コンビニ人間 村田沙耶香
古倉恵子、36歳。大学時代から始めたコンビニエンスストアのアルバイトを卒業後も続けている。
子供の頃から変わり者で、周りと合わせられない彼女は「コンビニで出会う人間の真似」をしたり、妹の助言を聞くことで、大学生になってようやく普通の人間らしく振る舞う方法を身につけた。
しかし自身の加齢と、それによる新たな世代の人間との干渉が増えたことにより、そのような生き方は限界に達しつつあった。
第155回(2016年上半期)芥川龍之介賞受賞作。
これは面白かった。
発達障害かアスペルガーか、一般的な感覚が分からない主人公が社会に溶け込もうと一生懸命に生きている。
彼女にとって、ようやく社会の一員であると実感出来たのはコンビニ店員になることだった。
文中では「社会の歯車」になることが出来た、と書かれている。
しかし、加齢によって今度はアルバイトをずっと続けていることに無理が出てきた。
独身で、正社員でもないことに社会の目が厳しくなってきたのだ。
そこに、「白波」という男性が現れて奇妙な同居生活が始まる。
よく、こんな話を思い付いてここまで書き上げたものだと思う。
傑作。
願わくは、落ちが平凡だったのでもう少し変わってると良かった。きれいに落ちてはいるんだけど。