流血ブリザード ミリー・バイソンの気合いだ!バッチコーイ!
2020年6月24日(水)

流血ブリザード新作ミニアルバム

"NIGHTMARE COME TRUE"リリース決定!!

DISC UNION(予約特典あり),TOWER RECORDS,HMV,AMAZONなどで予約受付中ダッ\(^o^)/

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キングコブラ青春こじらせ物語 ⑧無名より悪名!!それが悪いか!?

"鬼畜ロック"を掲げる過激派パンクバンド、流血ブリザードの活動を始めた2008年頃、アタイは大阪ミナミの島之内という場所でシェアハウスを借りていた。



シェアハウスと言っても、今よくある新しい物件とは違って、街中にポツンと残っている昔ながらの学生寮みたいな古い家だった。最初はミュージシャンの友達数人と入居して、とても楽しかったのだが、一人、また一人と退去して(またはさせられて)、気がつけば自分一人だけになっていた...。笑

その理由は主に、薄い壁の木造家屋で大きい音が出せないことと

ほぼ全ての部屋に窓がないことだった。



この家に住んでアタイは光が差し込まないことのデメリットを知った。とにかく、起きられない。アタイの部屋にはかろうじて小窓があったけど、朝でも昼でも常に薄暗かった。

その薄暗い部屋で、流血ブリザードのメンバー達とよくミーティングをした。ミーティングといっても、ほぼ毎回好きなバンドやグループのライブDVDを観て終わっていたが...。今思えば、バンドをやるにあたってそれはとても大切な時間だった。


ザ・スターリン, NIRVANA, Kottonmouth Kings, Jackass...色々観たけど、特にアタイらが繰り返し観たのは、過激なライブパフォーマンスで知られる変態ロッカーGG Allinのドキュメンタリー「全身ハードコア」(HATED)だった。(それにしても、この邦題はマジで秀逸だ!)


当時、GG AllinとTHE CRAMPSのドキュメンタリー映画が東京で上映されてちょっとした話題になっていた。ボーカルのユダがさっそく「全身ハードコア」のDVDを手に入れて持ってきて以来、その映画はアタイらのお気に入りになった。



GG Allinは、パッと見は冴えないおじさんで哀愁すら漂う風貌だが、キ○ガイを徹底していて、しかも突っ込みどころが満載で、観ていて非常に面白かった。

もう一人のボーカル、アトランティスもGGのパフォーマンスに感銘を受け、GGの代表曲 "Bite It You Scum" をカバーすることに決めたが、歌詞の和訳まではチェックしていなかったらしく「なんだこのくだらない歌詞は? "オレにケツにキスしてほしいだろ" "エ○ズになったら死んじまえ" とか。もっとカッコいいこと歌っててほしかったのに残念だ...」とかボヤいていた。



アトランティスは西成に住んでいて、彼の家でもよくミーティングをした。元々お笑い芸人を目指して愛知県から大阪に引っ越してきたアトランティスは、目的意識がはっきりしていて「無名より悪名」とよく紙に書いていた。

「何をやるにしても、知られてなきゃやる意味ねぇからな。まずは悪名を轟かせて売名しよう!」

そう語りながら、彼はペットのヘビに冷凍のラットをあげていたものだ。


あの頃アタイらは若かった。アトランティスの家の近くの串カツ屋で、ビールを飲みながら有名になろうと語り合った時もある。

「俺はこんなキャラやりたくないとか、こんなの本当の自分じゃないとか言うヤツ見るとイライラするんだよな。本当の自分なんか、自分にだってわからんのだからまずはやってみろって思う。」

そんなアトランティスの考えには、共感する点が多かった。何といってもアトランティスの凄いところは、まったくパンクやロックに興味がないにも関わらず、ユダにバンドのボーカルをやれと言われて速攻でパンクのCDを聴き漁り、666でライダースや鋲ベルトを買って身につけ、CONFLICTのTシャツを着こなし、ステージでは自ら"淫獣"とペイントした革ジャンを着て、マリリン・マンソンのようなメイクを施し狂乱のロッカーを演じきっていたことだ。


この時なぜかベースを肩からぶら下げているが、

弾けないどころか音すら出していない。

(あの下手くそなシド・ヴィシャスでも音は出してたしな)


