H「キミが私の作品を二つに分けてもちーふとやらにした理由を
聞こうじゃあないか」
私「木版画のサイズだと、結局パネルフレームに収納して
立てかけたり、壁に飾ったりと展示場所が限定される為です」
H「飾る目的で2つに分けたのか?ただ飾るだけならぱねる
さいずで十分じゃないか?」
私「いえ、それだと大きくてですね、飾る場所が限定されて
しまうのと、フォトフレームのように自立しないんですよ」
H「・・・自立させる為に2つに分けたと?」
私「当初はその目的でしたが、二つに分ける事でそれぞれが
独立したストーリーを発生させている事に気付いたんです」
H「ただ二つに分けただけじゃあ、”ああ、二つに分けて
飾ってるんだな”程度の感想しか浮かばんぞ?」
私「ですから、二つに分けた上でそれぞれが関連性を示唆する
形に収まるよう、フレームのサイドを繋がりのある柄で統一感
を持たせて加工する事を思いつきました」
私「中央の柄は、大正時代に摺られた木版画で、甲冑の柄
を風景の彩色に合わせて貼り合わせています。逆サイドの
花は昭和の習画帖の木版画で、上部は型染ちりめん和紙
下部は現行の手染め和紙で飾り付けています」
H「確かに面白い。ふれーむの柄がもちーふの印象を
推し拡げ延伸しているようで統一感がある」
私「しかも二つに分けた事で、左側には多くの人々の喧騒と
宿場の華やかな情景が」
私「右側のフレームは、夕景の中郷愁を誘う二人の後姿が
とてもリリカルなシナリオを紡いでおります」
H「しなり・・・はさておき、確かに二つに分けた事で
それぞれが独立した風景をまた生み出している事は
理解できた」
私「サイドのフレームの柄が一体になる事で、逆にしても
何となく一つの風景として成立するような錯覚を覚えて
しまう、そんな面白さがあります。組み合わさった中央の
柄に見る人の意識が引っ張られる効果を利用しています」
H「なるほど、一つの作品に対し多くの見方を提供する
目的もある訳だな」
私「飾り方やディスプレイのニュアンスを好みに合わせて
変化させる事で作品自体が、持っている方の感性に合わせて
フィットし成長し続ける。外に持ち出したり滞在先のホテル
や旅館に飾ってもよいですし」
H「私の作品に飽きたらもちーふを外して、好きな写真や
子供たちが描いた絵を飾っても楽しめる。いや、飽きては
もらいたくはないがな」
私「そりゃ先生、今でいう”味変”みたいなもので、世代を
超えて愛され続けるフレームとなれれば、また先生の作品が
返り咲く時も来ますから」
H「そうやって時代は、遺志は繋がってゆくのだな。未だ
見ぬ未来の人達に愛されるよう、作品を遺してくれたまえよ」
お粗末様でした






