175キロ走破への道 その1の2 | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

峠を越えた時点で

足は何ともなかった。

一番心配していたのが「すね」。

その次が「足の裏」。

これらは過去の経験で

痛くなりやすいとわかっているところ。

さらに、長い下りがあるから

膝にも何か起こるかもと用心していたが、

これも杞憂に終わった。



なので、峠をダメージなしで越えられたと思ったのだが、

やはりそうは問屋が下ろさなかった。

いや、問屋というより峠が下ろさなかった。

平地をしばらく走っていると、

両方の股関節が痛くなってきた。

正確には関節の前面の筋肉が痛くて、

そのせいで足が上がらなくなった。

つま先どころではないダメージを

いつのまにか受けていたのである。



そこからはほとんど歩き。

このダメージ、しばらく休むと痛みがなくなるので、

どうやら怪我ではなさそうだった。

歩いては少し走り、ダメだと思ったら止まって体操。

最後の10キロはそんな状態だった。



こんなに歩いてはいるが、

いちおうこれは「175キロ走る」という企画なので、

歩くのをよしとしてはいけない。

歩いていても体調に回復の兆しあれば、

すぐにでも走るつもりで歩く。

ファイティングポーズだけは解かないようにした。



そうはいっても、だんだん回復が遅くなり

とうとう歩くのもしんどい状態になった。

ちょっとの坂道でもたいへんきつく、

腰の曲がったおばあさんに軽々と抜かされて、

これはもう隙があっても走ってはいけないかもしれない、

と思った。



もう1回だけ続きます。