モルグ街の殺人・黄金虫 エドガー・アラン・ポー(新潮文庫)

「モルグ街の殺人」は最初の推理小説とされる。

既にある程度の形が出来ているのがすごい。

デュパンという名探偵も登場する。シャーロック・ホームズの原型だそうだ。(作者は当然、別)

「黄金虫」は暗号解読の話。

どちらも学生時代以来、久し振りに読んだ。




プラチナデータ 東野圭吾

DNAを管理して犯罪捜査に活用し、大きな成果を上げている社会。

数学者の蓼科早樹が殺害された事件で、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が現場に残された毛髪を分析した結果、システムが示した犯人は彼自身だった。

システムのエラーか、プログラムに欠陥があったのか?

背後には大きな秘密が隠されていた。

途中までは、東野圭吾にしてはそこそこかと思って読んでいた。

しかし、最後はやっぱり良かった。

ベテランの安心感というか、きっちり楽しませてもらえる。




おれは非情勤 東野圭吾

「俺」は25歳の非常勤教師。

赴任先の小学校で、盗難・いじめ・脅迫・毒殺未遂など様々な事件に遭遇し、推理を働かせる。


連作短編集。学研の「5年生の学習」「6年生の学習」に掲載されたジュブナイルもの。

プラス、ハードボイルド風味だそうだ。読んでる時は気付かなかったが、巻末の解説に書いてあった。笑

短い話だし、トリックもシンプルで簡単。しかし、しっかり楽しめる小説になっている。さすがは東野圭吾だと思った。




歪笑小説 東野圭吾

連作短編。主役は入れ替わるが、緩くつながっている。

「作家あるある」かと錯覚させる話。

実際にはそんなことはないんだろうけど、ありそうに思わせる。

過不足のない簡潔な文体はいつも通りで、とても読みやすくて面白い。




富豪刑事 筒井康隆

連作短編。

大富豪の一人息子・神戸大助がお金を湯水のように使って事件を解決する。

父・神戸喜久右衛門は散々悪いことをして稼いできた財産を大助が世の中のために役立てることを浄財のように考え、応援している。

喜久右衛門の美人秘書・浜田鈴江は大助に想いを寄せている。


昔、深田恭子主演でテレビドラマになっていた。

その頃か、もっと前に読んだ。今回はそれ以来。

金持ち刑事という設定は海外ミステリにもあるそうだが、私は本作で初めて読んだのでとても新鮮だった。

改めて読んでも面白い。実験的な構成もあって、その辺は筒井康隆らしいと思った。