AKB48、41thシングル選抜総選挙の見方 - 二乗平均平方根による票分布分析 | プロムナード

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今や国民的行事にもなったAKB48の総選挙は今年で7回目となり、今年は41thシングル選抜総選挙として先週土曜日に福岡のヤフオクドームで行なわれ、総有効投票数328万7736票を得て閉幕となった。


この票数、単純計算で日本国民の40人に1人が投票したことになる。都道府県別人口数と比較すれば、人口トップ10位に迫るで数字であり、いわずもがな地方都市の知事選総投票数よりもはるかに多い。これはもう、確実に社会現象というより社会行事になっている。

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今回のこの選抜総選挙だが、今年は昨年5位の松井玲奈や、昨年8位の小嶋陽菜といった上位常連組、更に上位本命の一人と言われていた乃木坂46兼任の生駒里奈などが相次いで辞退し、更に昨年、テロリスト暴漢に襲われて負傷した川栄李奈、入山杏奈も辞退した。彼女たちは昨年それぞれ16位及び20位を占めており、今年は更に上昇すると下馬評が高かった子達だ。

そういったことから、今回の総選挙の副タイトルが「順位予想不可能、大荒れの一夜」という総選挙だったが、結果的にみると、順位の変動はあったものの10位までの順位については上位2名の辞退によって次点的なポジションにいる2名が10位以内に入ったという、いわば予定調和的な展開となって大きな変動や混乱は起きなかったと思う。

http://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-12035076143.htm

前回、この総選挙について書いた様に、このイベントは単なる人気投票とは性質が少し異なり、ある種の公開査定でもあるために、年間活動の評価や向こう数年の期待値によって順位が大幅に変わる可能性が極めて大きいイベントだ。しかも順位の決定方法は検定試験の様な判定基準に基づくものではなく、他のメンバーとの相対比較で決まるものであり、必ずしも本人が納得のいく順位ではないことも多々ある。いきおい、そこにメンバー間やファン間に於ける独特の駆け引きや緊張感が発生する。損得勘定と言ってもよいだろう。が、これこそ「結果が総て」という極めてビジネスライクな世界でもあるのだ。順位は自分以外の人たちからみた評価結果であり、絶対的なものだ。四の五の言わずしっかり受け止めて、上位を狙うのであれば、次回までの間に改善するしかない。

順位の内容に対しては色々な見方、考え方があると思うが、結果を見てから順位を評したところであまり意味はないだろう。もちろん、大きく順位を伸ばした子や逆の子の場合は理由がはっきりしているはずだから、評論された内容をよく分析して今後の活動に反映させれば評価は高まるとは思うのだが、いわずもがな事務所の思惑や戦略などが大前提となるから思うように活動できるかどうかは難しいところだろう。その当たりの分析や指南については、ここでは触れず業界の見識者の発言を眺めることにしよう。

ということで、ここでは数字を元に票の動向を分析してファン動向を観察してみる。かつて、1位から40位までの票の集中度(分布度)について分析をしたことがあった。

http://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-11548481202.html

票の分析には相加平均(単純平均)を用いず、二乗平均平方根を用いた。二乗平均平方根は次の式で計算される。二乗平均平方根の詳細については次のページに書き込んである。


これまでの結果を見てみると、

2011 相加平均   27,033 
    二乗平均   40,636     
    集中度     1.50

2012 相加平均   28,025
    二乗平均   36,823    
    集中度     1.31

2013 相加平均   46,263
    二乗平均   56,476    
    集中度     1.22

2014 相加平均   41,994
    二乗平均   53,509    
    集中度     1.27

となっていた。

これに対する今年の1位から40位までの数字は、

2015 相加平均   52,445   
    二乗平均   66,611 ,   
    集中度     1.31


であった。

ここでいう集中度の見方は、総ての候補者への投票数が同数であれば集中度が1.00であることに対して、1.00に近ければ票が広く均一に分布していると見て、逆に数字が大きければ大きいほど特定の候補への集中度が大きいと見る。

これまでの数字を見ると、2011年以降は年々票が分散する傾向にあったのだが、2014年から再び特定のメンバーに集中し、今年もその傾向上にあったということが分かる。これは大変興味深い。2011年の特定メンバーへの集中度が高いという理由は、当時は前田敦子、大島優子という絶対的存在であった二大巨頭のトップ争いが話題の中心だったので、自ずから票が集中していたのだろう。しかし、その後前田敦子の卒業辞退発言があった2012年には、1位の大島優子以下2位から5位ぐらいまでは票数に大きな差がなく、平均的に分布していた。それ以降、特定メンバーへの票の集中は年々沈静化傾向にあったが、数字を見る限り昨年から再び票の集中化が進んでいる。

今年はその傾向が更に進み、2012年の集中度に近いものとなった。

これは即ち、運営側が指原梨乃と渡辺麻友の一騎打ちという構図をアピールした結果なのだろう。とはいえ、前田敦子と大島優子という2強が票を独占していた2011年に比べれば、分布はある程度均等化してはいる。

今回の集中原因は、今回選挙会場が指原梨乃の地元九州で行なわれたこと、年末には総監督である高橋みなみの卒業が予定されていることなどが考えられる、実際、指原梨乃や高橋みなみを含む上位5名の票数が全体の20%を占めている。つまり、順位予測はともかく、票のトップへの集中は、開票前から予測は可能だったと思う。

ということで、この順位、小生は総選挙直前の6月4日のブログやフェイスブックで10位までの予測について次の通り書き込みをした。左が予測、右が結果だ。

1 指原 莉乃   指原 莉乃
2 渡辺 麻友   柏木 由紀
3 高橋 みなみ  渡辺 麻友
4 柏木 由紀   高橋 みなみ
5 山本 彩     山本 彩
7 島崎 遥香   宮脇 咲良
8 宮脇 咲良   宮澤佐江
9 北原 里英   島崎 遥香
10 横山由依   横山由依

結果、10人中9人が的中、1位と10位はズバリ的中、さらに5人が誤差1位以内と言う結果となった。
自分で言うのもアレだが、

ほぼ合格点じゃないかと思っている。


それはともかく、この総選挙を踏まえ、メンバー達の向こう1年間の活動を見守りたい。順位の下がったメンバーは自分を責め、投票したファンは力不足であることで自分を責める。かつて大島優子は「票は愛」といい、今年山本彩は「票は絆」といった。けだし名言だと思う。

来年、また総選挙が行なわれるかどうかは定かではないが、戦いはもう始まっているのだ。