蛇にピアス 金原ひとみ
第130回(2003年下半期)芥川龍之介賞受賞作。
この時は同時に綿矢りさ「蹴りたい背中」も受賞している。
2人とも最年少受賞者で、ずいぶんと話題になっていた。
2人の内、綿矢りさの方が年下だったので、より注目されていたように思う。
「蹴りたい背中」は127万部、「蛇にピアス」は53万部と両方ベストセラーになった。
以前に映画を観た。
蜷川幸雄監督。吉高由里子主演。高良健吾。ARATA(井浦新)。
題材から、突飛で前衛的な内容を想像したけれど、ドラマはきちっとしていてオーソドックスな作りだった記憶がある。とても面白かった。
映画は原作に忠実だったようで、読んでみたらほぼ映画を観た時のイメージ通りだった。
当時の選評を読んだら、選考委員の村上龍は推していて石原慎太郎は受賞に反対していた。
どちらもセンセーショナルな受賞作を書いた人だけど、評価が割れるのが興味深かった。
ちなみに、私(当ブログ作者)個人としては本作は面白い小説だと思ったけど、選評にある「哀しみ」はよく分からなかった。
妊娠カレンダー 小川洋子
第104回(1990年下半期)芥川龍之介賞受賞作。
姉の妊娠が判明してから出産までを「わたし」の日記で綴っている。
以前に同じ作者の「博士の愛した数式」を読んだ。
とても良かったので、本作も読んでみた。
この人の文体は好きだ。
ストーリーはほとんど無いように感じる。wikiを見ると、作者自身が重視していないそうだ。