高所恐怖症である。
だからこそ見たいと思った映画がある。
「ザ・ウォーク」。
いまはなきアメリカ、ニューヨークのワールドトレードセンター。
その双子のビルの間にワイヤーを張って綱渡りをするお話。
高さ411メートルの綱渡り。
考えただけで目が回る。
よくスリリングなものに
「手に汗握る」という形容が用いられる。
「手に汗握るカーアクション」とか。
映画でもそう言われるものがたくさんあるけれど、
それはあくまで言葉のあやと言いますか、
「そのくらいすごい」というのを伝えたいだけで、
本当に手に汗を握ることはない。
「ザ・ウォーク」の宣伝文句に
「手に汗握る」は入っていなかったけれど、
この映画は本当に握ります。
手に、汗を。
しかも、たくさん。
わたしのように高所恐怖症の方なら
見終わった後に
軽く運動したくらいぐったりとします。
「もうやめてー!」と思いながら、
客席で身を硬くしてしまうからです。
わたしが見た映画館では、3Dでの上映でした。
いまならその意図がとてもよくわかります。
この映画の感想はひとことで言えます。
「死ぬかと思った」