【今回観た映画】
最後の忠臣蔵(2010日)
隠し砦の三悪人(1958日)
太陽の子 (Gift of Fire) (2021日・米)
ネメシス 黄金螺旋の謎(映画 ネメシス 黄金螺旋の謎)(2023日)
ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022英・米)

雨あがる(2000日)
マグニフィセント・セブン(2016米)
エンド・オブ・キングダム(2016米)
潮騒(1964日)
蜘蛛巣城(1957日)




最後の忠臣蔵 ★★★★★
2010日。133分。杉田成道監督。池宮彰一郎原作。役所広司。佐藤浩市。片岡仁左衛門。桜庭ななみ。山本耕史。風吹ジュン。田中邦衛。伊武雅刀。安田成美。柴俊夫。

元禄15年の赤穂事件から16年。

大石内蔵助から「事件の真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」との命を受け、一人だけ生き残った赤穂浪士の寺坂吉右衛門は、京で元赤穂藩士で盟友だった瀬尾孫左衛門と出会う。

孫左衛門は、討ち入り前夜に逐電したまま姿をくらましていた。

やがて吉右衛門は、孫左衛門が逐電した本当の秘密を知る。


役所広司演じる忠義者の瀬尾孫左衛門、厚い友情で結ばれた佐藤浩市の寺坂吉右衛門がとても良かった。

また、桜庭ななみがとても印象に残った。

この人がこんなに良いと思った映画、ドラマは初めてだ。

はまり役で、素晴らしかった。

これは傑作だと思う。

嫁入りのシーンはクライマックス。泣ける。

最後は時代劇らしいと言えるけど、悲しい。


実はそれほど期待してなくて、観るかどうか迷ったんだけど、観て良かった。

見送るところだった。笑




隠し砦の三悪人 ★★★☆☆
1958日。139分。黒澤明監督。三船敏郎。千秋実。藤原釜足。上原美佐。藤田進。
戦国時代。

敗軍の大将真壁六郎太は世継ぎの雪姫、途中で出会った百姓の太平と又七、密かに隠し持った黄金200貫とともに逃亡を続け、同盟軍の陣内を目指す。

白黒。

昔の映画なのでさすがに映像も、音声も見劣りがする。

しかし、ストーリーはとても面白い。

キャラも立っていて、真壁六郎太(三船敏郎)、雪姫(上原美佐)を始め百姓の太平と又七も実に良い。

以前にリメイクの「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」を観たんだけど、本作を観てリメイクしたくなる気持ちがよく分かった。

今の技術で作り直したらきっと面白くなるだろうって思えてくる。


また、「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」はジョージ・ルーカスが本作からヒントを得たって話は有名だけど、そうやって創作意欲をかき立てられるものが本作にはあるんだと思った。




太陽の子 (Gift of Fire) ★★★☆☆
2021日・米。111分。黒崎博監督・脚本。柳楽優弥。有村架純。三浦春馬。イッセー尾形。山本晋也。國村隼。田中裕子。

太平洋戦争末期。京都帝国大学・物理学研究室で核分裂について研究する石村修は海軍の命令で核エネルギーを利用した新型爆弾を研究していた。

その頃、家を失った幼なじみの世津が彼の家に居候。

また、修の弟・裕之が戦地から一時帰宅し3人はつかの間の穏やかな時間を過ごす。

物資の不足で研究は進まず、やがて広島市に原子爆弾が投下された知らせが届く。

広島に落とされた原爆を見て、修が教授に僕らの爆弾が完成したらこうなっていたんですねと問いかけるシーンが印象的だった。

また、世津が戦争後にやりたいことを修と裕之に話し、戦争後のことを考えていないと返す2人に向かって戦争後のことを考えていなければ何のために戦うんだと言うシーンも考えさせられた。

本作は実話ベースだそうだ。

皆、生きるのに必死だったと思うけど、戦争後のことを考えていた人もちゃんといたんだと思った。このエピソードも実話なら、だけど。




映画 ネメシス 黄金螺旋の謎 ★★☆☆☆
2023日。99分。入江悠監督。広瀬すず。櫻井翔。勝地涼。中村蒼。富田望生。橋本環奈。真木よう子。佐藤浩市。江口洋介。

探偵事務所「ネメシス」で働く探偵助手のアンナと自称天才探偵の風真。

ある時、アンナは仲間たちが次々と死を遂げる悪夢を見るようになる。

やがて、彼女の夢に出てきた「窓」と名乗る正体不明の男が現れてアンナに不気味な予言を告げる。

それをきっかけに仲間たちが次々と危機にさらされていく。

出演者は豪華なのに、内容が今一つ。

ドラマ版でもそう感じたのを思い出した。

夢オチを繰り返したり、ゲノムとか言われても。。

そういう要素はほどほどにして、ミステリーとして楽しませて欲しかった。

サクラップのセルフパロディはなごんだ。




ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 ★★★☆☆
2022英・米。143分。デヴィッド・イェーツ監督。J・K・ローリング原案・脚本(共同)・製作(共同)。エディ・レッドメイン。ジュード・ロウ。エズラ・ミラー。ダン・フォグラー。アリソン・スドル。キャサリン・ウォーターストン。マッツ・ミケルセン。

