KYOTO CMEX2011コンテンツビジネスセミナー | Late Riser

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ダメ主婦ミルミルのプログラムと道の駅ドライブとリラックマの日々。
プログラム系は情報提供ではなく個人的メモなので、信憑性薄め。

■先日行ったセミナー



KYOTO CMEX2011コンテンツビジネスセミナー
慶応義塾大学政策メディア研究科 特別招聘教授 夏野剛氏
「スマートフォン時代のケータイ産業とITの未来」


(注) ※は、補足とか口頭での説明のメモ


■スマホで何が変わったか


●業界進化は通信業界主導からネット主導へ
サービスの進化はアップルとGoogleが主導
[世界]主導権を失った端末メーカー
[日本]主導権を放棄したキャリア

●ユーザー利益の最大化
コントロールされた進化のスピードからユーザーが求めるものを徹底的に追求する進化スピードへ
ネットワーク効率は軽視される方向へ

※今まではキャリア(通信インフラ屋)が通信制限などで進化を制御していたが、
 今後はネット業界主導なのでそのあたりの考慮をせずにガンガンサービスを広げていっている
 (今のアプリはwifi前提。3Gだと厳しい)

●水平分業と垂直統合ビジネスモデル
[世界]垂直統合へ
[日本]水平統合へ
※後の方のビジネスモデルの説明に関連



■スマートフォンとは何か

※本来、●の定義したスマホは●●だった(つまり日本のガラケーはすべてスマホじゃねーか、という逸話というか余談)

●[一般論]タッチパネルと汎用OS
タッチパネルの進化は著しく、当初懸念された使い難さは払拭された
汎用OSはウソ(iOSは違う)
アプリの原点はjava携帯

●PCの延長線上
ネット接続が主機能。音声は副機能
※スマホ以前は、あくまでも電話(=音声)が主機能だった
セキュリティや責任範囲はPCの延長線上の考え方
(電話の延長線上から生まれた高機能ケータイとは考え方が違う)
※ガラケーは、キャリア側でセキュリティや責任範囲で個人に最大限影響がでないように配慮されていた
※まぁ、このおかげで色々進化はおくれたんですけどね
※なので、GPSやらアプリのアップデートについては十分に気をつける必要がある。
※特にAndroidはアプリ審査しないので。
※たとえばアップデート時にリリース当初と目的が違う悪意のあるものが入っていてもおかしくない。
※このあたり、ここ2~3年でゼッタイ問題一杯出てくるよね。

高速通信が前提
※ぶっちゃけ作ってるのは通信屋じゃないので、負荷なんか知ったこっちゃ無い。
※ちなみにここの内容は書けなかったwww間に合わんかったです。

[世界]インターネット接続可能な携帯
そもそも海外ではemailすら満足に使えなかった。webに至っては論外
2000年代前半に日本でガラケーにおいて起こったことが再現されている
※お財布とかウォレットとか、ゲームとか音楽とか諸々。
※だから日本的発想という面においてはまだまだ戦えるはずなのよ。よっぽどバカじゃなきゃ。

[日本]キャリア主導ではない、海外と共通のタッチパネル携帯
iphoneがすべてのベンチマーク
機能的には不足部分も。ワンセグとか。
(※ちなみにワンセグ標準は総務省のオリジナル通信方式)
PC技術がケータイで作れる時代になったので、通信技術もコモディティ化(2000年代後半~)
※ほら、例えばAppleはiphone工場持って無いじゃない。キャリアは土管屋だし。



■業界の変化について

●業界的ポジティブ変化
回線容量を無視れる
※ソフト屋の知ったこっちゃ無い
ビジネスモデルはPCネットの延長
※ソフト・コンテンツ屋のやりたい放題できる
自己責任の幅が広い
※だからサービスもどんどん広げられる。

→国ごとキャリアごとの差分の縮小(国ごとの多少の差は残る)
→主プレイヤーはグローバル企業へ

●業界的ネガティブ変化
回線容量パンクの恐れ
※インフラがヤバイ
※定額制がピンチ

ビジネスモデルの未整備
広告はPCよりシビア
課金プラットフォームが未整備
ドミナントポータルが未整備

※ちなみに去年のスマホ的世界の利益とか収益とか何のだったか忘れたけどの収益総額は1790億円
※内訳は↓だけど、今年のが出たらだいぶ傾向が見通せるようになるんではないか
※ 82%:iphone
※ 05%:Android
※ 残り:BrackBerryとか



