代替わり・相続・その他の要因によって、持ち主の手を離れて

 

しまった多くの古民芸和紙のうち、人々が知らない間に日本から

 

離れてしまう価値も存在します。地区のリサイクルセンターや

 

フリマ・オークションサイトに出品されたりするこれらは

 

代行業者さんの手によって、海外のコレクターの方が買い漁って

 

いるのが実情です。円安の影響がこういった場面にも波及している

 

事実を思い知ります。そのうちの一つが、参拝の記念として残された

 

御朱印です。持ち主の手を離れ、不要となったもののうち、廃棄を

 

免れたものが海外に渡り、海外の書庫や倉庫でまた眠りに就く

 

延々とその存在を知られる事もなく

 

日本人として暗澹たる思いがします

 

元々、絆フレームを製作しようと思った動機が「保管という

 

名目で、誰の目にも触れられずその機会を奪われ、経年劣化で

 

廃棄されるままになってしまった」古民芸和紙・工芸部材を蘇らせ

 

最期に人に愛でてもらえる作品へと昇華させるものであったので

 

モチーフとしての力強さと美しさを活かし切るカタチに調えました

 

モチーフ左は大正時代の木版墨摺り、フレーム中央に挿し花の

 

木版と友禅千代紙

 

フレーム上部にちりめん

 

下部に加賀友禅千代紙を使用して全体的なトーンを調節

 

しております

 

右に使用しているモチーフは大正時代の彩色木版画

 

そのモチーフの彩色に合わせてトーンを抑えながらも多くの

 

色数で賑やかさを表現しております

 

フレーム中央の立ち上がる炎のようなパターンが目を惹きます

 

単体

 

御朱印と画のモチーフ自体に何の関連性もなく、ただ雰囲気

 

を味わう美術鑑賞品であり、特別に意味を持たせないよう

 

工夫しております

 

モチーフ右に使用しているのは江戸時代の彩色木版画の半紙

 

中央に大正時代の短冊木版

逆にした時に景色が繋がるよう、東海道五十三次を使用

 

モチーフの淡い色遣いに合わせて下部の千代紙にニュアンスを

 

与えると同時に、柄がディテールの絵柄を拡げるパターンを

 

採用しています

 

御朱印の持つ筆遣いも部材の相性を考えるポイントとなります

 

より華やかさでまとめた作品。中央に木版千社札を使用

 

逆にすると中央の金彩絵巻和紙が映えます

 

アイコニックな花柄と文字列が単体にした時も存在感を

 

持っていて面白いです

 

使命感という大げさなものではありませんが、遺す事で

 

後世の人達が、何かを受け取ってくれるのなら、僥倖です