キーボードに手を置くと、
自然に両手の人差し指がぼっちのついたキーを探す。
学生の頃、情報処理演習という名の講義があった。
まだWindowsもなかった頃のこと。
授業の内容はコンピューターにログインしたり
メールを送ったりするというものだった。
ログインって何? という人がクラスの95%以上、
パソコンは家にないのが当たり前、
そういう時代の「情報処理演習」だから、
この授業内容はおかしくない。
それで精一杯だった。
人差し指をぼっちのついたキーに置くというのは、
この授業で習ったのである。
それが何かになったかといえば、
いまこうして自然とキーボードのぼっちを
人差し指が探している。
無意識の所作である。
いまはキーボードを見なくても文字が打てる。
今日は職場で買った新しいPCの
セットアップをしてきた。
セットアップ!
ログインって何? だった人が
いまやセットアップなのである。
我がことながら、感慨深い。