【今回観た作品】
花嫁の父
シッコ
ぶどうのなみだ
恋に落ちたら…
マグニフィセント・セブン

ケープ・フィアー
レインマン
優駿 ORACION
スピーシーズ 種の起源
ジョーカー




花嫁の父 ★★★☆☆
1950米。92分。ヴィンセント・ミネリ監督。スペンサー・トレイシー。ジョーン・ベネット。エリザベス・テイラー。

娘のケイが結婚すると言い出した。父のスタンリーは複雑な気持ちながら結婚式の準備に大忙し。


コメディ。

いかにも昔の映画で、展開が遅くてひとつのネタが長い。

絵的な変化も乏しいので、覚悟して観ないと眠くなるかも。
時代だから仕方ないが。

エリザベス・テイラーはよく言われるけど、すごい整った顔だち。

なかなか、こんな人もいないと思った。

この時18歳だったそうだけど、もっと大人に見える。




シッコ ★★★☆☆
2007米。113分。マイケル・ムーア監督・脚本・製作・出演。

アメリカは先進国の中では唯一、公的な国民皆保険制度を持たない。

健康保険の大半は民間の保険会社に委ねられている。


コメディ風のドキュメンタリータッチでアメリカの医療問題について描かれる。

カナダ、イギリス、フランス、キューバの例も紹介されアメリカと対比される。

アメリカの、全ては自己責任みたいな考え方が医療とは合わないのかと思った。

平均寿命が短いのだから、明らかに問題だ。

この点は日本で良かったと思う。

「シッコ (sicko)」とは、「狂人」「変人」などを意味するスラングであり、「病気の」「病気にかかる」という意味の単語「シック(sick)」と掛けている。(Wikiより)




ぶどうのなみだ ★★☆☆☆
2014日。117分。三島有紀子監督・脚本。
大泉洋。染谷将太。安藤裕子。

北海道・空知。
父親が残した葡萄畑を継ぎ、理想のワイン作りに励むアオ。

弟のロクは小麦畑を継いでいる。

アオは理想の葡萄がうまく出来ずに苦しんでいた。

ある日、知らない女がキャンピングカーで現れ、アオの畑で穴堀を始めた。


寓話みたいな、良く分からん話。

エリカが突然穴堀を始めるのも、アオの反応も謎。

あまりリアリティを求める方ではないけど、心の動きがここまで変だと入り込めない。

まあ、エリカのキャラ自体は創作物ではありがちかもしれないが…。

同じ監督の「しあわせのパン」は良かったのに。


映画と関係ないけど、エリカ役の安藤裕子は歌手として知っていた。

以前に「のうぜんかつら」という曲をよく聴いた。

CMで気に入って、ネットで探した記憶がある。

その時はタイトルも分からなくて結構大変だった。




恋に落ちたら… ★★★☆☆
1993米。97分。ジョン・マクノートン監督。
ロバート・デ・ニーロ。ユマ・サーマン。ビル・マーレイ。デヴィッド・カルーソ。キャシー・ベイカー。

シカゴの刑事ウェインは臆病で、本人も自覚していた。

ある夜、スーパーで強盗の人質になっているギャングのボス、フランクを助けたウェインは彼に一目置かれる。

ウェインは世話役としてフランクから送られてきた情婦と恋に落ちてしまう。


出だしを観て、タイトル間違えたか??
と思った。

ギャングのボスから女が送られてきた時は、これはひと騒ぎあると思ったが、途中は意外と平和で拍子抜けした。

最後はまた面白くなった。

フランクが“友達になれると思った”って去るときの寂しそうな様子が印象に残った。

ギャングと刑事では無理があるし、分かっていたことかもしれないが…切ない。

ウェインの同僚マイク(デヴィッド・カルーソ)が良かった。
こちらの友情も良い。

ロバート・デ・ニーロがちょっと情けない感じで、最後は愛する人のために戦おうと決意する。

この辺は本当にうまくて、さすがだと思った。

ユマ・サーマンはきれい。
ビル・マーレイはトム・ハンクスに似すぎ。




マグニフィセント・セブン ★★★☆☆
2016米。133分。アントワーン・フークア監督。
デンゼル・ワシントン。クリス・プラット。イーサン・ホーク。イ・ビョンホン。ピーター・サースガード。

西部開拓時代。

ローズ・クリークの町の住人たちは苦労の末に町を開拓して暮らしていた。

近郊の鉱山から金が出ると分かり、悪徳実業家のバーソロミュー・ボーグは荒くれ者たちを使って住民を町から追い出そうとする。

彼に夫マシューを殺されたカレンは委任執行官サム・チザムに助っ人を依頼する。

サムと町の住民はボーグ一味と戦う。


西部劇。

2016年と新しく、映像や演出は今風でこれまで観てきた西部劇全盛期の作品とは別物に見える。

ストーリーは割りと王道。

七人の侍じゃないか、と思ったら実際に七人の侍が原案となっていた。

デンゼル・ワシントンやイ・ビョンホンといった黒人やアジア人がが登場するのは今の西部劇ならではか。
(昔も三船敏郎が侍姿で出てきたような例外はあるが)




