【今回観た映画】
エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993米)
ミスター・ベースボール(1992米・英)
フィラデルフィア(1993米)
限りなき追跡(1953米)
弾丸を噛め(1975米)
すずめの戸締まり(2022日)
サボタージュ(2014米)
キャノンボール(1981米・香港)
スノーホワイト/氷の王国(2016英・米・中)
名探偵コナン 紺青の拳(2019日)
エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 ★★★☆☆
1993米。139分。マーティン・スコセッシ監督。
ダニエル・デイ=ルイス。ミシェル・ファイファー。
1870年代、アメリカの上流社会。
弁護士のニューランドは、メイという婚約者がいたが幼馴染みで伯爵夫人となっているエレンと不倫の恋に落ちる。
若くて素朴なメイと知的なエレンの間で自責と葛藤に悩まされる。
美しい映像と恋の話。不倫だけど。
1993年というと、石田純一も元気で不倫も今ほど叩かれていなかった記憶。叩かれてはいたけど、程度問題として。
アメリカではどうだか知らないけど。
色んな価値観というか規範みたいなものが、この数年で大きく変わっていると思う。
今こういう映画を公開したら、日本では受けないんだろうと思う。
それが良いことなのか悪いことなのか、一概には言えないけど。
そんなことを思いながら観ていた。
あと単純に、ニューランド止めとけメイは良い人じゃないの、とかエレンが魅力的なのはまあ分かるけどさ…なんて思っていた。笑
日本語タイトルが、格好つけようとして結果下品になってる。
ミスター・ベースボール ★★★☆☆
1992米・英。110分。フレッド・スケピシ監督。トム・セレック。デニス・ヘイスバート。高倉健。
メジャーをお払い箱になった元スター選手のジャック・エリオットが日本の中日ドラゴンズへ入団する。
しかし、日本の生活や野球に戸惑い、内山監督とも対立して不振に陥ってしまう。
恋人で監督の娘であるヒロ子の仲介で監督と和解し、二人で特訓を開始。
ついに復活したジャックの快進撃が始まる。
昭和の日本プロ野球にやって来たガイジン助っ人の話。
昔はこういう、ピークを過ぎたメジャーリーガーがよく日本に来ていた。
今は給料格差が広がったせいか、ランクがもう少し落ちる安い選手しか取れなくなってるらしい。
ちなみに、彼ら外国人選手は「ガイジン」呼びを嫌うが「助っ人」は敬意を感じるから良い。と、何かで読んだ。
本作が作られたのは、まだ野茂英雄がドジャースに入団する前。
メジャーは、今とは比較にならないぐらい遠かった。
本作の、日本の社会や野球の描き方は、故意かそうでないのか不明だけど、たぶん故意だと思うけど偏見に満ちている。
ロッカーやお店の狭さはことさらに強調されているし、内山監督の家ではそうめんを派手な音ですする。
昔の、「ゲイシャ」「ハラキリ」って言葉を思い出した。
加えて、本作の映像で見られるバブル期のファッションと球場のボロさや街の古さはアンマッチで、今見るととても変。
これは、外国人の視点とは関係なく今の社会から約30年前のこの時代を見ると、とても変わった、異質なものに見える。
(バブル景気は1986年12月から1991年2月頃とされている。本作は1992年公開だから、厳密には弾けた直後ぐらい)
結果的に、外国人が解釈した日本、約30年前のバブル爛熟期を迎えた日本、本作では2つの変な日本が楽しめる。
昔、巨人で長く活躍したウォーレン・クロマティとロバート・ホワイティングの共著「さらばサムライ野球」を読んだことがある。
書かれているのは本作と同じ頃の話で、クロマティも元メジャーリーガー。境遇はよく似ている。
共通する部分が多くあった。映画を観て思い出した。
ジャックが日本で最初に参加した練習で、中日の選手は一列に並んでうさぎ跳りをしている。
しかも、両手にバットを持って。
さすがに当時もこんな練習はしていない(と思う)が、彼らには日本の練習がこれぐらい奇異に見えるんだろう。
(ただ、日本の監督やコーチは時々変な練習を思い付くからやってないと断言は出来ない)
高倉健演じる内山監督は当時の中日監督である星野仙一と、広岡達朗がモデルになっているそうだ。
高圧的で、規律を重んじる。
