流血ブリザード ミリー・バイソンの気合いだ!バッチコーイ! -26ページ目

キングコブラ青春こじらせ物語 ④狂喜!! 鬼畜人間集会スタート!

2009年にさしかかる頃、流血ブリザードは手当たり次第、知り合いのドラマー達にヘルプを頼みまくっていた。

みんな自分のバンドがあったのに都合をつけてくれて、ギグでは包帯や眼帯を巻いたり、カラスマスクを着けたり、服を破いたりして、思い思いに流血ブリザードの世界観に合わせてくれた。

その世界観をひとことで言うなら、スカムかな…

キングコブラの女子便所から汚物入れを持ち出して、生理ナプキンをフロアに投げつけ(それ以降、定番のパフォーマンスになって今も続いている)

バケツ一杯の納豆を緑に着色してぶちまけ、

ステージの上で花火が飛び交ったかと思えば、

牛乳がぶちまけられた床の上を、卵まみれのユダが寝転び、

全裸のアトランティスが大の字になって跳び跳ねながら歌ってる…そんな光景が日常茶飯事だった。

キンコブの床をチャリで爆走するユダ↓
ギグの後は毎回、ギターに何かの液体がついてて、シールドはベタベタになってた。(今もありがちだが。)
ホットケーキミックスを撒かれた日にゃ、エフェクターボードも粉まみれになって、数日後開けたらまるで日本庭園を思わせるようなキレイな緑色のコケ…いや、カビがボード一面に生えてた。笑

そんなパフォーマンスを許してくれるライブハウスはなかなかない。みんな勢い余ってギターアンプのヘッドを倒したりもして、賠償金を請求されることも時々あった。他のバンドが機材を壊した時でさえも、うちが賠償を迫られるくらい、悪いイメージが付きだしていた。

そんな流血ブリザードに、寛大に接してくれたのがキングコブラだった。当時店長だったカズマサ君が、平日の夜にキンコブで自主企画をやらないかと持ちかけてきた。曜日を指定される代わり、どんなパフォーマンスをやってもいいと言ってくれて、しかもレンタル料は破格の安さだった。

さらにカズマサ君は、流血が自主企画する時は自分がドラムを叩いてもいいと言ってくれた。彼は、RISE FROM THE DEADやA(エース)でベースを弾いていた正真正銘のバンドマンだった。

こうして、毎月第三火曜にキンコブでの自主企画「狂喜!!鬼畜人間集会」が決まり、カズマサ君が「マスターZ」という名前で仲間に加わった。
当時のキンコブの楽屋にて
流血ブリザード
左から、ヴォルド→ミリー・バイソン→フォックスJr.→マスターZ→ユダ→アトランティス

ん?フォックスJr.って誰だ?って思うよな。

お答えしよう。フォックスJr.とは、あの有名なフォックスの息子…というのは前フリで、一時期エアベーシストとして流血に参加してた、アタイの友達の弟アキヒトだ。

「俺やったらもっとエグいことできますよ!!」
そう言ってうちのバンドで腕だめししようとする奴がちらほらいた。パフォーマンス重視のバンドにはどうしてもそんな奴が寄ってくるもんだ。
アキヒトもその一人で、他のバンドでベースを弾いてたにも関わらず「一回ベースをアンプにつながず暴れてみたかったんや!」と言って流血に入ってきたのだ。

そう。うちにはヴォルドというベーシストがいたのに…、いや、いたから入ってきたのか。
ベースの演奏はヴォルドにやらせて、自分は肩からベースをぶら下げるだけで弾かずに暴れようという算段だ。

それもアリ。ユダはアキヒトに「フォックスJr.」という名前と、メンバー紹介でのセリフを与えた。そして迎えた『狂喜!!鬼畜人間集会』当日。

ユダ「敵か味方か…謎のドラマー、マスターZ!」
マスターZ 「ズダダダダッ!!!」(ドラムを叩く)

ユダ「そして、あの有名なフォックスの息子、フォックスJr.!」
フォックスJr. 「ペナス!ペナス!ビィィーーッグペナス!!!」

と叫んで(ユダとアトランティスに言わされて)、何を思ったか彼はパンツを脱ぎだし(これは誰にも言われてない)、全裸になってエアベースを弾きだした。

間の悪いことに、その日フォックスJr.の彼女がギグを観に来ていた。彼女は、普通の感性の持ち主だった。

暴れ終えたフォックスJr.は、彼女の顔色を伺って打ち上げには出ず、そそくさと帰っていった。それが、フォックスJr.のラストステージとなった。

なんで、流血ブリザードに入ると脱ぎたくなっちまうんだろうな。誰も強制してねぇのに…。

メンバーの入れ替わりは激しかったが、アタイはなんだかんだこのバンドを楽しんでいた。
だけど、アタイの友達や知り合いのバンドマン達は、アタイが流血ブリザードに入ったことを心配してた。(そりゃそうだ。)
明らかにバカにしてくる奴もいた。(仕方ない。)
「あんなバンド辞めた方がいい」と言われたり、友達の悲しそうな顔を見たりすると、さすがのアタイも複雑な気持ちになってきた。

そんな時、メインでやってたガールズバンドMINKSがレーベルに所属する話が持ち上がった。きっと、これから忙しくなる。そう思って、当時勤めてた会社に辞表を出した。流血ブリザードにも、これからあんまり参加できないだろう。バンドのかけもちをやめよう。そう思い始めていた。

-つづく-