夏と冬。
カップラーメンができるまでの3分。
お風呂の湯がいっぱになるまで。
1ヶ月、とくに12月の。
90分授業。
50分授業。
小学校の6年間。
大学の4年間。
夏休み40日。
スイミングスクールの1時間。
家から学校までの道のり。
部活の練習。
図工と体育がない日。
ちゃんと読む本1冊。
ノート1冊を使い切るまで。
ボールペンのインクがなくなるまで。
電車で行く東京。
高速道路で行くどこか。
池で釣りができる数ヶ月間。
犬1匹が生まれてから死ぬまで。
更地に家が1軒建つまで。
擦り剥いた傷が治るまで。
散らかった部屋がきれいに片づくまで。
原稿用紙を文字で埋める。
画用紙全部に色を塗る。
ご飯をぜんぶ食べる。
23時以降の時間。
長くて待ちくたびれることばかりだったはずだ。
まだかまだかと思っていたはずだ。
いまはそういうものがめずらしくなり、
早い早いとつぶやいて
1日1日が過ぎて行く。
しかたないことではないと思っている。
たまに長く感じることがあると、
しかたないことではなかったと気づく。