日日平安 山本周五郎

短編集。

城中の霜
水戸梅譜
嘘アつかねえ
日日平安
しじみ河岸
ほたる放生
末っ子
屏風はたたまれた
橋の下
若き日の摂津守
失蝶記

初出は昭和10~30年(1935~55)ぐらいだそうだけど、言葉遣いに違和感がない。とても読みやすい。

さすがに、「なにかかにか」とか、「つくねる」とか最近あまり聞かないなって思う言葉はあったけど、ほとんど気にならない程度。

アイデアには多少のバラツキを感じなくもないけど、文章が良くて仕上がりはどれも面白い。

バラエティに富んでいて良かった。

未だに文庫が並んでるだけのことはあると思った。

「しじみ河岸」のお絹が言う、働き通しの日々に疲れて楽になりたいって言葉には考えさせられた。

他には後半の「末っ子」、「若き日の摂津守」、「失蝶記」が印象深かった。



ぬしさまへ 畠中恵

時は江戸時代。体の弱い若だんなと、若だんなに仕える佐助と仁吉を始めとする妖(あやかし)たちが協力して事件を解決する。

「しゃばけ」シリーズ第2巻。

若だんなのお兄さんが登場する。

江戸時代を舞台にしたファンタジー。

ファンタジーながら、謎解きがきっちりしていて超常現象で片付けないのでミステリーとしても面白い。