現役時代はホームランバッターだった設定で、この辺は現ソフトバンクホークスの王貞治会長が入っていると思う。
ジャックの背番号が54なので、ずいぶん意味深だと思って観ていたら、復活したジャックはホームランを打ちまくって内山監督の記録を塗り替えそうになる。
それが7試合連続ホームランの記録なのは、シーズン本数55本の記録にすると生々し過ぎるからだろう。
巡り合わせが悪いのか、王さんが監督をしている時にこうした場面は何回かあった。
阪神のバースとか、近鉄のローズとか。
記録を前にしたジャックは、彼らと同様に敬遠される。
しかし、最終打席で満塁になり、相手はついに敬遠出来なくなる。
内山監督は思い切りスイングしろと指示するが、ジャックは自分の判断でバントし、得点したチームは悲願の優勝を遂げる。
ここは、ホームランを打って終わって欲しかった。
でも、当時の日本ではこの結末の方が受けたのかも。
(本作はアメリカの映画だけど、内容から当然日本市場がターゲットだろう)
メジャーへ復帰したジャックが監督の娘・ヒロ子を連れて帰国しているのはいかにも映画的なハッピーエンド。
恋愛自体は、時間を割いてる割に面白くはなかった。お色気を添えた感じ。
特訓も中途半端だった。
ジャックは序盤で右投手の逃げるシュートに苦しめられる。
内山監督はバッティングをさせずに走り込みとノックに取り組ませ、いつの間にかジャックは復活する。
下半身を鍛える、緩んだ身体を締め直すという目的だろうとは思うけど、特訓の描写はそれだけ。
アメリカ人の製作者としては、日本人に技術指導を受けてメジャーの元スター選手が復活するシーンなんて描きたくないんだろう。と、勘ぐってしまう。
恐らく、日本独特の配球かあるいは変化球でジャックは苦しんだんだろうから、攻略法を日本人が教えてもおかしくはないんだけど。
シュートと言ってるから、球種自体は日本独特ではないか。
長々と書いてしまった。B級だけど、野球好きなら珍味として楽しめる映画だと思う。
フィラデルフィア ★★★☆☆
1993米。125分。ジョナサン・デミ監督。トム・ハンクス。デンゼル・ワシントン。ジェイソン・ロバーズ。
一流法律事務所に勤務する弁護士ベケットは、HIVに感染したことを理由に解雇される。
ベケットは事務所を訴える。
トム・ハンクスは第66回アカデミー賞で主演男優賞を受賞している。
HIVへの理解が進み、多様性が謳われる今観ると、隔世の感…とまではいかなくても、社会の変化を感じる。
限りなき追跡 ★★★☆☆
1953米。82分。ラオール・ウォルシュ監督。ロック・ハドソン。ドナ・リード。フィル・ケリー。
南北戦争が終わり、ベン・ウォレンは、テキサスから彼に会いに来た許婚のジェニファーを迎えに行く。
しかし、駅馬車はスレイトン一味に襲われてベンは重傷をおい、ジェニファーは彼らに拉致された。
傷の癒えたベンはスレイトンを追う。
西部劇を観る度に、アメリカの広大な大地には夢とロマンを感じる。
同時に、危険も。
物語の舞台としてはとても魅力的で、西部劇がたくさん作られたのも分かる。
本作は南北戦争後の殺伐とした南部が舞台。
当時の雰囲気が伝わってきて興味深い。
ストーリーは盗賊から婚約者を取り戻そうとする個人の話で、難しいことは何もなくて分かりやすい。
追いついてからスレイトンと戦う流れが今の映画と似ていて、既視感があった。
既にこの頃から、今のハリウッド映画の原型があると実感した。
(ジェスとジェニファーの交換→スレイトンが裏切ってジェスを撃ち、逃げる→怒りのベンが追う→追い付いて撃ち合い→スレイトンが一人脱出→格闘→ベンがピンチに陥るが仲間の助けで仕留める→ベンとジェニファーがハグしてTHE END。)
弾丸を噛め ★★☆☆☆
1975米。131分。リチャード・ブルックス監督・脚本・製作。ジーン・ハックマン。キャンディス・バーゲン。ジェームズ・コバーン。ベン・ジョンソン。
1906年。アメリカ西部。
新聞社ウェスタン・プレスが主催する2,000ドルの賞金をかけた西部横断レースが開かれることになった。
カウボーイのクレイトン、一攫千金を狙う旧友のマシューズ、唯一の女性出場者ケイト等は総距離700マイル、制限日数は6日半、馬の乗り換えは禁止という過酷なレースに挑む。
タイトルの「弾丸を噛め」とは“苦しみに耐えてやりぬけ”という意味。