■ビジネスモデルの正しい理解が必要

下の方の図1を参照。

このテーブルは↓の様に読む
※キャリアはネットワーク屋だから当然ネットワークメインだし、それを普及するためにポータルだのデバイスだのをやってるだけ
※Googleはコンテンツサービス屋だから広告収入を得るためにOSを出した(例:アンドロイドはまずGmailアドレスいれるじゃない、と。)
※Appleはデバイスを標準化するために他のものにも手を出してる
※で、ベンダーはそりゃタダのOSに乗るよね(googleと手をくむ)



■スマホ時代のITの未来
●モバイルとPCの実質的統合
コンテンツもアプリもプレーヤーも完全融合
ネットプレイヤーにとっては大チャンス
モバイルプレイヤーにとっては大ピンチ

●市場はアプリからプレイヤーへ
克服できない端末のスペック差
厳しいアプリのビジネスモデル
HTML5対応の普及によるブラウザ機能の充実
※デバイスごとにどうしてもスペックの差が生まれるし、ならブラウザ一つで戦えるネットは強い。

●キャリアは土管化・国ごとのカスタマイゼーションは残る
・汎用OSはカスタマイズも容易
・必ずしも一機種全世界・一アプリ全世界にはならない
※国ごとのカスタマイズがないと、国によっては使いにくいだけ。



■未来に突き進むグローバルIT

●未来へさらに一歩
ネットでの進化はとまらない
スマホによってモバイル市場はネットに完全統合
※プレイヤーの増加により進化は加速する
閉鎖的・規制的だった通信業界がOpenに。
※上のほうでも述べられているように、「キャリア主導では無い為」という趣旨

●加速するグローバルプレイヤー主導
シリコンバレーがますます世界の中心に
あらゆる無駄が淘汰されていく
※どうにもこうにもエンジニア屋視点の発展になるだろう
※となると、企画屋視点の日本は少々ヤバイ
※美味いものは無いがあっちはスゲー

●日本もまだまだ
モバイル文化はPC・ネットに逆輸入されていく
日本発のサービスは未だ大きな関心をあつめている
※技術・コンテンツ・サービスも日本のモバイルには色々あるからね~
※海外スマホコンテンツとして拾えるものはまだまだある



■予言
●2015までにスマホという言葉は無くなる
ガラケーとスマホの機能的融合
※いまでもガラスマでどんどん進んでいる
PCとPADの境目も無くなる
回線の認識も無くなる

●2020までに日本のメーカー全滅
今と同じ形態では無理(買収・合併の荒波)
アンブレラ経営では無理ということに気付くか??
※俺スゲー。ジジイ氏ね。先見のある俺スゲー。

●2020までにモバイルキャリアの利益率は固定(電話)並みに低下
土管化へ
※キャリア屋というよりはインフラ屋になる
マーケットシェア差もすくなくなる
差別化要素がなくなる
※DocomoだろーがSBだろーが、回線良くなれば大差なくなる
※プラチナバンド帯域をSBがとれたら、とんだ下克上だよね。



■質疑応答

【質問】eコマースについてはどう思うか?
【回答】PCよりタブの方が有利。一般人にはタブのほうが敷居が低い
PC弱者の嫁でもタブなら買い捲り。
ちなみに私は楽天でワインを買いますが、この人はオークションでワインを買います。

【質問】iphoneのほうが好きみたいですが、アンドロイドが勝つには?
【回答】AndroidはUIがクソ
3歳の娘なんかAppleは使えるのにAndroidは使えないんだぜ!

【質問】PPTPについて
【回答】推進派じゃなくて、入るのか入らんのかはっきりしろ派です。
(※言ってる事は推進派の脅しと一緒じゃね?と思うんですけどね、私)

図1

  Service
&
Contents
Portal
&
BillChangePlatform
network
(インフラ)
OS Clients
&
Device
 
JapaneseOperator   Traffic Revenue Maximization
google   Ad Revenue Maximization
Apple   Customer Revenue Maximization
HandsetVender     Only Producing Handset?

●:メインの食い扶持
◆:メインで食うために(メイン盛り上げ目的で)作ってるもの
▲:そんなこんなで補助的にちょっとやってる