バレエの仲間のLINEに「Nさん葬儀のお知らせ」が届いた時、私はその方が誰なのか全く分かりませんでした。
何年も一緒にバレエをやっていても、あまり皆さんの名前も知らないままで…
ただ、LINEにいつもレッスン動画をアップしてくださるお名前だから、きっと私の知っている方だと…
葬儀の案内LINEには
「とてもパワフルな方だったので闘病に気が付かれなかった方もいらっしゃるかもしれません」
とありました。
ネットで検索したら、その方の記事とお写真があって、がんサバイバーの活動をされていたことがわかり、私が知り合った時には、すでにステージ4の状態だったことを知りました。
そんなこと全然気がつかなかったのです。
それだけ、いつも元気で、笑顔が優しくて、バレエを一生懸命頑張っていて…
レッスンには「娘。りさ」と一緒に参加していたので、バレエでは私のことを「ママ」と呼ぶ方が多いのですが、Nさんは私がレッスンに行くと、いつも1番最初に
「ママ〜〜!久しぶり〜!!」
と声をかけてくれていました。
娘にも「りさちゃん!りさちゃん!!」と可愛がってくださって、親子ともにお世話になり…
今日は、信じられない気持ちで、ご葬儀に向かいました。
会場はご自宅。
玄関を入ると、こじんまりとした小さなお部屋に棺が置かれ、私の母と同じくらいに見えるご両親が横に座っていらっしゃいました。
お坊さんもお見えになっていなくて、形式にこだわらない温かなご葬儀。
バレエの先生や仲間が、1人ずつお焼香をして、棺の中の綺麗な彼女と話をして、メッセージカードを入れました。
亡くなってから ちょうど1週間、Nさんはご自宅にいらしたそうですが、ご両親はきっと時間をかけてお別れをされたのかな…
今日は、列席した私たちに
「ありがとうございます」
と笑顔で対応してくださって
「綺麗でしょ??」
と誇らしくおっしゃっていました。
「ビデオも見てやってください」
とのことでしたが、本当に小さなお葬式で棺の横に長居も出来なかったので、後で見られる 動画のQRコードを頂いて来て、ついさっき見させていただきました。
10分34秒の動画…
冒頭には 私の知る温かな笑顔のNさん。
でも、2枚目からは、ほとんどが赤ちゃんの頃から、幼い子供の頃のお写真。
大人になってからのものは、ほんの数枚でした。
胸が苦しくなりました。
きっと、Nさんが亡くなってから、穏やかに眠っているお隣で、お父様とお母様が思い出に浸りながら、昔の写真を集めたんだと思います。
闘病中の数年間、本当に辛くて苦しい時もあったと思います。
そんな娘さんを見守りながら、1日でも長く生きて欲しい気持ちだったでしょう。
でも、その姿を見ていることもお辛かったと思います。
娘さんが旅立たれてから、今日の優しい笑顔までにどれだけの涙を流されたのか…
動画の最後は、昨年バレエのコンクールに出場された時のお写真でした。
本当に本当に本当に綺麗で、まさか重い病気に罹っている方だなんて、誰も思わなかったはずです。
棺の横に置かれていたトゥシューズ…
きっと天国でも踊るのかな?
メッセージカードには「レッスンの時には来てね!」と書きました。
もうどこも痛くないですね?
安らかに眠ってください…なんて言いません!
まだまだ一緒に踊りましょう!