【今回観た映画】

十二人の怒れる男(1957米)

墓石と決闘(1967米)
ドラゴン・タトゥーの女(2011米)

白い巨塔(1966日)

エイリアン3(1992米)

エイリアン4(1997米)
エイリアン: コヴェナント(2017米・英)
人生とんぼ返り(1955日)
海を渡る波止場の風(1960日)

波涛を越える渡り鳥(1961日)





十二人の怒れる男 ★★★★☆

1957米。96分。シドニー・ルメット監督。ヘンリー・フォンダ主演・製作(共同)。リー・J・コッブ。エド・ベグリー。E・G・マーシャル。ジャック・ウォーデン。


ある夏の暑い日、ニューヨーク郡裁判所。


スラム街で虐待する父親を殺したとされる、18歳の少年の裁判が行われていた。


審理が終わり、12人の陪審員による審議が始まる。


11人の陪審員が有罪に投票し、有罪は決定的かと思われたが、たった一人“陪審員8番”が無罪を主張。


丁寧な検証によって、事態は思わぬ展開を見せていく。



白黒。


今観ると、映像はもちろんのことシナリオも素朴だと感じる。


例えば、陪審員がこんな検証をしているようでは、映画とは言え裁判が雑だったんじゃないかと感じる。


また、有罪派の主張が感情的にすぎる。



等々。



本作をベースにしてたくさんの映画やドラマが作られ、そちらを先に観てきたせいだと思う。


それでも、今観ても十分に面白い。約70年も前の映画なのに、すごいことだ。


歴史に残るだけのことはあると感じた。



無罪を主張する“陪審員8番(ヘンリー・フォンダ)”が、最初は孤独だけど支持が徐々に増えていく、そんな展開は気持ち良い。


「殺してやる」ってセリフの応酬など、ディテールもよく練られていると思う。


ひいき目に言っても素晴らしい映画だった。


ただ、今なら12人の中に女性や様々な人種の人が入るんだろうな。


その辺はさすがに、今観ると違和感を感じてしまった。時代を考えたら本作の価値を落とすものではないけど。





墓石と決闘 ★★★☆☆

1967米。102分。ジョン・スタージェス監督。ジェームズ・ガーナー。ジェイソン・ロバーズ。ロバート・ライアン。


クラントン一家とアープ兄弟の間で繰り広げられた西部劇史上最も有名な“OK牧場の決闘”の後日談。


決闘で生き残ったアイク・クラントンは、仲間を集めて、アープ兄弟に復讐を開始する。


弟を殺されたワイアットは、再びドク・ホリディの協力を得、アイク・クラントンを追い詰めて行く。



かの有名な「OK牧場の決斗」に後日談があったとは知らなかった。


考えてみれば、当然あって不思議はないし、話は面白かった。


しかし、西部劇は何万作と作られただけあって何でも揃っている。すごいジャンルだ。





ドラゴン・タトゥーの女 ★★★☆☆

2011米。158分。デヴィッド・フィンチャー監督。ダニエル・クレイグ。ルーニー・マーラ。クリストファー・プラマー。ステラン・スカル。


雑誌「ミレニアム」の発行責任者でジャーナリストのミカエルは資産家のヘンリック・バンゲルから40年前ににスウェーデンの孤島で起きた少女ハリエット失踪事件の調査依頼を受ける。


ミカエルは、背中にドラゴンのタトゥをした天才ハッカーのリスベットとともに捜査を進めていく内にバンゲル家に隠された闇に迫っていく。



テンポも良いし話も悪くないんだけど、ちょっと分かりづらい所も。


全体的に暗くて気持ち悪い。


ルーニー・マーラがすごい格好だけどきれい。





白い巨塔 ★★★★☆

1966日。149分。山本薩夫監督。

山崎豊子原作。

田宮二郎。田村高廣。東野英治郎。下條正巳。加藤武。小川真由美。藤村志保。


浪速大学医学部助教授の財前五郎は天才的な外科医だが、野心家で敵の多い人物。


東教授の退任に伴う激しいポスト争いを勝ち抜き、ついに教授の座につく。


しかし、誤診により死亡した患者の遺族が財前と病院を相手取って医療訴訟を起こす。



以前に唐沢寿明主演のテレビドラマ(2003~2004年)を観た。


当然ながら、あらすじは同じ。


映画はテレビドラマのダイジェスト版みたいな感じだったけど、その分テンポよく進んで良かった。



約60年も前の白黒映画だけど、内容は古さを感じない。どちらも面白い。


役者は好き好きだと思う。田宮二郎も、唐沢寿明も良い。


脇役は、描き方自体が結構違うので何とも言えない。


そんな中、東野英治郎は良かった。この悪そうな人が水戸黄門を演ってたとは。よくキャスティングしたものだ。



田宮二郎主演のテレビドラマ(1978~1979年)もある。そちらは観ていない。


原作は未読。いつか読んでみようとは思うけど、新潮文庫で5冊もあるのでなかなか手が出ない。






エイリアン3 ★★★☆☆

1992米。114分。デヴィッド・フィンチャー監督。シガニー・ウィーバー。チャールズ・ダンス。ラルフ・ブラウン。チャールズ・S・ダットン。ポール・マッギャン。ランス・ヘンリクセン。


