Suicaを使って改札を通ったはいいが、
降りる駅にSuicaの改札機がなかった。
そういうこともある。
というか、はじめてそういうことになった。
一人しかいない駅員さんが、
乗客すべての切符を集めていた。
この場合どうなるのかというと、
まずSuicaの人の順番は一番後回しになる。
切符を持った人が優先なのである。
Suicaが不当な扱いを受けているというのではなく、
単純に切符は処理が早いから。
ぜんぶの切符客がいなくなったら、
Suicaはやっと取り扱ってもらえる。
やれやれという感じで。
カードを小さな機械の上にのせて
駅員さんは操作する。
Suicaで料金の処理をしてくれるのかと思いきや、
改札を通ったことが帳消しにされただけ。
運賃はそのあとにちゃんと現金で払う。
この駅では切符がすべて、
現金がすべてであり、
Suicaにチャージしたお金など
ないも同然なのだった。
切符を買って改札を通る。
そんなの当たり前のことのはずだが、
少し腹が立っていた。
そして、腹が立つくらい
カード決済を当たり前と思っている自分に気づいて、
いつのまに! と驚いたのだった。