「ブラックペアン1988」 海堂尊
海堂尊 医師国家試験受験後、合否判定を待ちつつ東城大学医学部付属病院の研修医となった世良雅志。
入局から3日目、帝華大学からやってきた新任の講師・高階権太と遭遇する。
以前にテレビドラマになっていた。
TBS系日曜劇場で、タイトルは「ブラックペアン」「ブラックペアン2」。(wikiより)
全部ではないけど、何回か見た。
ドラマは小説と主役が違っていた。
小説の主人公・世良が指導を受けることになる、天才だけど破天荒な行動で周りを振り回す一匹狼の“手術職人”・渡海征司郎がドラマの主役。二宮和也が演じていた。
小説の主人公・世良は竹内涼真だった。どちらも格好良かった。
舞台は「チーム・バチスタの栄光」と同じ東城大学。
時系列は少し前で、「チーム・バチスタの栄光」の主人公・田口講師たちがまだ東城大学の学生だった頃の話。
病院が舞台なので、学生だった田口たちの出番はチラ見せ程度。
他に、高階権太院長(「チーム・バチスタの栄光」では院長。本作では新任講師)などおなじみのキャラは何人か登場した。
本作を読んだ後にwikiで知ったんだけど、著者は同じ世界観でいくつかのシリーズ作品を書いているそうだ。
これまで読んできた「チーム・バチスタの栄光」「ナイチンゲールの沈黙」「ジェネラル・ルージュの凱旋」は「田口・白鳥シリーズ」(「東城大学シリーズ」とも)と呼ばれるシリーズ。
テレビドラマ(伊藤淳史、仲村トオル)、映画(竹内結子、阿部寛)になっている。
本作は「バブル三部作」というシリーズで、「ブラック・ペアン1988」「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」「プラチナハーケン1980」といった作品がある。
3作じゃないようだけど、「プラチナハーケン1980」はシリーズの前日譚だそうだ。
他にも共通する舞台のシリーズ作品は存在する。
これらは東海地方の架空の都市・「桜宮市」にある「東城大学医学部附属病院」を主な舞台にしていることから「桜宮サーガ」と総称されている。
・・と、いうことだった。
シリーズを読む順番が前後すると嫌だなと思ってwikiを読んでみた。
正直、ちょっとめんどくさい。笑
サブタイトルで「田口・白鳥シリーズ②」とか付けておいてくれればいいのに。
「ブラックペアン1988」に戻って。
文庫初刷は2009年12月(平成21年)。小説の舞台も平成だと思われる。
ただ、この東城大学病院はいわゆる“昭和”な感じがする職場だった。
パワハラなんて言葉も概念もまだなかった頃。
もちろん、小説は脚色したり盛ったりして面白くしているんだろうけど。
手術の細かい描写はよく分からなかったけど、ストーリーは今回もとても面白い。
シリーズ化を最初から考えているようで、引きがある終わり方だった。
印象に残ったところ(ページは講談社文庫)
(上)
P161 糸結びの練習は世良に合っていた。(中略)それはちょうど、サッカー部でリフティングの練習に凝った頃の感覚と似たところがあった。単調なくり返しがほとんど無意識レベルになったある日、試合の局面で滑らかに相手を抜き去る瞬間が訪れる。(中略)病棟看護婦たちは、誤って落とした絹糸の束を、優先的に世良にプレゼントするようになっていた。
(本書の頃はまだ看護“婦”なんですね・・当ブログ筆者註)
(下)
P25 “凡人”世良が天才的な“手術職人”渡海に対して
「役に立たなくとも、いえ、役に立たないからこそ、俺は糸結びの練習を続けます。そして次に左胃動脈を結紮(けっさつ・・当ブログ筆者註)する時は、必ずきちんと結紮して見せます(中略)俺には外科医として渡海先生のような才能はありません。
だけど俺にはこの道しかない。この道の果てで、いつか必ず渡海先生をこてんぱんにしてみせる」