【今回観た映画】
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019米・英)
かがみの孤城(2022日)
彼らが本気で編むときは、(2017日)
地下鉄(メトロ)に乗って(2006日)
デンジャラス・ラン(2012米)

博奕打ち外伝(1972日)
ミッドナイト・エクスプレス(1978米)
トゥームストーン(1993米)
サバイバルファミリー(2017日)
RED/レッド(2010米)




ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★☆☆
2019米・英。161分。クエンティン・タランティーノ監督・脚本・製作(共同)。
レオナルド・ディカプリオ。ブラッド・ピット。マーゴット・ロビー。エミール・ハーシュ。ティモシー・オリファント。ジュリア・バターズ。デイモン・ヘリマン。マーガレット・クアリー。オースティン・バトラー。ダコタ・ファニング。マヤ・ホーク。ブルース・ダーン。アル・パチーノ。カート・ラッセル(+ナレーション)。ルーク・ペリー。

テレビ俳優のリックは時代の流れに取り残されて人気が落ちていた。

そんな彼にマカロニウエスタンの出演オファーが届くが、ハリウッドスターのプライドが邪魔して固辞する。

そんな彼の付き人をつとめるスタントマンのクリフは、業界で生き残ろうと必死になるリックとは対照的な性格だったが、固い友情で結ばれていた。

そんな中、映画監督ロマン・ポランスキーとその妻で売り出し中の若手女優シャロン・テートが隣人として転居してきたことをきっかけに、リックはイタリアでの映画出演を決意する。


パッと見は退屈な映画。最後の襲撃シーンを除いて。

リックとクリフは創作だそうだ(モデルはいる)。

ロマン・ポランスキー、シャロン・テートは実在の人物。

ロマン・ポランスキーは存命。

多くの映画を作っている。

私が知っているのは「ローズマリーの赤ちゃん」「チャイナタウン」「戦場のピアニスト」など。

奥さんのシャロン・テートは有名な「シャロン・テート襲撃事件」で亡くなった(殺害された)。

ヒッピーとか、予備知識があるとこの映画はより楽しめるんだろう。

私は知識として多少知っている程度なので、正直ピンと来なかった。

そうなると、161分は長い。

ただ、クエンティン・タランティーノ監督らしい凝った映画だと思った。


ブルース・リーの描写が物議を醸したそうだ。

確かに、これはリスペクトが感じられない。ひどい描き方だ。

人種差別って記事もあったけど、2019年の映画だしさすがにそこは気を付けるんじゃないか。

笑いを取ろうとして失敗したってあ所かと思う。

それがアジア系だったのが物議を醸した原因かと。

でも、確かに白人のスターに対してこういう取り上げ方はしないかもしれない。




かがみの孤城 ★★★☆☆
2022日。116分。辻村深月原作。當真あみ。北村匠海。吉柳咲良。板垣李光人。

中学1年生のこころは学校に居場所をなくし、部屋に閉じこもる日々を送っていた。

そんなある日、こころは自室の鏡に吸い込まれてしまう。

着いた先は不思議なお城だった。

同様に集められた6人の少年少女の前に狼のお面をかぶった謎の少女“オオカミさま”が現れ、こころを含めた7人が選ばれた存在で、お城に隠された鍵を見つけた者はどんな願いでも叶えてもらえると告げる。


