【今回見た映画】

WANDA/ワンダ(1970米)

ドラブル(1974英・仏・米)

先生の白い嘘(2024日)

心が叫びたがってるんだ。(2017日)

アザーズ(2001西・仏・米)


網走番外地(1959日)

死刑にいたる病(2022日)

ミスター・ソウルマン(1986米)

ポルノスター ~私の選んだ道~(2017加・米)

明日の記憶(2006日)





WANDA/ワンダ ★★★★★

1970米。103分。バーバラ・ローデン監督・脚本・製作(共同)・主演。


ペンシルベニア州東部の炭鉱町に住む主婦・ワンダは夫に離別され、子供と職も失った上に一夜を共にした行きずりの男に有り金も盗まれてしまう。


バーで知り合った傲慢な男と、「一人でいるよりは楽だから」と一緒にいる内にワンダはいつの間にか犯罪の共犯者になってしまい、逃避行に巻き込まれてしまう。



アメリカの自主制作映画。


1970年のベネチア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞した。


しかし、ヨーロッパでは高く評価されたものの当時のアメリカではほとんど話題にならなかった。


興行的にも惨敗した。


近年、再評価を受けている。日本では2022年に初めて劇場公開された。


無学で、主体性がなく、ただ流されて生きる底辺の女性。そんな姿を赤裸々に描いたロードムービー。



予備知識なく見た。


上に書いたことは、見た後で検索したことを大まかにまとめたんだけど、映画と同様に周辺情報も面白かった。



以下は見た感想。


自主制作映画とは全然気付かず、最後までプロが作った小予算の映画だと思って見ていた。


カメラワークがきちんとしていたので、違和感が全然なかった。


主演のバーバラ・ローデンはプロの役者で、相手役のノーマン・デニスを演じるマイケル・ヒギンズも大根ではなかった(wikiではプロかどうかは分からなかった)。


そのお陰で、下手な演技がノイズになることもなく、話に集中できた。



ワンダはとても危なっかしい。


一体何をやっているんだあなたは、いい大人※なんだからちゃんとしなさい、と忠告したくなる。


※作中に年齢の描写はなかったと思うけど、バーバラ・ローデンの実年齢と同じなら37、8歳になる。


話し方や態度から、あるいは何か障害があるのかもしれないと思った。


そういう描写もなかったけど。


知能は低くて教育もない、みたいなことはどこかに出ていたかもしれない。(検索して読んだのかもしれない)



昔も今も、こういう女性(に限らず、男性も)はたくさんいて、食い物にされたり変なことに巻き込まれたりしている。


何となく、フェリーニ監督の「道」を思い出してしまった。


あと、ロードムービー繋がりで「テルマ&ルイーズ」や「俺たちに明日はない」も。


このブログを書いた後に、もうしばらく本作について検索していた。周辺情報が面白かったから。


そうしたら、「道」「テルマ&ルイーズ」「俺たちに明日はない」は、本作を語るときによく引き合いに出されるそうだ。


やっぱり、みんな同じことを考えるみたいだ。似てるとは言わないけど、どこか連想させる部分がある。


「道」がもう一度見たくなってしまった。笑



ドキュメント風の作りで、リアリティを感じた。


万人受けするとは言えないけど、傑作と言っていいと思う。


また、「アメリカン・ニューシネマ」の時期と重なるものの、本作はそこにはカテゴライズされていないようだった。


単にマイナー映画だったからなのかもしれない。内容的に、ちょっと違うかなという気もする。


これについては良い解説記事が見つけられなかった。


この後で、もう少し検索するかもしれない。





ドラブル  ★★★☆☆

1974英・仏・米。106分。ドン・シーゲル監督。マイケル・ケイン。ジャネット・サズマン。ドナルド・プレザンス。デルフィーヌ・セイリグ。ジャン・ヴァーノン。


イギリス諜報機関の工作員・タラントは息子を誘拐された上に、ドラブルと名乗る犯人が内部情報に詳しいと見られることから上司・ハーパーに疑われてしまう。


タラントはたった一人で息子を救出するための捜査に乗り出すことになる。



監督はドン・シーゲル。


「ダーティハリー」などクリント・イーストウッド主演の映画を何作も撮っている。


スパイ映画で、ダーティハリーの監督と来れば・・・!!


