【今回観た映画】

有難や節 あゝ有難や有難や(1961日)

悲しき別れの歌(1965日)

スカーフェイス(1983米)

ルーキー・ハウス・ガール(2010英)

ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜(2009日)


ブルーベルベット(1986米)

エリザベス(1998英)

野のユリ(1963米)

摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に(1987米)

16ブロック(2006米)





有難や節 あゝ有難や有難や ★★★☆☆

1961日。67分。西河克己監督。和田浩治。清水まゆみ。守屋浩。


自動車工場で働く春山浩一は、ヤクザからの借金で首が回らなくなった社長の守田庫之助に頼まれて豊川稲荷へお参りに行く。

しかし途中で梅沢建設の社長令嬢・雅子と出会い、新型排水タービンの設計図を巡る騒動に巻き込まれる。

守屋浩の『有難や節』は1960年に発売され大ヒットとなっていた。そのヒットに便乗する形で製作されたバラエティ映画で、「怪作」とも呼ばれる。(wiki)

いくら映画全盛期とは言え、粗製乱造もいい加減にしとかないと、と最初は思った。かなりしょうもない。

と、いうのは今の感覚か。約60年も前の映画だ。

当時のお笑いやコントはこんな感じだったのかもしれない。

底抜けに明るい映画なので、2本立て、3本立て上映の内の1本として観るなら有りかもしれない。




悲しき別れの歌 ★★★☆☆
1965日。94分。
西河克己監督。石坂洋次郎原作。吉永小百合。浜田光夫。松山英太郎。高峰三枝子。

野村ゆり子は洋裁学校に通うために上京して医学生の風見信太郎と知り合う。

しかし、風見の父はかつて、ゆり子の母・はる子の恋人だった。

風見に心を残したまま嫁いできたはる子を誠実に愛し続けた父・正雄の心を知った時、ゆり子は信太郎と別れなければいけないと感じたのだった。


青春もの。

モノローグや止め絵の演出に個性がある。ちょっと中二病が入っている感じ。

ズケズケとした台詞回しがこの頃の青春映画の特徴だったのか、他の作品でもよく見る。




スカーフェイス ★★★☆☆
1983米。170分。ブライアン・デ・パルマ監督。オリバー・ストーン脚本。アル・パチーノ。スティーヴン・バウアー。ミシェル・ファイファー。メアリー・エリザベス・マストラントニオ。

1980年、キューバからアメリカ・マイアミへ渡ったトニーはコカインの密売でのし上がる。

麻薬王となった彼は、南米からの麻薬ルートを開拓して勢いに乗るが、次第に多くの敵を作り、破滅への道をたどっていく。

「暗黒街の顔役」(1932米)のリメイク。こちらは未視聴。

アル・パチーノってこんな役ばっかりか。しかし、確かに似合ってるしうまい。

特に中盤以降の暴走振りは、本物の狂ったヤクザみたい。こちらだとマフィアか。

しかし、この兄貴に対して内緒で結婚して驚かせようとは、妹はアホか。

ストーリー上の都合とは言え。

最後の撃ち合いは圧巻。

170分と長いけど、面白い。




ルーキー・ハウス・ガール ★★★☆☆
2010英。97分。フィル・トレイル監督。フェリシティ・ジョーンズ。エド・ウェストウィック。タムシン・エガートン。ケン・デュケン。ソフィア・ブッシュ。

19歳のキムはスケートボードの選手だったが、交通事故で母を亡くしてからは悲しみに暮れて働かない父の代わりにアルバイトで家計を支えていた。

ある日、彼女はオーストリアのスキー場にある高級別荘で4カ月間の住み込みバイトを見つける。

そこでの出会いで、彼女は失った競技への情熱を少しずつ取り戻していく。


青春映画。ロマコメ(ラブコメ)。

アメリカの学園ものって明るくていいなあ、と思って観ていたけど、サイトを見たらイギリス映画だった。笑

2011年公開ってことも意外だった。雰囲気から、もっと古い映画だと思っていた。

役者を見れば、そんな昔の作品なわけないか。

フェシリティ・ジョーンズが可愛らしい。そして、逞しいキャラだった。

「脳みそと足があるんだから、選んだ方向に進んでいけるんだよ」




ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜 ★★★☆☆
2009日。114分。根岸吉太郎監督。太宰治原作。松たか子。浅野忠信。室井滋。伊武雅刀。広末涼子。妻夫木聡。堤真一。光石研。山本未來。

戦後間もない混乱期の東京。

小説家の大谷は才能に恵まれながら自堕落な生活を送っていた。

妻の佐知は夫の借金を返すために働き始める。

しかし、大谷は佐知と客の関係を疑う始末。

大谷は愛人の秋子と心中を図るが未遂に終わる。


大谷は才能があって、女性にもてて、クズ。「人間失格」の主人公と似てる。

本作の原作でも、太宰は自分を投影してると書いてあったけど。

これだけ映画化されるってことは、魅力的なキャラなんだろう。

ラストは中途半端な気がした。無難だったけど、個人的には今ひとつだった。




ブルーベルベット ★★★☆☆

1986米。121分。デヴィッド・リンチ監督・脚本。カイル・マクラクラン。イザベラ・ロッセリーニ。デニス・ホッパー。ローラ・ダーン。ディーン・ストックウェル。ホープ・ラング。