原作は2018年(第15回)本屋大賞受賞作。未読。

昔、学生の頃は大きな問題で、今では乗り越えて当時のことは忘れてる、そんなテーマ。

「たかが学校」って仲直りした東条さんが言ってたけど、大人になると実感する。

もちろん人間関係はいつでもあるし、今でも「たかが」で悩んでいるのかもしれないけど。

本作に出てくるような、どうしようもない教師って私が生徒の頃もいた。

今でもいるんだろうな。

こういう内向的な作品は、小説だともっと面白いかもしれないと思った。




彼らが本気で編むときは、 ★★★☆☆
2017日。127分。荻上直子監督・脚本。生田斗真。桐谷健太。柿原りんか。ミムラ。小池栄子。門脇麦。田中美佐子。

母親が家を出てしまい置き去りにされた11歳のトモが、おじのマキオの家を訪ねると、彼は恋人でトランスジェンダーのリンコと生活していた。

リンコは、トモにおいしい手料理をふるまい愛情を持って接する。


現代らしいテーマの映画だと思った。

トランスジェンダーと放置子。

リンコも、マキオもとても良い人で、男と出ていって帰ってこない母親よりこっちにいた方が幸せに暮らせるんじゃないかと思ってしまう。

でもやっぱり、そういうことじゃないんだろうな。

トモが母親を選ぶのを見て思った。

リンコみたいな人たちに対して、私の中にはまだ多分、いや絶対に偏見や先入観はあると思うんだけど、この映画を観ると“個性”で済む日がそのうち来そうな気がした。




地下鉄(メトロ)に乗って ★★★☆☆
2006日。121分。篠原哲雄監督。浅田次郎原作。堤真一。岡本綾。大沢たかお。常盤貴子。

小沼真次はしがないセールスマン。

世界的企業「小沼グループ」の創立者で父親である小沼佐吉を嫌って家を出ていたのだった。

ある日永田町駅の地下鉄の階段を上ると、そこには30年前の1964年(昭和39年)の風景が広がっていた。

そこで真次は、在りし日の兄を目撃する。

最初は話がよく分からなかったが、飲み込めてくるとなかなか面白かった。

所々、良いシーンもあった。




デンジャラス・ラン ★★★☆☆
2012米・南アフリカ共和国。115分。ダニエル・エスピノーサ監督。

元CIA工作員のトビン・フロストは組織を裏切ったため、4大陸の世界36カ国で指名手配され、10年間も逃亡を続けていた。

トビンは南アフリカにあるCIAの収容施設に収監されるが、直後に謎の傭兵部隊が施設を襲撃する。

施設の管理を任されていた新人工作員のマットは、トビンを連れて別の収容施設へ移動する。


シリアスなスパイもの。

いや、CIAはわんさか出てくるけどスパイものって感じでもないか。

雰囲気も、シリアスというよりただ暗いような気も。

話は普通。いや、ありがちと言うべきか。

けなした書き方になってしまったけど、傑作とは言わないまでも普通に楽しめる映画。

デンゼル・ワシントンはいつも良い役。確かにイケメンだけど、良すぎる気もする。

そんなにファンがいたのか。




博奕打ち外伝 ★★★☆☆
1972日。103分。山下耕作監督。高倉健。若山富三郎。菅原文太。松方弘樹。浜木綿子。伊吹吾郎。鶴田浩二。

明治の中期、北九州の若松(現北九州市若松区)。

北九州睦会系大室一家組長大室弥八と江川組組長江川周吉とは何かにつけて対立していた。

大室一家代貸の滝は江川組に無断で縄張りを荒らしていた。

暴走する滝に親分、兄弟分を殺された周吉は弥八と共に大室一家へ乗り込む。


「博奕打ちシリーズ」第10作。

昔の邦画はシリーズばっかりか。

東映はヤクザ映画が売りだったそうだ。


高倉健。鶴田浩二。若山富三郎。浜木綿子。

この辺はリアルタイムで観たことはない。健さんはテレビで何か観てるかもしれないけど。

最近はサブスクやBSで色んな映画が観られるので、昔の映画も時々観ている。

感覚としては、チャップリンとかヘップバーンを観るのと変わらないかも。


昔の映画。独特の味というか面白さ。今、ヤクザ映画を作るなら全然違うものになると思う。

役者も、暑苦しくて重々しい。今、こういう役者って思い付かない。需要がないから出てこないんだろうか。




ミッドナイト・エクスプレス ★★★☆☆
1978米。121分。アラン・パーカー監督。オリバー・ストーン脚本。ブラッド・デイヴィス。アイリーン・ミラクル。

アメリカ人旅行者のビリー・ヘイズは麻薬不法所持の罪でトルコ刑務所に収監され、暴力が横行する地獄のような獄中生活に耐えていた。

しかし、出所目前にトルコとアメリカの関係が悪化。

ヘイズは取引材料として利用され、刑期が30年に延長されてしまう。

ついに彼は脱走を決意する。

実話ベース。かなり脚色してあるらしいが。

何と言う不運な巡り合わせ。

興味深い映画だった。

ただ、あまり面白くはなかったけど。




トゥームストーン ★★★☆☆
1993米。130分。ジョージ・P・コスマトス監督。カート・ラッセル。ヴァル・キルマー。

有名な「OK牧場の決闘」と、それに関連する抗争を題材にした西部劇。

実話ベース。


「OK牧場の決斗(1957米)」が印象深いが、本作も面白かった。

固有名詞が重なるだけで、別物な印象。

どちらも良い。


1990年代の映画の雰囲気を感じる。

映像や音楽はそれ以前より著しく進歩して、まだCGがほとんどない頃。

演出にも流行りなんかがあるんだろう。多分。

リメイク(というより同じ題材の違う映画と言うべきか)だから、無意識に1957年版と比較してしまうのかも。




サバイバルファミリー ★★★☆☆
2017日。117分。矢口史靖監督・脚本。小日向文世。深津絵里。泉澤祐希。葵わかな。

ある日、突然電気が消失するという異常事態が世間で発生。交通機関はストップし、ガス、水道も使えなくなってしまう。世間が大混乱に陥る中、東京に暮らす平凡な一家4人の主は、生き残るために家族と共に東京を脱出しようと決意する。


監督は「スウィングガールズ」の矢口史靖。

昔やった「絶体絶命都市」というゲームを思い出した。

ゲームは地震だったけど、都市機能が麻痺してしまい食料や情報を求めて探検する内容だった。

実写映画にすると、ゲームにはないリアリティを感じる。

突然、全ての電気が止まってしまう状況はシュールだけど、人々の反応は納得感がある。

もちろん、盛ってたり違うと感じる所もあったけど。

見応えのある映画だった。

日頃の生活を見つめ直すきっかけになった。


最初の方で「時報って117だよな」という台詞があった。

懐かしくなり、掛けてみた。

今でもこのサービスが続いていたんだと知った。


「フンは必ず持ち帰ってください」の看板には笑ってしまった。

やむを得ず“野グソ”をするシーン。


スーパーの空っぽの棚では、東日本大震災を思い出した。

行列に並んでイトーヨーカドーに入った覚えがある。




RED/レッド ★★★☆☆
2010米。111分。ロベルト・シュヴェンケ監督。

ブルース・ウィリス。モーガン・フリーマン。ジョン・マルコヴィッチ。メアリー=ルイーズ・パーカー。ヘレン・ミレン。

CIAのエージェントだったフランク。

引退して田舎町で静かに暮らしていたが、そこへ武装集団が侵入。

一味を仕留め、原因を調べたフランクは、10人の名前が記された暗殺リストに自分も入っていることを知る。


ブルース・ウィリスとモーガン・フリーマンの共演。どこかコミカルな味もあって、楽しい映画。

話も面白かった。