東海道新幹線の新大阪駅にて、週末に実家へ見舞いに行くための土産物を買い、18時10分発上り東京方面行き23・24番線プラットフォームにエスカレーターで上がった直後、突如として激しいめまいに襲われた。これほど激しいめまいは経験がなく、というか、そもそもめまいという事自体が殆ど初めてのことだったので、文字通りめまいがした。
症状は、眼前の景色が大きく揺れ動き、まるで地震の様に見えるというもので、足元がふらつき殆ど歩くことができないと言う症状。
列車は新大阪駅発なのでフォームにはすでに列車が停車していたため、フォームからの転落の危険はないのだが、足元がふらついて目の前に停車している列車に乗ることができない。フォームからドアまですら歩けないのだ。これには困った。歩こうとすると与太って転びそうになる。泥酔してもこんな酷い歩き方にはならない。列車の発車までは5分近くあるので焦ることはないとは思うものの、とにかく歩けない。
とはいえ、乗らないと帰れない。曜日は金曜日。週末の新幹線なんぞ予約もいっぱいだし、これに乗れないと予約放棄として扱われ、座席は自由席となってしまう。その時間帯の自由席なんて、下手をすれば立ち席だ。そんなところに入り込んだら、それこそ倒れてしまうかもしれない。意識は完全にあるので、そ んなことを考えながら一歩ずつゆっくり歩いてなんとかホームの柵までたどり着いてしがみついた。
後はドアまで歩み寄り乗るだけだ。時間はまだある。少し落ち着こう。そう考えて歩くことをやめて深呼吸をし、自分の症状の変化を分析した。もし悪化しているのであれば駅員に救助を頼む必要があるし、改善しているとすれば時間経過に伴って症状は軽くなる筈だ。分析の結果、症状としてはピークを過ぎていることを確認、つまり時間が経てば改善する事が分かったので、発車時間までそこに佇み、具合がよくなってから移動することにした。
そうやって数分が経ち、柵にしがみつかなくても歩けるようになってから目的号車まで進み、乗車して座席に着くことができた。着席後、京都に着く前には既に眠ってしまい、目が覚めたら静岡付近を通過していたがめまいの症状は感じなかった。
このめまいの原因には様々なケースがある様だが、今回の様な動揺性のめまいはストレスによるものも多いという。そういえば実家の母親が痙攣を伴って倒れて救急車で搬送されてからというもの、幻覚を訴えたり全く会話がかみ合わない状態が続き、診断の結果は「せん妄」とされて以来ずっと看病を続けてきたが、いきおい、こちらもストレスは高かった気はする。更に拙宅とは電車で1時間半ぐらい離れている病院と実家を殆ど毎日行き来したので疲れもあるし、食事も極めて変則的でしかも少量であった事や、真夏日が続く中での水分補給もおろそかであったりなど、めまい症状を引き起こす原因は多岐に判っていると思われる。幸いにして母親は退院したが、小生がめまいを起こしたのはその直後であったということも、関連性を否定できない気はする。
いずれにせよ、少し休養は必要の様だ。
