【今回観た映画】
レッド・スコルピオン(1989米)
イレイザー(1996米)
ラ・ポワント・クールト(1955仏)
テルマ&ルイーズ(1991米・英・仏)
男の世界(1971日)

大海原を行く渡り鳥(1961日)
コルドラへの道(1959米)
ボブという名の猫2 幸せのギフト(2022英)
ギター抱えたひとり旅(1964日)
インクレディブル・ハルク(2008米)




レッド・スコルピオン ★★★☆☆
1989米。106分。ジョセフ・ジトー監督。ドルフ・ラングレン。M・エメット・ウォルシュ。カーメン・アルジェンツィアノ。ブライオン・ジェームズ。

ソ連軍の特殊部隊員ニコライはアフリカ某国の反共産政府運動指導者スンダタを暗殺するよう命じられる。

だが、原住民と深くふれ合った彼は己の立場を捨て、ソ連軍と闘うことを決意する。


「ランボー」や「コマンドー」を思い出すような映画。

ストーリーもディテールもぶっ飛んでる。いかにもエンタメ。

今観ても面白い。

ただ、さすがに「ランボー」にはかなり劣る。そんな印象。

また、「元スペツナズ(ソビエト連邦軍の特殊任務部隊。今のロシア軍でも名称は変わらないらしい)兵士」より「ベトナム帰還兵」の方が感情移入しやすいだろうと思う。

あと、本作は中盤ダレるので実際の時間より長く感じた。

拷問シーンはいかにも昔の映画。

しかし、本作をソビエト連邦(当時)やキューバの人が見たら怒るだろうな。

当時は、東側に出荷されることはなかったのかもしれないけど。




イレイザー ★★★☆☆
1996米。115分。チャック・ラッセル監督。アーノルド・シュワルツェネッガー。ジェームズ・カーン。ヴァネッサ・ウィリアムズ。ジェームズ・コバーン。

ジョン・クルーガーは、重大事件の証人の安全を守るため、死を偽装して過去を消去する「イレイザー」と呼ばれる政府特別情報局員。

軍需企業サイレックス社に勤めるリー・カレンは最新鋭の兵器をめぐる陰謀に気づき、証拠の入ったディスクを持ち出す。

リーを守るため、ジョンは出動する。

しかし、裏切り者によって証人保護プログラムによって守られているはずの者たちが相次いで命を落としてしまう。

シュワルツェネッガーの作品ではあまり有名な方じゃないと思う。初めて観た。

シュワちゃんは公開時49歳。もっと若く見える。格好良い。

アクションは素晴らしくて、楽しい映画だった。





ラ・ポワント・クールト ★★★☆☆
1955仏。80分。アニエス・バルダ監督。フィリップ・ノワレ。シルビア・モンフォール。

ヌーベルバーグの先駆的存在となった作品。

南フランスの小さな漁村。

生まれ故郷に戻ってきた夫と、パリから彼を追って来た妻。

結婚4年目で倦怠期に陥っていた2人は会話を重ねる。

終止符を打ちたい妻と、続けたい夫。

一方、村では漁民たちが衛生検査官の目を盗んで禁漁区へ繰り出すなどいつもの日常を過ごしている。

そして、夫の故郷を知った妻の心境に少しずつ変化が芽生える。


白黒。

ポワント・クールトは村の名前。「短い岬」という意味があるそうだ。

ストーリーに起伏はなく淡々と進む。

夫婦の会話はちょっと退屈。

南仏の異国情緒や時代への関心も手伝って最後まで観られた。


ひとつ分からないのが、男女問わず中年の村人がかなりな肥満体なんだけど、この貧しい暮らしであんな体型になるんだろうか。

最後のパーティを見るに、実は豊かなのか。

あるいは、その辺はリアリティ無視なのかもしれない。

変なことが気になってしまった。


ルイ役のフィリップ・ノワレは、「ニュー・シネマ・パラダイス」のアルフレード(映画技師)だそうだ。

「ニュー・シネマ・パラダイス」はイタリア語の映画だったので、イタリア人だと思っていた。

フランス人だとは知らなかった。




テルマ&ルイーズ ★★★☆☆
1991米・英・仏。129分。リドリー・スコット監督。スーザン・サランドン。ジーナ・デイヴィス。ハーヴェイ・カイテル。マイケル・マドセン。クリストファー・マクドナルド。ブラッド・ピット。

