にぎる | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

おにぎりを作って

次の日のお昼ご飯にしていた時期がある。

いまはおにぎりではないご飯をもっていっている。

おにぎりにしていた時期と今とを比べると

弁当づくりをあきらめる率がぜんぜん違う。



おにぎりを作っていたときには

夕食が夜9時を過ぎたら

もう作る気は失せていた。

外食したら確実に作らない。

弁当は夕食のついでに作るものであって、

弁当のためだけに台所に立つのはおっくうだった。



いまは弁当だけでも台所に立てる。

ご飯はにぎらず、弁当箱に詰めるだけ。

これだと外食して帰ってきても、

ご飯くらい炊こうかなと思える。

この「炊こうかな」と思えるか思えないかの境界線が

わたしの場合「にぎる」ところにあったらしい。

「炊く」の先に「にぎる」があるとおっくうだが、

「炊く」だけならなんとかなる。



心には重く感じられる小さいことがある。

この小さいやつを見つけてはじくのが

続けるコツと思う。