【今回観た作品】
るろうに剣心 京都大火編
ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス
天地明察
網走番外地 南国の対決
湯を沸かすほどの熱い愛

ピエロがお前を嘲笑う
決算!忠臣蔵
WASABI
スキャンダル (2019米)
弥生、三月-君を愛した30年-




るろうに剣心 京都大火編 ★★★★☆
2014日。139分。大友啓史監督。佐藤健。武井咲。伊勢谷友介。青木崇高。蒼井優。神木隆之介。土屋太鳳。高橋メアリージュン。福山雅治。江口洋介。藤原竜也。

大久保利通が志々雄の配下に暗殺された。

志々雄は剣心が刀を置いた鳥羽・伏見の戦いで維新派が勝利した後、同士に裏切られ斬られた後、体を焼かれた。

志々雄は奇跡的に一命を取り留め、京都に身を潜めて明治政府への復讐と転覆を目論み兵を集めている。

政府も数々の手を打ったが頼れるのはもはや剣心のみとなったのだった。


佐藤健が格好良い。

他作品で見た、線が細くて真面目で優しい役の佐藤健(こちらも良い男振りなんだけど)と、本当に同じ人か??と思うくらい。

特に、チャンバラのシーンは痺れる。

これはヒットする訳だ。


最後に福山雅治が出てきてびっくり。

伊勢谷友介や神木隆之介、江口洋介など出演者が豪華だ。

藤原竜也なんて顔を隠して出演者してる。
贅沢な使い方だ。笑




ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス ★★★☆☆
2017米。205分。フレデリック・ワイズマン監督。リチャード・ドーキンス。エルヴィス・コステロ。パティ・スミス。

世界最大級の知の殿堂ニューヨーク公共図書館の知られざる舞台裏をカメラに収めたドキュメンタリー映画。

19世紀初頭の荘厳なボザール様式の建築物である本館と92の分館に6000万点のコレクションを誇るニューヨーク公共図書館は、地域住民や研究者たちへの徹底的なサービスでも知られている。

映画では、詩の朗読会やロボット作りまであらゆることが描かれる。


単館上映ぽい映画。

絵的には単調だけど、内容は知的好奇心を刺激される。

ただ、図書館で行われている講演会やミーティング、図書館員(司書の方が良いのかもしれないけど、よく分からないので図書館員にしておく)の活動が次々に登場するだけで、前後の脈絡はなく、映画としてのまとまりは感じられない。

素材がゴロンと置いてあるような感じ。

ドキュメンタリーと言えばマイケル・ムーア監督作品を何本か観たけど、その時は何とも思わなかったが、マイケル・ムーア監督の見せ方は分かりやすくてうまかったんだと本作を観て改めて思った。

本作も所々で解説を入れたら良いのに。


講演会やミーティングは本当に色んなテーマがあった。

中でも、図書館の建物や存在そのものについての話が興味深かった。

北欧の図書館は蔵書が多く、南欧は少ない。

ストックホルムとアテネを例に出して、

“単なる書庫と思われがちですが”

“図書館とは人なんです”

“知識を得たいと思う人々が主役”

“多様性を感じられるようにすること”


あとは、予算と運営の話も面白かった。

図書館の予算は公的資金(市の支援など)と寄付で成り立っている。

限られた予算でどんな蔵書を選択し購入するか。

貸し出し需要に応じてベストセラーに重きを置くか。

研究書など入手困難になりそうな本こそ揃えるべきか。


黒人たちが集まって、黒人の歴史について語るのも興味深い。

教科書に載っている黒人の歴史は歪曲されている。

なかなかショッキングな話だ。


図書館員は来館者に点字の読み方やパソコンの使い方を教えていた。

活動は多岐に渡る。

興味を引く活動も、そうでないものもある。

映画では色んな活動が次々に登場し、数分で次に切り替わる。

その点は工夫されていたと思う。

しかし、結局どれも人が話しているだけの映像で、さすがに飽きるし疲れてくる。

3時間25分は長い。

映画として多くの人に観てもらうなら、もう少し短くすべきだと思う。

ただ、本作は内容からしても万人受けは考えてなさそうだ。

観たい人は観れば?
って声が聞こえてきそうだ。




天地明察 ★★★★☆
2012日。141分。滝田洋二郎監督。冲方丁原作。岡田准一。宮崎あおい。佐藤隆太。市川猿之助。横山裕。笹野高史。岸部一徳。市川染五郎。中井貴一。松本幸四郎。

