ジェーン・エア シャーロット・ブロンテ

先日「嵐が丘」を再読した時に、妹のシャーロット・ブロンテを読んだことがないことに思い当たって、読んでみた。

最初の10ページほどで早くも引き込まれた。

これまで様々な本を読んだけれど、冒頭からこんな風に引き込まれることはあまりない。

相性が良いのだと思う。

所謂、名作と呼ばれる小説を断続的に読んできたけれど、本作はその中でも指折りの面白さだった。

「嵐が丘」を読んだ時に思い出して良かった。

本書の主人公「ジェーン・エア」が小さい頃に叔母さんの家で虐待され、孤児院へ行く辺りは「小公女」を連想させる。

ただ、小さい頃に読んだのでハッキリ覚えてないけど、「小公女」の主人公はもっと受け身というか“良い子”というか、運命に適応しようとする性格だったと思う。

「ジェーン・エア」は運命に抗い、理不尽な扱いには抵抗する。

とても人間的だ。
主人公の、この性格が小説を面白くしていると思う。

ただ、私は時代背景などあまり気にせず単純にストーリーが面白いと思って読んでいたけど、時代を考えるとこの主人公は画期的だ。

当時の社会が求める女性像とはかけ離れている。

偏見を避けるために男性名のペンネームを使用したというし、発表当時は大きな話題になったことが想像できる。

昔の本なので、描写は長いし話の進展は遅いけど、そこさえ辛抱できれば今でも楽しめる小説だと思う。