天地明察 | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

冲方丁著「天地明察」を読んでいる。

図書館で借りてきたDVDの予告編に

「天地明察」の映画があったので、

これは見たいと思ったところが、

図書館には置いておらず、

このやるかたない気持ちを本で晴らしている。



というと原作に申し訳ありませんが、

いえいえ本もおもしろく読ませていただいております。

わたしはどうも武士が力ずくで斬り合う時代劇より

弱者が知恵を使って武士の世を生き抜いていく話が

好きなようです。

「のぼうの城」しかり。

「武士の家計簿」しかり。



このお話は、刀を差して歩くと

左へ傾いていってしまうほどの

なよなよとした若者が主人公。

武芸はからっきしだが

江戸城で公務として碁が打てるほどの腕前。

そのうえ算術にも長けており、

腕力はなくとも人より秀でた武器はもっている。



でも、なよなよとしているなと思いつつ読み進めていくと、

「毎年江戸と京都を往復する身」とあった。

前言を撤回しなければならない。

わが身を省みれば、「なよなよしてる」などと

言えたものではない。



だからというわけではないけれど、

今日は8キロ先にある映画館まで

走って映画を見に行ってまいりました。

足下にも及びませぬが。