江戸時代前期の囲碁棋士で天文暦学者の安井算哲(渋川春海)の生涯を描く。

将軍に囲碁を教える名家に生まれた青年・安井算哲は出世に興味が無く、大好きな星の観測と算術の問題解きに夢中になっていた。

将軍・徳川家綱の後見人である会津藩主・保科正之や副将軍の水戸光國は、そんな算哲に興味を示す。

折しも、800年にわたって使われていた中国の暦のズレが大きな問題になり始めていた。


冒頭から引き込まれた。
テーマも、ストーリーも面白い。

岡田准一が爽やかで魅力的。
笹野高史と岸部一徳も良い味を出していた。

「暦は権威」だから、現実とズレが生じた「宣明暦」から新しい暦に変えられない、という話は面白かった。

中井貴一の水戸光國が若かった。

水戸光國公と言えば、どうしても東野英治郎の「ワッハッハッハ」がイメージにあるので、違和感が消えない。笑

デビュー前の吉岡里帆が、エキストラで出演していたそうだ。





網走番外地 南国の対決 ★★★☆☆
1966日。88分。石井 輝男監督。高倉健。田中邦衛。

シリーズ第6作。

網走刑務所を出所した橘は、竜神一家の親分が亡くなったという知らせを受けて沖縄に向かう。

道中の船で、橘は母親を捜している一郎少年と知り合う。

沖縄で橘は、仁義に反する豪田一家と対決する。


まだ、沖縄が外国で行き来にパスポートが必要だった頃の話。
最初はどこに向かっているのかよく分からなくなった。笑
こんな時代があったんですよね。

このシリーズは初めて観た。

ヤクザ映画は人を選ぶかもしれないけど、気軽に観られて思ったより面白かった。




湯を沸かすほどの熱い愛 ★★★☆☆
2016日。125分。中野量太監督・脚本。宮沢りえ。杉咲花。伊東蒼。松坂桃李。オダギリジョー。

夫の一浩に家出され、双葉は家業の銭湯を休んでパン屋のパートで働いていた。

そんなある日、突然倒れた彼女はステージ4の末期ガンで余命2ヵ月と宣告される。

彼女は残された日々でやるべきことを決め、実行していく。

まずはいじめに悩み不登校寸前に陥った安澄を立ち直らせること。

そして行方不明の一浩を連れ戻し、銭湯を再度開店するとともに家庭を立て直すこと…。


松坂桃李演じる無気力な青年に、双葉は無駄な時間を過ごしていると嘆き、別れるときにハグして

“あなたはこれから日本の最北端を目指すの”

“それが、あなたの目標”

というところ。


安澄が生みの母と再会して手話で会話するところ。

良い映画だった。




ピエロがお前を嘲笑う ★★★☆☆
2014独。106分。バラン・ボー・オダー監督。トム・シリング。エリアス・ムバレク。ヴォータン・ヴィル。

数々のハッキング事件を起こした上、殺人容疑をかけられて指名手配されていた天才ハッカー、ベンヤミンが警察に出頭する。

その自白によれば、きっかけは、想いを寄せる女性マリのために試験問題を入手しようとしたことだった。

その後、野心家のマックスと出会った彼は、2人を中心にハッカー集団CLAY (クレイ)を結成する。

ベンヤミンは捜査官のハンネにこれまでの経緯を語るとともに命を狙われていると言う。

ハンネはベンヤミンの供述にもとづいて捜査を始めるが、証言の内容と食い違う点が次々と明らかになってくる。


ハッカーの話。

予備知識なしで観たこともあって、最初はよく分からなかった。

ハッカーなのに、アナログな犯罪みたいに現地に行ったりして動き回るし。笑

後半はミステリーらしく、どんでん返しが入りつつ謎が明かされてくる。

ドイツで大ヒットしたそうだけど、正直そこまでの魅力は分からなかった。

2時間近く観るんだから、もう少しキャラが立ってれば良かったのに。
あと、ラストが弱いような。


本作はハリウッドでリメイクされるそうだ。

予算もたくさんかけるだろうし、パワーアップに期待。




決算!忠臣蔵 ★★★☆☆
2019日。125分。中村義洋監督・脚本。山本博文原作『「忠臣蔵」の決算書』。堤真一。岡村隆史。濱田岳。横山裕。妻夫木聡。竹内結子。石原さとみ。阿部サダヲ。