え西部開拓時代、負傷した男が麻薬のかわりに弾丸を噛んで手術の苦しみに耐えたという故事に由来する。
設定は魅力的で、大筋も良いんだけど、間延びしてるので所々退屈なのが惜しいところ。
結果として今一つの出来になってる。
ジャッキー・チェンの「キャノンボール」を思い出した。
その西部劇版のような映画。こちらの方が数年古いけど。
すずめの戸締まり ★★★☆☆
2022日。122分。新海誠監督・脚本・原作。
原菜乃華。松村北斗。深津絵里。染谷将太。伊藤沙莉。花瀬琴音。花澤香菜。神木隆之介。松本白鸚。
九州で暮らす17歳の岩戸鈴芽(すずめ)は、ある時山の中で不思議な扉を見つける。
やがて、日本各地で次々と扉が開き始める。
扉が開くとその向こう側からは災いがやって来るという。
すずめは扉を探しているという旅の青年・宗像草太と共に扉を閉める「戸締りの旅」に出る。
アニメ。
「君の名は。」の監督。ジブリかと思ったが違うそうだ。
正直、本作も「君の名は。」も面白さがよく分からないんだけど、絵はきれいでアニメって進化しているんだと実感した。
余談ながら、「天気の子」は面白かった。あくまで個人の感想ですが。
(それを言えば、このブログは全部そうですが)
サボタージュ ★★★☆☆
2014米。109分。デヴィッド・エアー監督・脚本(共同)。アガサ・クリスティ原作「そして誰もいなくなった」 。アーノルド・シュワルツェネッガー。サム・ワーシントン。オリヴィア・ウィリアムズ。ミレイユ・イーノス。
DEA(麻薬取締局)捜査官のジョン・ウォートンは、8人の部下から成る特殊部隊を率いる。
ある事件の失態で内部調査を受けていたが、久々に再結集した。
しかし、メンバーは謎の猟奇殺人犯に狙われ1人また1人と消されてしまう。
麻薬組織の復讐はエグい。反撃も。
シュワルツェネッガーも歳を取った。今も年齢なりに格好良い。
キャノンボール ★★★☆☆
1981米・英領香港。95分。ハル・ニーダム監督。バート・レイノルズ。ジャッキー・チェン。サミー・デイヴィスJr.。ロジャー・ムーア。
アメリカの東海岸から西海岸へ5000キロを走破するレースが開催された。
資格や乗り物の制限なし、交通ルールは無視。お互いの妨害あり。
運送会社を営むJ.J.マクルーア。
フェラーリに乗る元F1レーサーの神父。
財閥家の御曹司で俳優の“007”シーモア・ゴールドファーブJr。
ハイテクマシンに改造したスバルに乗る“日本人コンビ”ジャッキー・チェン。
ロールス・ロイスで参戦する“世界最速の王家”ファラフェル王家。
ランボルギーニを駆るセクシー美女コンビ。
等々、全米から集まったドライバーたちが予測不能のレースを繰り広げる。
「弾丸を噛め」を観て思い出したので、久々に観てみた。
コメディ。
実際に、北アメリカ大陸を市販車でどれだけ速く横断できるかを競う非公認レースがあって、モチーフにしている。
本作の監督と脚本家は映画の製作前に参加したそうだ。
ジャッキー・チェンはまだブレイク前。懐かしい。
スノーホワイト/氷の王国 ★★★☆☆
2016英・米・中。113分。セドリック・ニコラス=トロイアン監督。クリス・ヘムズワース。シャーリーズ・セロン。エミリー・ブラント。ニック・フロスト。ジェシカ・チャステイン。
「スノーホワイト」の続編。
前作でスノーホワイトとエリックによって滅ぼされた女王ラヴェンナには、「氷の女王」と呼ばれる妹・フレイヤがいた。
凍てつく北の大地で「氷の王国」を築いていた彼女は、姉の死を知って配下の軍団に「魔法の鏡」を奪ってくるよう命じる。
前作と同様に寒そうな舞台のファンタジー映画。
「白雪姫」といっても色々あるけど、本作にはディズニー映画やアンデルセン童話の暖かな感じはなく、グリム童話のちょっと怖くて残酷な雰囲気がある。
話はどうということもないけど、映像はさすがに最近の映画だと思った。
名探偵コナン 紺青の拳 ★★★☆☆
2019日。109分。永岡智佳監督。青山剛昌原作。
高山みなみ。山崎和佳奈。小山力也。山口勝平。松井菜桜子。山崎育三郎。河北麻友子。
舞台はシンガポール。
19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を巡って怪盗キッドとコナンたちが対決する。
怪盗キッドとコナンが直接話をする間柄になっていたとは知らなかった。
さすがに緊張感がなさすぎかも。