と期待した割にアクションは少なく、地味な映画だった。


手慣れた作りで、うまいとは思う。





先生の白い嘘  ★☆☆☆☆

2024日。117分。三木康一郎監督。鳥飼茜原作。奈緒。猪狩蒼弥。三吉彩花。田辺桃子。板谷由夏。ベンガル。風間俊介。


原美鈴は高校教師。ある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したと知らされる。


早藤は、美鈴が密会を重ねていた相手だった。


忌み嫌いながらも、早藤に呼び出されると行為に応じていた。


そんなある日、美鈴は担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられる。



原作マンガは未読。


実写でこういう話は生々しい。


美鈴にも早藤にも共感出来なくて、映画は面白くなかった。





心が叫びたがってるんだ。  ★★★☆☆

2017日。119分。熊澤尚人監督。中島健人。芳根京子。石井杏奈。寛一郎。荒川良々。大塚寧々。


高校2年になった坂上拓実は担任教師の城嶋一基からクラスメイトの成瀬順・仁藤菜月・田崎大樹とともに「地域ふれあい交流会」実行委員に指名される。


担任から交流会の出し物としてミュージカルが提案される。


順は拓実の言葉をきっかけに、自分の本当の気持ちを歌にして伝えようと決意する。



アニメ映画の実写化。


アニメは以前に見た。何度も映画化するような話かと正直思ったけど、例えば高校生の頃に見たら感想は全然違うかもしれない。


中島健人も芳根京子も、10年前の映画なのに思ったより変わらなかった。さすが俳優だ。





アザーズ ★★★☆☆

2001西・仏・米。104分。

アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本。トム・クルーズ他製作総指揮。ニコール・キッドマン。フィオヌラ・フラナガン。クリストファー・エクルストン。エレイン・キャシディ。


1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島ジャージー島。


グレースは色素性乾皮症を患う娘アンと息子ニコラスの3人きりで、広大な屋敷で暮らしていた。

夫は出征したまま帰ってこない。


不安な日々を送るグレースの元に新しい3人の使用人が現れる。それを境に、屋敷で不可解な現象が次々と起き始めた。


ホラー。


と言うほど怖いシーンはないけど。話は不気味。


旦那が帰ってきた理由は想像がつき、悲しいシーンだと思った。


使用人たちの正体も徐々に明かされる。


ここまでは想像できた(結果的に間違っていたので、この書き方は適切ではないかも知れません)けど、最後はさすがに分からなかった。


有名な「シックスセンス」以来の驚きかもしれない。


と言ったら、大げさか。うまいと思った。





網走番外地 ★★★☆☆

1959日。松尾昭典監督・脚本(共同)。小髙雄二。浅丘ルリ子。大坂志郎。芦田伸介。小沢昭一。梅野泰靖。清水將夫。


ヤクザの石塚肇はやくざ同士の喧嘩で重傷を負ったところを医師・藤山修造の娘・みち子に助けられ愛し合うようになる。


しかし、石塚は傷害罪で逮捕されて最果ての網走刑務所に送られる。


みち子は親の反対を押し切って石塚と結婚し、出所を待つのだった。



本作の他に、1965年には高倉健主演で映画化されている。


高倉健の出世作で、シリーズ化されている。


そちらは未視聴。


と言うより、別な映画があるとは知らず、最初は本作を「健さんがいないな」と思って見ていた。


原作は同じだけど映画の内容はかなり違うらしい。


本作は感動もの、浪花節ものといった感じだった。



余談ながら、最近はあまり聞かなくなったけど、昔は「網走」と聞くと「刑務所」って連想するくらい、網走刑務所は有名だった。


地元の人にしてみたらいい迷惑だろうけど。


映画の影響は大きかったと思う。


(高倉健の方)





