今回のおススメ書籍は、娘が自分から買って欲しいとリクエストした『成瀬は信じた道をゆく』です。

 

 

 

2024年本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の続編です。

 

私は『天下〜』の方を、会社の滋賀県出身者から「めちゃ面白くて滋賀県民の気持ちを分かってくれてる本っす!」として推薦されました。

ちなみに彼は京都の大学出身です。

 

滋賀県って、みんな一度は行ったことはあって、歴史上も要衝なんですが、滋賀県「だけ」を舞台にした小説となると、浅学にしてあまりない思い浮かばない。だいたい京都や岐阜とセットじゃない?という印象です。

 

しかし成瀬シリーズは、これでもかという滋賀愛に溢れ、世界の中心が滋賀なのです。

 

【あらすじ】

高校3年生になった成瀬あかり。

幼馴染でお笑いコンビ“ゼゼカラ”の相方である島崎は、家族と東京に引っ越してしまったが、成瀬を崇拝する小学生北川みらいと地元のパトロールをしたり、相変わらずの唯我独尊ぶり。

京都大学を受験する成瀬。

父親は検索履歴から成瀬が一人暮らしをしたいと推測し、ヤキモキする。受験当日には、キャンバスにテントを張っていたYouTuber受験生城山を成瀬は家に連れ帰る。

無事、京都大学に合格した成瀬は、地元スーパーでバイトをする傍ら、“びわ湖大津観光大使”に任命される。

得意のけん玉を披露したり、Instagramを始めたりして、日々地元の魅力を発信する。

12月31日、島崎が東京からサプライズで成瀬の家を訪ねると、「探さないでください」の書き置きとスマホを家に置いて、成瀬は姿を消していた。

持って行ったのは、“びわ湖大津観光大使”の衣装とけん玉だけ。

成瀬の両親や友人たちは、成瀬の居場所を突き止めることが出来るのか?

 

【関連】

最後の「探さないでください」の章はミステリで言えば、読者への挑戦状。

『天下〜』からずっと、成瀬はこんな子だよ、滋賀から天下狙ってるよ、と説明してきて。

大晦日にけん玉持って、行き先を誰にも分からないようにして一体どこに行く?

 

賢明な読者の10人に1人くらいは、正解に辿り着いたのではないかと思います。

(ちなみに私は分かったよ指差し

作者の宮島未奈さんも京都大学卒だそうで、こういうタイプに理解があるのでしょう。

無表情だけど好奇心溢れる天才。娘は「フリーレンに似てる」と言っていました。

 

京都の大学生を主人公にした、私の好きな本として、森見登美彦さんの『夜は短し、歩けよ乙女』を挙げておきます。

憧れるよね、京都の大学生活。