ノース・キャロライナ州ののどかな田舎町、ランバートン。


大学生のジェフリーは、父を見舞った病院からの帰り道、切り落とされた人間の片耳が野原に落ちているのを発見する。


警察に通報した彼は、ドロシーという女性が事件にかかわっていることを知り、好奇心から独自に調査を開始する。



以前にデヴィッド・リンチ監督の「デューン/砂の惑星」(1984米)を観た。


2021年の映画はとても美しかったが、こちらは何というか、とても変わっていた。


カルト的な人気がある監督だというのも分かる。


本作も変わってる。耳が落ちているのも気持ち悪いが、猟奇殺人がテーマなのかな?と思ったら、ジェフリーの前に現れるのは変態ばかり。


深層心理を暴く、みたいなテーマらしくて解釈記事が色々あったけど、初見ではよく分からないところもあった。


観ていてあまり楽しくないし、個人的には好きじゃない。ただ、入り込んでしまう面白さはあった。



イザベラ・ロッセリーニはイングリッド・バーグマンの娘だそうだ。すごい演技だ。





エリザベス ★★★☆☆
1998英。124分。シェカール・カプール監督。
ケイト・ブランシェット。ジョセフ・ファインズ。ジェフリー・ラッシュ。

新旧の宗教抗争が激化する、16世紀のイングランド。

プロテスタントであるエリザベスは、異母姉でカトリックのメアリー女王によってロンドン塔に幽閉されていたが、女王の崩御後に弱冠25歳の若さでイングランド女王に即位する。

重心たちは緊迫した隣国との政略結婚で国の難局を乗り切ることを進言するが、エリザベスは政略結婚に活路を見出だすことは出来なかった。


中世ヨーロッパを題材にした映画は、どれも暗い雰囲気を感じる。

石造りの建物に冷たさを感じるせいだろうか。ただ単に、北方だから光が弱いだけか。

人の命も粗末にしてそうだ。これは同時代の日本でも同じか。


細かいところは史実の通りではないそうだけど、エンタメとしてほどよく脚色した感じで、テンポも良く、楽しく観られた。

万人受けする、間口の広い作品。

風景や衣装など、映像はとてもきれいだった。お金がかかってるんだろうな。




野のユリ ★★★★☆
1963米。94分。ラルフ・ネルソン監督。シドニー・ポワチエ。リリア・スカラ。ボビー・ドリスコール。

アリゾナ州の砂漠。

流れ者の黒人青年ホーマー・スミスは車の故障で一軒家にたどり着く。

そこには東ドイツから派遣されたマリア院長を始めとする5人の修道女が住んでいた。

マリア院長は、ホーマーを「神が遣わした者」と信じ込み、この砂漠の荒れ地に教会を建てるように頼むのだったが…。


主演のシドニー・ポワチエは第36回アカデミー賞にて主演男優賞を受賞。黒人俳優として初めて。

モデルになった話があったんだろうか。どこかにありそうなリアリティを感じた。

年代は特に書かれていなかったが、昔の話だろうに黒人差別はなかったんだろうか。

アリゾナ州と言えばメキシコと接する南部の州なのに。

聖職者だからか、とも思ったが町の人たちもフランクに接している。この映画のテーマでは無いからかもしれない。


全体として「良い話」になってるけど、マリア院長はじめ修道女たちはホーマーに嘘をついて只働きさせてしまうし、ホーマーが骨を折ったことに対してお礼もなく「神様に感謝」してしまう。

身勝手で振り回すなところもあって、結構ひどい。

世間が狭いんだろうな。神様には誠実でも、人には配慮も何も無い。

一歩間違えば狂信者になってしまいそう。危うさを感じた。




摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に ★★★☆☆
1987米。110分。ハーバート・ロス監督・製作。マイケル・J・フォックス。ヘレン・スレイター。リチャード・ジョーダン。マーガレット・ホイットン。

1980年代。カンザス州からニューヨークに出て来たブラントリー・フォスターは、内定していた会社が企業買収されいきなり失職。

ようやく、遠い親戚が社長をしている大会社にメール・ボーイとして潜り込む。

やがて彼は、偽名を使い重役に成り済まして経営に参加する。


コメディタッチの、肩の凝らないお話。

トントン拍子に成功していくので、観ていて気持ち良い。

こんな映画も良いと思う。




16ブロック ★★★☆☆
2006米。101分。リチャード・ドナー監督。ブルース・ウィリス主演・製作(共同)。モス・デフ。デヴィッド・モース。

ニューヨーク市警のジャック刑事は、勤務中にも飲酒するアルコール中毒の不良刑事。

ある朝、裁判所への証人護送の任務を押しつけられる。

護送の距離はわずか16ブロック(区画)だったが、次々に襲撃される…。

すぐ終わるかと思われた短い移動距離なのに、災難の連続。

その辺、「ダイ・ハード」シリーズを思い出す。

ブルース・ウィリスの不良刑事がなかなか良かった。

ルックスも、まだ髪があって格好よかった。