死刑にいたる病 ★★★☆☆

2022日。129分。白石和彌監督。櫛木理宇原作。阿部サダヲ。岡田健史(水上恒司)。岩田剛典。中山美穂。


大学生の筧井雅也は24人もの少年少女を殺害した殺人鬼・榛村から面会に来て欲しいとの手紙を受けとる。


雅也にとって榛村は、勉強漬けだった中学時代に塾へ行く途中で立ち寄ったイートインのあるベーカリーで、優しく声を掛けてくれた店主だった。


最後の1件だけは冤罪なので調べて欲しいと頼まれた雅也。徐々に、恐るべき事実が明らかになっていく。



原作は未読。


映画はひどい犯罪のシーンからスタートした。見るのをやめようかと思った。


榛村が逮捕され、雅也が調査を開始するところからは推理ものとして楽しめた。


気分の悪い話ではあるけど、先が気になって引き付けられた。





ミスター・ソウルマン ★★★☆☆

1986米。104分。スティーヴ・マイナー監督。C・トーマス・ハウエル。アリー・グロス。レイ・ドーン・チョン。ジェームズ・アール・ジョーンズ。メロラ・ハーディン。


裕福な家庭で育ったマークはハーバード大学法学部に合格したものの、父親から学費が出せないと言われてしまう。


困ったマークは、黒人学生のみに適用される奨学金制度を知り、友人が発明した日焼け薬を飲んで黒人に変身。


見事奨学金を手に入れるのだったが…。



白人が黒人に化けるという、結構センシティブなテーマ。


社会派な映画かと思ったら、コメディだった。


黒人ゆえに理不尽な扱いを受けるエピソードもあって、シリアスな部分もある。


wikiを見たら、アメリカではアフリカ系の人たち間で物議を醸しつつもヒットしたそうだ。


どちらもよく分かる。





ポルノスター ~私の選んだ道~ ★★★☆☆

2017加・米。バネッサ・パリーゼ監督。ヘイリー・プロス。サッシャ・クレメンツ。ジャド・ネルソン。ジェシカ・ルー。ピート・グラハム。


デューク大学に入学したミリアムは、学費を稼ぐために偽名でポルノ女優になる。


しかし、やがて身元が発覚し、ネットいじめや殺害予告にさらされてしまう。


大学内で好奇の目にさらされ、家族との関係も壊れていく一方、彼女はマスメディアから大きな注目を浴びる。



実話ベース。


すごいタイトルだけど、セクシーなシーンは抑え目。話に重点が置かれてる。


周りの反応がリアル。


職業に貴賤はない、とか法に反しない行動なら自己責任で、という見方もあるけど(映画にも出てきたけど)、それはともかくとしても、やっぱりリスクのある仕事だと思う。


日本でもセクシー女優が大学でバレて、というニュースを読んだことがある。


その人がどうしたか、までは書いてなかったけど。


主演のヘイリー・プロスがきれいだった。





明日の記憶 ★★★☆☆

2006日。122分。堤幸彦監督。渡辺謙主演・製作総指揮。樋口可南子。吹石一恵。坂口憲二。田辺誠一。袴田吉彦。水川あさみ。香川照之。及川光博。木梨憲武。渡辺えり子。大滝秀治。遠藤憲一。


広告代理店で働く49歳の佐伯雅行は仕事人間。充実した日々を送っていたが、ある時若年性アルツハイマーと診断される。


自主退職して家に引きこもり、不安とやり場のない怒りに苛まれる夫を、妻の枝実子は献身的に支える。



原作は未読。


第2回(2005年)本屋大賞では第2位。1位は「夜のピクニック」(恩田陸)。



他人事じゃない、リアルな話だった。


ある程度会社勤めをしてきて、直接の知り合いではアルツハイマー病の人はいなかったけど、亡くなったり退社せざるを得なくなった方はいた。


映画では奥さんが出来た人だったけど、実際には色々あるだろう。考えさせられる映画だった。


渡辺謙を始め、みんな上手で入り込めた。


樋口可南子の映画ってあんまり見た記憶がないけど、本作はとても良かった。