2人の女性の日常から転落していく様を描く。

平凡な主婦テルマが、友人のウェイトレス、ルイーズと共にドライブに出かけた。

途中のドライブインで、テルマが見知らぬ男たちにレイプされそうになった時、ルイーズは男たちを射殺してしまう。

2人は逃避行に移り、途中で犯罪を重ねていく。


「90年代の女性版アメリカン・ニューシネマ」と評される。また、ブラッド・ピットの出世作としても知られる。

監督は「ブレードランナー」「ブラック・レイン」のリドリー・スコット。

「アメリカン・ニューシネマ」の明確な定義はググっても出てこなかった。

それまで(1960年代前半頃までか)の映画に対するカウンターってところか。60年代後半~70年代まで続いたそうだ。

特徴として

・逃亡
・日常からの転落
・アンハッピーエンド

が挙げられていた。

本作は確かに当てはまると思う。

代表的な「俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」「明日に向って撃て!」辺りとは雰囲気が違うけど。

また、ハチャメチャなロードムービーという側面や、ジェンダー的な見方もあると思う。

結末も「アメリカン・ニューシネマ」らしいんだけど、本作はスカッとする終わり方だった。

ちょっとした違いで印象が随分変わってくるものだ。




男の世界 ★★★☆☆
1971日。82分。長谷部安春監督。石原裕次郎。宍戸錠。沖雅也。鳥居恵子。大滝秀治。

組織のボス白石に殺された恋人夕子を忘れるため、カナダへ去った紺野忠夫が5年振りに帰って来た。

5年前に自主した白石が間もなく出所するタイミングだった。

恋人への復讐か、それとも他に思惑があってのことか、誰にもわからなかった。

当時の担当刑事茂木は執拗に紺野をマークしていた。


石原裕次郎は公開当時37歳。

今ならまだ若いぐらいの年齢だが、スクリーンの裕次郎は貫禄たっぷり。

若い頃とはまた違った魅力で、惹き付けられる。

出来は普通だと思うけど、お馴染みの顔がたくさん出てきて楽しめる。

歌はファンサービスか。


宍戸錠が今回は刑事役。飄々としてて良い。

ラストの「何か音がしたかな?」って台詞も良かった。


沖雅也が若くてイケメン。

wikiを見たら、31歳で亡くなったらしい。惜しいことだ。




大海原を行く渡り鳥 ★★★☆☆
1961日。79分。齋藤武市監督。小林旭。浅丘ルリ子。芦田伸介。白木マリ。藤村有弘。

舞台は長崎県。

ギターを持った渡り鳥・滝伸次は、観光馬車が襲われている所を助ける。

観光馬車の乗客に怪我はなかったものの、その中の1人が持っていた巨額の金が強奪されていた。

やがて伸次は、地元を牛耳る組織と対決する。

複雑な事件に巻き込まれていく。


「ギターを持った渡り鳥」シリーズ第7弾。

刑事物という訳でもなく、ヤクザ物や西部劇の要素もあって、既存のジャンルに属さない独特な、というかごった煮と言った方が良いかもしれない。そんな映画。

この辺が“無国籍アクション映画”と言われた所以か。

このシリーズ、小林旭と宍戸錠のコンビが売りだと何かの記事で読んだ気がするけど、本作に宍戸錠は出演していなかった。

それでも、当時は人気があったんだろうと思える内容だった。

小林旭は格好良くて、魅力があった。




コルドラへの道 ★★★☆☆
1959米。123分。ロバート・ロッセン監督。ゲイリー・クーパー。リタ・ヘイワース。ヴァン・ヘフリン。リチャード・コンテ。

メキシコ反乱軍との戦いに勝利したソーン少佐の騎兵隊は、活躍した5人の叙勲とメキシコ反乱軍に味方したアメリカ人女性ギアリーを軍に引き渡すため、7人でコルドラ陸軍基地を目指して砂漠超えの長旅を敢行する。