元禄14年。赤穂藩主・浅野内匠頭は、吉良上野介に江戸城内で斬りかかり、切腹を言い渡される。

仇を討つべく討ち入りの準備を進める筆頭家老・大石内蔵助と勘定方・矢頭長助は、予算の問題に直面する。


お金をテーマにした時代劇は時々見るけど、忠臣蔵は初めて。

お馴染みの題材も、切り口を変えて料理すると新鮮で面白かった。

堤真一の大石内蔵助はもちろん良かったけど、石原さとみの高飛車な瑤泉院(浅野内匠頭の奥方)がとても良くて、印象に残った。

いつもの“良い人”な役も良いけど、こういう役をもっとやったら良いんじゃないかと思った。

主役級の俳優にはなかなか難しいのかもしれないけど。




WASABI ★★★☆☆
2001仏日。95分。ジェラール・クラヴジック監督。リュック・ベッソン脚本・製作。ジャン・レノ。広末涼子。ミシェル・ミューラー。

強引な捜査で謹慎を命じられた刑事ユベール。

そんな時、彼が唯一愛した女性、ミコの死を知らせる電話が入る。

19年振りに日本を訪れたユベールを待ち受けていたのは、初めて会う自分の娘ユミだった。

ユミにはミコの遺産2億ドルが遺されており、ユベールはユミが20歳になるまでの後見人に指定されていた。


紹介記事で「レオン」のような映画だと読んだんだけど、ジャン・レノ主演でおじさんと少女のコンビがヤクザに追われるって設定だからヒット映画に例えたってことか。
あまり似てない。

本作にも撃ち合いとかアクションはあるけど、基本はゆるい雰囲気のコメディ。

話題になった割にヒットしなかった印象があったんだけど、この内容では無理もないか。

広末涼子は演技もフランス語も頑張ってるので、ちょっともったいない気がした。

リュック・ベッソン脚本・製作だし、期待して観たんだけど。




スキャンダル ★★★★☆
2019米。108分。ジェイ・ローチ監督。シャーリーズ・セロン。ニコール・キッドマン。マーゴット・ロビー。

2016年。
FOXニュースのベテラン女性キャスター、グレッチェン・カールソンは、人気番組の担当を降ろされ、絶大な権力を笠に着て長年セクハラを繰り返してきたロジャー・エイルズCEOを訴える。


実話ベース。

FOXニュースの創立者で元CEOのロジャー・エイルズのセクシャル・ハラスメントに対する女性職員の告発を描いている。(wikiより)

とても下世話というか下品というか、高尚とは言えないテーマ。

だけど、面白さは文句なし。

分かりやすく、エンタメに徹した、とてもアメリカ映画らしい作品だと思った。

あと、イメージだけどニコール・キッドマンが出演してるのがすごく納得。

それにしても、トランプ元大統領のキャラ立ちは飛び抜けてる。

創作だったらリアリティが無いって言われてしまうぐらい。

ある意味、歴史に残る大統領だ。





弥生、三月-君を愛した30年-
2020日。109分。遊川和彦監督・脚本。波瑠。成田凌。杉咲花。岡田健史。小澤征悦。

輸血でエイズにかかったサクラ。親友の弥生。太郎とお互いに惹かれ合いながらも、弥生は太郎のことが好きなサクラに遠慮していた。

サクラは卒業を待たずに亡くなってしまい、2人は別々の道を歩み始める。

やがて互いにパートナーを見つけ、それぞれの生活を送るが、運命が2人を再び引き合わせる。


波瑠演じる弥生の、気が強くて意見を曲げず、時に切れてしまうところがまるで本人みたい(勝手なイメージですが)でよく似合っていた。

期待以上だった。