2270年。


エイリアンから逃れたリプリーの救命艇は囚人惑星フィオリーナに不時着。


しかし、エイリアンが惑星に紛れ込んでおり襲撃が始まる。


そんな中、リプリーは自分の体がエイリアンに寄生されていたことを知る。



シガニー・ウィーバーの髪型(坊主頭)が有名な本作。


1、2より落ちると聞いていたのでそこまで期待してなかったんだけど、大作として普通に面白いと思う。


ただ、好みはある。エイリアンはやっぱり気持ち悪いし。笑





エイリアン4 ★★★☆☆

1997米。109分。ジャン=ピエール・ジュネ監督。シガニー・ウィーバー。ウィノナ・ライダー。ロン・パールマン。ドミニク・ピノン。マイケル・ウィンコット。


リプリーの死から200年後。フューリーの宇宙刑務所に残されていたリプリーの血液をもとに、彼女は軍によってクローン体「リプリー8号」として再生された。


体に宿るエイリアンは摘出され、軍の実験宇宙船「オーリガ」内で養殖が試みられる。しかし、成長したエイリアンは脱走して研究者や軍人たちを襲う。


緊急事態のため「オーリガ」号は地球へ向けて動き出してしまう。リプリーはエイリアンを地球に降ろすまいと戦うことになる。



ストーリーは新たな展開で、面白かった。


ただ、普通のSF映画になってしまった気もする。


エイリアンは相変わらず気持ち悪い。笑


ウィノナ・ライダーがきれい。と言うより可愛らしい。





エイリアン: コヴェナント ★★★☆☆

2017米・英。122分。マイケル・ファスベンダー。キャサリン・ウォーターストン。ビリー・クラダップ。ダニー・マクブライド。デミアン・ビチル。


「エイリアン」の前日譚を描いた「プロメテウス」の続編。


滅びゆく地球から脱出し、2000人の入植者を乗せて新たな植民地となる惑星を目指す宇宙船コヴェナント号。


そこに謎の電波が届き、本来の目的地よりも遥かに地球の環境に近い惑星があったことが分かる。


進路を変更してたどり着くと、そこには驚異となる未知の生物が存在していた。



ストーリーも映像も良いけど、個性が薄まって普通のSF大作に見える。


エイリアンは気持ち悪いけど。


アンドロイド・デヴィッドが誕生するシーンを見て「ブレードランナー 2049」を思い出した。





人生とんぼ返り ★★★☆☆

1955日。117分。マキノ雅弘監督・脚本・編集。森繁久彌。山田五十鈴。左幸子。河津清三郎。


殺陣師の市川段平は、新国劇の看板役者・沢田正二郎と出会い舞台に写実的な殺陣を導入したいと要望される。


歌舞伎調の殺陣しか知らない段平は新しい型の創造に苦しむが、ある日正二郎が不良を投げ飛ばす姿を見て、ついにリアルな殺陣を生み出す。



白黒。


さすがに古臭いけど、今観ても面白い。


ストーリーのメリハリがハッキリしている感じ。


クライマックス、殺陣が完成したことを知らされた河津清三郎演じる沢田正二郎が、観客に開演時間の延期を申し入れる口上は迫力があった。





海を渡る波止場の風 ★★★☆☆

1960日。78分。山崎徳次郎監督。

小林旭。浅丘ルリ子。宍戸錠。


海から来た流れ者(1960日)に続く小林旭の流れ者シリーズ第2作。


奄美大島の復興資金五千万円を積んだセナス機が鹿児島上空から墜落し、行方不明になった操縦士の野村光彦に容疑がかかる。


光彦の潔白を信じる許婚者の塚越尚子は、桜島でやくざ者に襲われた所を流れ者の野村浩次に救われる。


浩次は光彦の兄だった。二人は協力して光彦の手掛りを追う。



意外性は無いけど、安定の面白さ。


悪く言えば粗製乱造。マンネリ。


小林旭、宍戸錠は本作でも魅力的。浅丘ルリ子も。


まさにスターシステム。



宍戸錠は上半身がちょっと逞しくなっていた。


以前、あまりに華奢な体格を見て「鍛えたら良いのに」って書いた覚えがある。


詳しいことは知る由もないけど、当時もそんな声があったのかも。





波涛を越える渡り鳥 ★★★☆☆

1961日。79分。齋藤武市監督。小林旭。宍戸錠。浅丘ルリ子。小高雄二。金子信雄。


渡り鳥シリーズ第6作。


滝伸次は、横浜でギャングに襲われた貿易商を助ける。


その香港ギャングは死んだ兄のネックレスを身に着けていた。


伸次は真相を突き止めるため香港へ向かう。



本作も安定の面白さ。


一方で、やっぱりマンネリ感はある。


シリーズ初の海外ロケということで、工夫はしてたんだろうけど。


同じ日活でも石原裕次郎の映画はバラエティに富んでると思うんだけど、小林旭は変わらなさが人気だったのか。


昔のことだし分からないけど。