読みたいなあと思った本はとりあえず、図書館で探して読む。


人気の本は、何人も予約が入っているが、かまわずとりあえず予約しておく。そうすると、忘れていた頃に図書館から、「順番が回ってきたよー」とメールがくる。


もういつ予約していたかも忘れてしまったこの本を、昨日借りることが出来た。


食堂かたつむり/小川 糸
¥1,365
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大体、自分のツボにはまる本かどうかは、もう冒頭の数行を読むと、判断できることが多い。


この本は、数ページ読んで、あーこれはちょっと、来そうだわ。って思って、じっくり読める時間を待って、改めて読んだ。


内容もそうだけど、文章のリズムというか、気持ちの表現とかがすっと入ってくる感じ。


結論として、一気読みしてしまった。その上、後半のクライマックスで、静かに涙が出てきて、最後の場面では、嗚咽がとまらず・・・・・。


自分、涙もろすぎじゃん? 年ってことか・・・などと思いつつ、気持ちの良い涙を流せて満足でした。



以下、ネタバレも含む感想なので、これから読みたい人とかはスルーしてください。










物語の表層は、インド人の恋人に逃げられた女性主人公が、田舎の母親の元に戻り、食堂を開く。誰かのために魂を込めて食事を作りながら、本来の自分に目覚めていく過程。主人公の一人称(語り)でつづられていく。


物語の根底には、母と娘の間に長く降り積もったわだかまり、そして本当の絆が描かれている。


それから、落とせないのは、主人公が、開いた「食堂かたつむり」で、原則1日1人のお客様に、魂を込めて提供する料理と、それを食べたお客に訪れるミラクルの数々。


「私にとって料理は、祈りだ。」という表現が出てくる。食材の声なき声に耳を傾け、どう調理して欲しいかを感じ取る。同時に、食べるお客が欲している「何か」を、やりとりを通じて感じ取り、それをメニューに取り入れる。


こうして主人公が精魂込めてできあがった料理には確かな力が宿り、これを食べたお客は、その時に必要なエネルギーを受け取り、それぞれの人生の課題をクリアーしていく。


料理をとおして、ヒーリングをしているかのような展開。で、また、この料理の描写が・・・文句なくおいしそう。

食べたーい。と素直に思いました。


私も一応主婦だから、毎日料理してるけど、食べる家族のことを考えてメニューを決めたり調理方法を決めたりよりも、冷蔵庫の中身の都合とか、自分の時間の効率とか、そういうことばかりを考えて作っているなあと、ちょっと反省。


もちろん、プロではないから、そんなに完璧には出来ないけど。これからはちょっとだけでも、家族の顔色や体調をみて、その日の調理を考えるなんてことも、意識してみようかなと思いました。


最後、号泣してしまったクライマックスは、母親の人生最高の記念日のもてなしを主人公が心を込めて行う場面とその後日談。その食材は、大事に大事に育ててきた「エルメス」。この食材(となってしまったエルメス)を、ひとかけらたりとも無駄にせず、世界中の料理として再生させていく過程は圧巻です。

母親の死後、抜け殻のようになった主人公に届く、母親からのメッセージ。不器用な母親の、不器用な娘への愛情・・・・。素直に泣けました。(この母親、今時の言葉で言えば、ツンデレ過ぎ。)




読んでいて、天からの恵みである食材への感謝とか、食べるという行為は生物の命をいただきエネルギーをもらうことというメッセージや、大事な人の死後に届けられるメッセージを通じて、主人公が救われる展開などが、「かもめ食堂」や「西の魔女が死んだ」に、似ている印象がありました。両方ともとっても好きな作品です。両方とも映画化されていて、両方とも見ました。

それで、両方とも、すみません泣きました・・・・(汗)。


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この食堂かたつむりも映画になるかしら?なるとしたら、主演はだれがいいかな?

蒼井優さんとか、宮崎あおいさんとかかな? あまり派手でなく楚々としたそれでいて意志の固そうなそして透明感のある女優さんがいいと思うな。


追記:と書いてUPしたあと、今日の新聞を見たら、広告欄に「食堂かたつむり」映画化決定 主演:柴崎コウって載っているのを発見。

なんとタイミングのいいこと!!。柴崎さんは私的には、ちょっとイメージと違うけど、すてきに演じてくださるのではないかなと思います。どんな風に映像化されるのか楽しみです。