しかし、隊員はそれぞれの事情で叙勲を受けたくなかった。

彼らは途中でゲリラに襲われて馬を失い、徒歩での移動を余儀なくされる。

過酷な旅に加えて、道中でソーン少佐の過去の噂が広まってしまい反感が広がる。

旅は困難を極めた。


西部劇。

話はちょっと地味かも。

ソーン少佐が荒くれ者の統率に苦労するところを描きたいのは分かるんだけど、こんなに何人も勲章を辞退したいものなのか。

旅が過酷になって不満が高まったところに、過去の悪評を聞いて反感が集まるのは納得感があるけど、それだけでは足りなかったか。


馬に乗って尻が痛くなるのはいかにもありそう。

化膿した箇所の消毒にテキーラを使うシーンがあるけど、時代とはいえある程度の医療道具も持たないのかと思った。

ゲーリー・クーパーは時に弱さを見せる良識派なキャラで、以前に観た「真昼の決闘」を思い出した。

リタ・ヘイワースは初めて見た。

有名な「ショーシャンクの空に」の原作「刑務所のリタ・ヘイワース(スティーヴン・キング作)」で名前は知っていたけど、出演作を観たことはなかったので、一度観てみたかった。




ボブという名の猫2 幸せのギフト ★★★☆☆
2022英。92分。チャールズ・マーティン・スミス監督。ルーク・トレッダウェイ。クリスティーナ・トンテリ=ヤング。ファルダット・シャーマ。アンナ・ウィルソン=ジョーンズ。

「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」の続編。

ジャンキーでホームレスのストリートミュージシャンからベストセラー作家に転身を果たしたジェームズと、彼の飼い猫のボブ。

ところがある日、彼は動物福祉担当職員に目を付けられ、ボブを取り上げられる危機に陥ってしまう。


原作はジェームズ・ボーエン作のノンフィクション。

翻訳はされていないようだ。

前作は以前に観た。印象的な映画で、よく覚えている。


前作も、本作も人の気持ちや生活について考えるきっかけになる映画だった。

自分に出来ることって何だろうと思う。


心暖まるラストだった。

ボブが可愛らしい。




ギター抱えたひとり旅 ★★★☆☆
1964日。85分。山崎徳次郎監督。小林旭。松原智恵子。上月左知子。井上昭文。芦田伸介

黄金の左腕を持つ天才ギャンブラー氷室浩次は、兄と恋人を奪ったいかさま師の辺見を追って信州をさまよっていた。

黒い賭博師シリーズ第3弾。

小林旭でギターだけど、渡り鳥ではないらしい。

こんなシリーズがあったとは知らなかった。


今観るとさすがに突っ込み所はたくさんあるけど、それでも楽しめる映画だと思う。

考えてみれば、新しい映画でも突っ込む人は突っ込むし。笑


小林旭はものすごい二枚目とは言わないけど、魅力的だと思う。

本作のように悪ぶってるけど実は良い奴、みたいな役が多くて、それが良く似合う。




インクレディブル・ハルク ★★★☆☆
2008米。112分。ルイ・レテリエ監督。エドワード・ノートン。リヴ・タイラー。ティム・ロス。ウィリアム・ハート。

兵士強化実験のための研究をしていた科学者のブルース・バナーは、実験の失敗で感情が高まると緑色の巨人「ハルク」に変身するようになってしまう。

身体を元に戻す治療方法を探すブルースだったが、その存在を知った軍は彼を追う。


ちょっと暗いが面白い話だった。

リヴ・タイラーがきれい。

「アベンジャーズ」の一員なはずだけど、本作はディズニーじゃなくソニーだった。

色々あるのかもしれない。まあいいか。