ケープ・フィアー ★★★☆☆
1991米。127分。マーティン・スコセッシ監督。
ロバート・デ・ニーロ。ニック・ノルティ。ジェシカ・ラング。ジュリエット・ルイス。

少女への暴行で服役したマックスは弁護に手抜かりがあったと考え、弁護士のサムを恨んでいた。

出所した彼はサムとその家族、妻のリー、娘のダニエルに復讐の手を伸ばして行く……。


「恐怖の岬(1962年)」のリメイク(未視聴)。

ロバート・デ・ニーロのマックスは、執念深く粘着質な復讐鬼。
気持ち悪くて怖い(褒め言葉)。

サム役のニック・ノルティを始めボーデン家の3人も良かった。


序盤~中盤はサムの防御が今一つで、本当に弁護士かよと思う展開。
一方でマックスの復讐は頭が良すぎ。

なのでリアリティは感じないんだけど、面白いのでさほど気にならない。

たぶん、キャラクターの心情や行動が突飛ではなく、リアルな感情から膨らませたと感じられるからだと思う。

特に、サムがマックスの襲撃に失敗して訴えられ、追い詰められていく辺りからの攻防戦は面白い。

船上の闘いは超展開の連続で長いけど、クライマックスはこんなものかと思う。

マックスが(ネタバレ→)やられちゃった時は驚いたけど、最後はちゃんと勝利したので奇を衒った訳ではないんだとほっとした。
落ち着いた気持ちで観終わることが出来た。




レインマン ★★★★☆
1988米。134分。バリー・レヴィンソン監督。ダスティン・ホフマン。トム・クルーズ。ヴァレリア・ゴリノ。
ロサンゼルスで外車ディーラーを営むチャーリーは、絶縁中だった父の訃報を受けて帰郷する。

しかし、父の巨額の遺産は存在すら知らなかった自閉症(サヴァン症候群)の兄、レイモンドが相続することになっていた。

チャーリーは遺産を手に入れようとレイを施設から連れ出してロサンゼルスに戻ろうとする。

行動を共にする内、チャーリーはレイの持つ特殊な才能(抜群の記憶力)に気付き、幼い頃に彼と交わした交流を思い出す。


第61回アカデミー賞作品賞、脚本賞、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)受賞。


久々に観て、「こんなに良い映画だったっけ?」と思った。

たぶん、当時はまだ子供で理解出来てなかったんだろう。

チャーリーは最初、お金目当てだったけど徐々に心が通じあって行くのが良かった。

ダスティン・ホフマンの演技が凄い。

当初はチャーリー役のオファーだったが直訴してレイモンドを演ったそうだ。

トム・クルーズがイケメン。




優駿 ORACION ★★★☆☆
1988日。127分。杉田成道監督。斉藤由貴。緒形直人。吉岡秀隆。加賀まりこ。吉行和子。田中邦衛。緒形拳。仲代達矢。

北海道の小さな牧場で生まれ、“オラシオン(祈り)”と名付けられた1頭の競走馬。

日本ダービー挑戦までのオラシオンと周りの人々の人間模様を描く。


時はバブル。
フジテレビ絶頂期。

オグリキャップが活躍して、競馬の人気も高かった。

お金かけたんだろうな、と伝わってくる作品。

改めて、馬が走る姿ってきれいで良いなあと思った。




スピーシーズ 種の起源 ★★★☆☆
1995米。108分。ロジャー・ドナルドソン監督。ベン・キングズレー。マイケル・マドセン。アルフレッド・モリーナ。ナターシャ・ヘンストリッジ。

宇宙からの情報を元に産み出された新たな生命体が逃走した。

見た目は人間の女性の姿をしている。

霊能力者のダン、ハーバードの人類学者アーデン、分子生物学者ローラ、問題解決屋のプレスが招集され、追跡を開始する。


さほど期待していなかったが、面白かった。

設定は壮大だけど、ストーリーは手を広げずに「逃げる怪物と、追跡チームの戦い」に絞ったのが良かったと思う。

ただ、グロいので苦手な人もいるかも。

ナターシャ・ヘンストリッジが美しい。




ジョーカー ★★★★☆
2019米。122分。トッド・フィリップス監督・脚本・製作。
ホアキン・フェニックス。ロバート・デ・ニーロ。ザジー・ビーツ。フランセス・コンロイ。

「バットマン」の有名な悪役、ジョーカーの誕生秘話。

大都会の片隅で、体の弱い母と2人で暮らす大道芸人のアーサー・フレック。

彼はコメディアンとしての成功を夢みながらも、母親との生活の為、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ毎日を送っていた。

狂った殺人鬼の話、とはひと言で言えない、とても“哀しい”映画だった。

「バットマン」の悪役誕生秘話、と聞いて想像した話とは全然違った。

リアルな犯罪者の半生のようだ。

良くできてると思う。傑作。


口裏合わせに来たランドルを刺し殺したアーサーは怖い。

でも、震えるゲイリーに「優しくしてくれたのは君だけだ」と言って逃がしてやるアーサーはどこか哀しい。

酷い殺人犯なんだけど、前半の不遇な描写が強烈すぎて憎らしい気持ちになれない。

「バットマン」だから興味を持って観たけど、「バットマン」でなくても観る価値のある作品だと思う。