「中国・江南のみち」街道をゆく19 司馬遼太郎
「中国・閩(びん)のみち」街道をゆく25 司馬遼太郎
「対談 中国を考える」 司馬遼太郎 陳舜臣




「中国・江南のみち」 街道をゆく19 司馬遼太郎

旅行記。エッセイと言うべきか。

お茶の話など、豆知識的な情報が得られて楽しい。

作家だけに、叙情詩的な感じがある。

この頃の中国は今と全然違う。のどかな感じが伝わってくる。




「中国・閩(びん)のみち」 街道をゆく25 司馬遼太郎

本書では司馬遼太郎が福建省を旅している。

日本人はシルクロードとマルコ・ポーロの話が大好き。
と、書かれていた。

中国ではあまり関心がないそうだ。
意外だった。

植林と森林保護の話は興味深かった。
米や餅の話も。

しかし、話題が豊富で尽きることが無い。
次からく次に出てくる。
話したい(書きたい)ことが頭の中から沸いてくるんだろう。

ジャンルは違うけど、アシモフを読んだときの感じに似ている。




「対談 中国を考える」 司馬遼太郎 陳舜臣

この二人は昔からの知り合いで、大阪外大の同級生だそうだ。

1974~77年と50年近く前の対談なので、今では変わってしまった点も多そう。

ウイグル族の話なんかも普通に出てくる。

もちろん、今でも通じる話もある。

お互いの国に気を使ってる感じの発言も。
(陳舜臣は、対談時は中華人民共和国。後に日本に帰化してる)

対談集なので読みやすく、面白い話が盛り沢山だった。

モンゴル人の話。遊牧民族と、農耕民族の関わり。

「日出ずる国」でなく「倭」と名乗ったために怒りを買った?という説。

明治以前の日本は海戦で勝ったことがない。船作りが下手なだったため。

中国は儒教を簡単には脱げない。
日本にとっては服に過ぎないけど、中国にとっては皮膚だから。

生花の話。
起源の中国では無くなっているので、日本オリジナルみたいになっている。

交通安全のお札は道教の影響。

中国は、ボクシングとラグビーはやらない。
肉と肉とがぶつかり合うのは野蛮きわまる。
体育関係者の話。

日本は元禄時代に開国すればよかった。

孫文の神戸県立女学校の演説は、革命の成功を目前にした彼が日本への好意から忠告したもの。

日清戦争の敵は、実際には李鴻章の私兵だった。

朝鮮半島、台湾に出ていくのは、本書の分析より所謂主権線、利益線の話の方が分かりやすいと思った。

研究者の本ではないので、正しいかどうかは良いけれども。

資本主義が無いから取ってもしようがないんだって話は面白かった。
当時の、満州など領土への考え方は興味深い。

宦官が情報操作する話。蒋介石政権時の載笠(たいりゅう)も同様。

日本には、いやな情報は捨てる体質がある。
戦前・戦中は戦争に不利な情報を主張すると、それが正しくても潰される。
単一民族故の欠点。

ウィグル人の話。
こうした少数民族の話も、今の中国では失われてしまうのか。

宗教は国家が広域性を獲得する助けになった。

農民にはイスラム暦より農業暦である中国暦の方が便利だった。

等々。
学生時代の、近現代史の授業を思い出した。