魔法動物学者のニュートは、ホグワーツ魔法魔術学校時代の恩師ダンブルドアや仲間たちと、魔法界の支配を企む史上最悪の闇の魔法使い・グリンデルバルドに立ち向かう。


「ファンタスティック・ビースト」シリーズ第3作。

1、2作も観たけど、細かいことは忘れてしまった。

覚えていたらもっと面白いんだろうけど。

グリンデルバルドはジョニー・デップから変わっていた。

悪役も良いと思っていたので、ちょっと残念。




雨あがる ★★★☆☆
2000日。91分。小泉堯史監督。黒澤明脚本。山本周五郎原作。

寺尾聰。宮崎美子。三船史郎。原田美枝子。

人を押しのけてまで出世することが出来ない心優しくお人好しの武士、三沢伊兵衛と妻のたよ。

2人は仕事もなくあてのない旅を続けていた。

ある時、若侍の果たし合いを危険を顧みず仲裁した伊兵衛は、感心した藩主永井和泉守重明から剣術指南番役の話を持ちかけられる。


静かで地味な映画。

雰囲気があって、話がとても面白い。

先が気になる。

原作は山本周五郎。




マグニフィセント・セブン ★★★☆☆
2016米。133分。アントワーン・フークア監督。デンゼル・ワシントン。クリス・プラット。イーサン・ホーク。ヴィンセント・ドノフリオ。イ・ビョンホン。マヌエル・ガルシア=ルルフォ。ヘイリー・ベネット。ピーター・サースガード。

西部劇。

黒澤明監督「七人の侍」(1954日)と同作のハリウッドリメイク「荒野の七人」(1960米)が原案になっている。

悪徳実業家バーソロミュー・ボーグに襲われ、支配されたローズ・クリークの町。

夫を殺されたカレンはボーグを倒すため、賞金稼ぎの委任執行官サム・チザムに助っ人を依頼する。

サムを中心に7人が集まりローズ・クリークへ向かう。

最初は金のため町を守ることになったサム達だったが、いつしかその目的が金だけではなくなっていく。

2016年の映画だけあって、メンバーの人種など気配りが現代風。

話は分かりやすくて難しいことを考えずに楽しめる。

デンゼル・ワシントンが若い。




エンド・オブ・キングダム ★★★☆☆
2016米。99分。ババク・ナジャフィ監督。ジェラルド・バトラー。アーロン・エッカート。モーガン・フリーマン。アロン・モニ・アブトゥブール。

ホワイトハウス陥落の悪夢から2年。

イギリスの首相が不可解な死を遂げ、ロンドンで行われる葬儀に各国首脳が出席する。

しかし、そこで各国首脳を狙った同時多発テロが発生する。

米国大統領警護隊長はテロに立ち向かう。


「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編。

特に話題作でもないけど、話は面白くて映像も良い。

爆発やアクションシーンは迫力。

今は面白い映画(に限らず、エンタメ全般)がたくさんあるし、サブスクで過去の傑作も簡単に観られる。

ある意味供給過多なくらいで、観客としてはとてもありがたいけど、作り手は大変だろうと思う。




潮騒 ★★★☆☆
1964日。82分。森永健次郎監督。三島由紀夫原作。吉永小百合。浜田光夫。石山健二郎。

伊勢湾の歌島で、18歳の久保新治は漁師をして母と弟との暮らしを支えていた。

新治は島の有力者・宮田照吉の娘・初江と惹かれ合うが、初江は島の名門の息子と結婚するという噂が流れていた。

そんなある日、島を台風が襲う。

船をつなぎ止めていたワイヤーが切れ、誰かが荒海に飛び込んで命綱を浮標(ブイ)につなぐしか手はなくなってしまう。

島の皆が尻込みする中、新治が敢然と志願する。


去年「あまちゃん」が再放送されていた。

「潮騒のメモリー」が、この「潮騒」のことだと何かの記事で読んだ。

それまで全然気付かなかった。

三島由紀夫の原作も読んだし、三浦友和・山口百恵版の映画も既に観ていたんだけど。苦笑

原作は三島作品の中でも人気があるそうだ。

とても分かりやすくて良い話だと思う。

三浦友和・山口百恵版も良かった。

本作も劣らず良かった。

ただ最後の、新治が荒海に飛び込む辺りから初江の親父に認められるシーンはもう少しじっくり観たいところ。

ちょっと急ぎすぎな気がした。

吉永小百合はとてもきれいだった。




蜘蛛巣城 ★★★☆☆
1957日。110分。黒澤明監督・脚本(共同)・製作(共同)。三船敏郎。山田五十鈴。千秋実。

北の館(きたのたち)の主・藤巻の謀反を鎮圧した鷲津武時は、帰途の森で出会った老婆から不思議な予言を聞く。

やがて予言通りに事が運び始めると、欲望に取り憑かれた妻にそそのかされて主君・都築国春をを殺して自ら城主の地位につく。

白黒。

シェイクスピアの「マクベス」をベースに日本の戦国時代に置き換えた作品。

映像も音もさすがに昔の映画で、今とは比べるべくもないけど、迫力は伝わってくる。

三船敏郎はお見事。

最後の、大量の矢が射られるシーンは今観ても目を奪われる。