成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈
2024年(第21回)本屋大賞受賞作。
「成瀬」シリーズ第1作。
中学2年生の成瀬あかりは、我が道を突き進むキャラ。
夏休みには、閉店を間近に迎えた西武大津店に毎日通って地元番組のテレビ中継に映ると言い出し、次には幼馴染みの島崎を相方にしてM-1グランプリに出場する。
高校に入学した時には、何と坊主頭になっていた!?
ここ数年、本屋大賞受賞作を読んでいるんだけど今年のは抜群に面白かった。
まず、タイトルが良い。候補作が書店に並んでいるのを見た時点で、一番魅力的だと感じた。
内容は想像してたのと少し違ったけど、主人公のキャラが強烈に立っていてすぐに引き込まれた。
地元愛に溢れているのも良い。
滋賀県は関西で働いている時に時々行った程度だけど、良い人ばかりでとても良い所だった。
余談ながら、琵琶湖の水止めたろか、は本当に言うらしい。
連作短編で、1冊としてのまとまりがちょっと弱いかな、と思った。
最初の1、2作は別々の作品だったみたいだ。好評だったから続いた?のかもしれない。
著者のデビュー作だと知って、なるほどと思った。
文章はとても読みやすくて、情景が頭にすぐ浮かぶ。
成瀬以外のキャラもリアル。
これは、すぐに映画かドラマになるだろうと思った。