩め位置に持っていくと、ブレーキ力を下げるだけのつもりでも、完全に緩んでしまうんだそうです。

300、400kPaくらいに強くかけていると、弱めてまた保ちました。

なので、200kPa程度のブレーキを弱めて保とうとすると、緩め位置に持っていってから素早くブレーキ位置、保ち位置と扱うと、一旦下がっていった圧力がまた上がり、100kPaや50kPaあたりに持っていくことができると教えてもらいました。

この短い時間の操作感覚が難しく、手前で止まったり、行き過ぎたり、時にはうまく止まったりを繰り返してこの日の体験が終わりました。

もう、今度から停車間際にブレーキが強くなっても文句言いません!と思ったのですが、後でJR北海道の車両に乗ると、200kPaあたりでも、十分ブレーキを緩めて保っていたので、この車両の特製だったようです。

よって、世の中の運転士さん、毎日仕事で運転してるんだら、上手に止めてね(笑)


体験中は写真を撮ってる暇などありませんが、カメラを渡しておくと指導してくださる元運転士さんが写真を撮ってくれます。

 

運転中の前面風景。


体験を終えて陸別駅周辺を散策。

 

陸別駅は道の駅になっています。

 

駅舎内の展示。

 

ホームおよび構内。ここを行ったり来たりします。

 

銀河線にちなむ銀河鉄道999のラッピング車両。

 

ふるさと銀河線の看板。


2日セットでサービスしてくれた宿は道の駅。

食事つきの宿なんてひさしぶりです。

タコやイカをたくさん使った料理と豚のしょうが焼きでした。

部屋はビジネスホテルのような感じ。

ドライヤーがないのはいただけない。


翌日は本線を走行する銀河コース。

まずは馴らしに構内を2往復してから車両を乗り換えて本線へ。

途中に設けられた制限速度を守りながら、途中駅に停車して、時間も合わせる運転を1往復。

あとは自由な感じで時間が来るまで行ったり来たりしました。

構内とは違い、なかなか速度も出せて、運転士さん気分でした。

終点となっている下勲祢別より先もまだ線路は続いていますが、道路があるためそれより先へは行けません。

踏切は認められていないようですね。

でも、まだ伸ばす計画があるらしく、伸びた頃にまた行ってみたいと思いました。


鉄道好きなら憧れる人が多いであろう運転士という仕事。

そんな気分に浸れる素晴らし体験ができます。

Lコース20,000円、銀河コース30,000円とお値段はそれなりにしますが、憧れを現実にする体験に行かれてみてはいかがでしょうか。

りくべつ鉄道ホームページはこちら
http://business4.plala.or.jp/rikutetu/top.htm