そして二代目ベーシスト、ドクラテスと皆勤サポートドラマー、ポイズン・パワーを迎えて音楽的に一歩前進した流血ブリザードは、ライブハウスで売るCD-R音源を作るために神戸のスタジオ246 WESTでレコーディングを行った。収録曲は"MATSUDA" "勝てば官軍" "公衆便所" "猿の反乱"の4曲だったはず。


めでたくレコーディングが終わり、ドクラテスがデザインしたジャケットを印刷して、手分けしてケースに入れようという話になった。DIY。

すると、ユダが「ミリー、実家にプリンターある?」と聞いてきた。「あるけど?」と答えたら

「いや、業者に頼んだらけっこう高いから、バンドの経費削減のために実家のプリンターで印刷してくれへんか?」とのたまった。

「えっ、ウチ、ただでさえ親にバンド反対されてるのにこんなジャケ刷ってるの見つかったらドヤされるわ...」

「昼はおらんやろ?そこをなんとか」

「...まぁ、昼間は両親とも仕事に行ってるから、大丈夫か。」


そしてある日の昼下がり、島之内から電車に30分ほど乗って、上新庄にある実家に帰った。やっぱり誰もおらん。安心して、父親の机の上にあるプリンターに手をかけた。ジャケットが順調に刷り上がっていく。




ガチャ!!!!


「!?」


「おぉ、帰ってたんか!何してんねん。」


「あ、仕事に、使う資料をつくっ...」


「そんなん家のプリンター使わんでええやろ。見せてみぃ」


「社外秘やから見せられへん...」


「アホなことぬかすな。怒らんから、見せてみ」





...腹を括って、当時の内閣総理大臣 鳩○由紀夫氏とその弟の政治家 鳩○邦夫氏が真っ裸でくんずほぐれずの性行為をしているジャケットを見せたら




「これがお前のロックか!!!?」

鉄拳が飛んできた。

「お前はものすごいスピードで間違った方向にいっとるぞ!!!!」

拳の制裁は止まらない。が、あともうちょっとで終わるから刷り上げないと...

「何がお前をそうまでさせるんや!!!」

...わたしにもわからん。...てかユダめ...。


政権を痛烈に批判するユダ。パァァァァンク!!!!


必死の思いで作り上げた4曲入りCD-Rは完売し、次の音源はインディーズレーベルから全国流通させようと意気込んでいたら、アトランティスが真剣な表情でこう切り出した。


「...俺、やっぱ音楽好きじゃねぇわ!」


!!!?


「俺、流血辞めるわ。ユダが面白いヤツだから一緒に二年間バンドやってきたけど、やっぱちゃんと芸人目指したい。もし売れなかったとしてもやりきったら納得できる。それに俺、人前で歌いたくないし」


アトランティスがお笑いをやりたいという気持ちはわかっていた。でも、流血ブリザード結成からユダのよき相方で、ツインボーカルの片割れでもあるアトランティスが辞めるなんて、バンドのコンセプトがぐらつく気がした。


「アトランティスが辞めるんやったらわたしも流血辞める」

「やれよ、俺がいなくてもバンドとして良くなるかもしれないし、ミリーはやった方がいい」


そして、KING COBRAでの流血ブリザード企画【狂喜!!鬼畜人間集会】でアトランティスのラストライブを迎えることになった。

でも、アトランティスは人前で歌いたくないと言い、もしどうしても歌わないといけないのなら

ダンボール箱の中に入って歌うと言った。


そして本番。普段アトランティスが担っていた過激なパフォーマンスをユダがやり、ステージ上からアトランティスの声は聴こえるのに姿が見えない状況に、観客はざわついた。


「アトさま〜!」

一人の女の子がステージに駆け上がり、ドラムセットの横に置いてあるダンボール箱を無理やり開けた。

それに続いて、他の観客もステージに上がってダンボールを引きちぎった。

「やめろって!!」


中に入っていたのは、亀甲縛りにした体を小さく丸めている全裸のアトランティスだった...。


中心メンバーアトランティスを失い、正式なドラマーが決まらないままの流血ブリザードは、活動が停滞するかに見えた。が、この時ひとりの勇気ある若者が流血ブリザードの門を叩こうとしていた...。


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